《あした元気になあれ・01.07》:自分の翼で羽ばたけ=小国綾子
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《あした元気になあれ・01.07》:自分の翼で羽ばたけ=小国綾子
「若い頃は『わたしを束ねないで』と詩に書いたけど最近は束ねられたい気持ちになるのよね」。95歳で亡くなった詩人、新川和江さんは約30年前、そんなふうに語ったことがあったそうだ。
これは新川さんの「お別れの会」(昨年12月8日)で、音楽家の吉岡しげ美さん(75)が明かしてくれたエピソード。吉岡さんは45年間以上、女性詩人の詩に曲をつけ、歌ってきた。「わたしを束ねないで」ももちろん古くからのレパートリーだ。
「束ねられたい、ってどんな思いだったのかなあ」と首をひねる私に、吉岡さんは「束ねられることも減り、自由になれた60代、ふっと物寂しさを覚えるのも人生だものね」とほほえんだ。
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