【卓上四季・12.02】:石破さん、行動を
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【卓上四季・12.02】:石破さん、行動を
初冬の日高路を車で走った。太平洋に陽光がきらめき、遠くには白く輝く日高山脈。牧場でサラブレッドがゆったりとした時を過ごす。癒やされる風景の所々に心が痛む場所が見えた。日高線鵡川―様似間の廃線跡である
▼護岸工事に要する巨額の費用がJR北海道や自治体では賄えなかった。国の責任で何とかできなかったのかとの思いが廃止から3年8カ月の今も消えぬ
▼残る赤字路線の展望も開けない道内の鉄路。この人に期待できるだろうか。石破茂さんである。2017年4月、JR北海道問題を特集した「週刊プレイボーイ」に載ったインタビューが興味深い
▼「雪も多い所を重いディーゼルカーがぶっ飛ばす北海道はそりゃ線路が傷む」。リニア新幹線建設資金の「一部でも北海道を救うスキームに回せないか」「赤字の道路を廃止したという話は聞かない。そもそも鉄道が黒字にならないといけないと言っているのは日本だけ」。どれも正論だ
▼当時、本紙夕刊コラムは発言を引用し「石破さん、政治家なら言いっ放しでは済まされない」とJR救済へ行動を起こすよう促した。そこから首相候補の存在感も生まれるのでは、と
▼やる気次第で行政と国会を動かせる地位に就いた。少数与党でも真心を持ち鉄路存続への熱意を語れば、野党の納得と共感は得られるのではないか。
元稿:北海道新聞社 主要ニュース 社説・解説・コラム 【卓上四季】 2024年12月02日 04:00:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます