とうとう学校選択制の破綻が白日のものとなった。10年かかった。親や子どもの「要求」というふれこみで破綻した中教審路線の破綻を取り繕うために「自由」化として発せられた学校選択制だった。
「朝日」の記事は39面に小さい記事だが、本来はもっと大きな扱いでなければならない。これは邪論からすれば、マスコミの橋下応援団ぶりが改めて鮮明になったということだ。
本来であれば偽りのリストという「やらせ」は徹底して追及されなければならないほど、恥ずべきことだったが、事態は、今の所全く逆の方向にすすんでいる。
そうした事態を裏付ける事態が首都東京の特別区において起こったにもかかわらず、記事としては見過ごすほど小さい記事だったことが、何よりの証拠だ。
以下記事を掲載しておこう。
学校選択制廃止へ 杉並区、東京23区で初2012年3月31日17時34分
http://www.asahi.com/edu/news/OSK201203310060.html
東京都杉並区教委は、小一中学校で実施している学校選択制を2016年度に廃止する方針を決めた。競争原理導入による学校活性化を目指したが、校舎の新しさなど、教育内容と関係ないことで学校が選ばれる傾向があるためという。
学校選択制は、一定の地域内で、通いたい学校を自由に選べる制度。東京23区のうち19区が選択制を導入しているが、廃止方針を決めたのは杉並区が初めて。杉並区が導入から10年になるのを機に検証したところ、一部の学校に人気が集中したり、事実に基づかないうわさで希望者が激減したりするなどのデメリットが目立つてきたという。
PTA役員や校長らを対象にしたアンケートでは、3分の2が「制度の廃止か見直しを」と回答した。
内閣府の2009年の調査では、学校選択制を導入した自治体は、小学校で12・9%、中学校で14・2%。「地域活動の衰退」「人気校、不人気校が固定化した」などを理由に前橋市、長崎市、東京都多摩市なども制度の廃止や廃止方針を決めている。(編集委員・西見誠一)
橋下市長、学校選択制を26年度に導入へ 2012.1.16 23:21 [激動!橋下維新]
http://sankei.jp.msn.com/west/west_affairs/news/120116/waf12011623230022-n1.htm
大阪市の橋下徹市長は16日、市長選のマニフェストに掲げていた市立小中学校の学校選択制について、平成26年度から導入する方針を明らかにした。24年度に制度をつくり、25年度に保護者に周知。同年秋には、26年春入学の児童を対象に希望調査を行う見通しという。
この日の市議会決算特別委員会で答弁した。橋下市長は、市内24区一律の導入を基本としたが、「保護者の選択肢を考えると地域の実情を踏まえる必要があり、止めてくれという区は外していく」とも言及。判断は、新たに選ぶ公募区長に委ねるとした。
学校選択制の具体的な形態について市教委は、希望校を区内全ての学校から選ぶ「自由選択制」▽区内をブロックに分け、その中から選ぶ「ブロック選択制」▽従来の通学区域を残し、隣接区域内から選ぶ「隣接区域選択制」-などを検討している。市立小中学校は計425校。仮に自由選択制が導入されれば、学校数が最も多い平野区の場合、区内の23小学校と11中学校から進学先を選べる。
また、橋下市長は住民票の写しや印鑑登録証明書などの各種証明書をコンビニエンスストアで発行できる制度を26年度中に導入する方針を表明した。報道陣の取材には、市職員の人件費をめぐり、市職員給与を府庁職員並みにあわせると、全会計で約120億円の削減効果があるとの試算にも言及。現業職員の給与を同業種の民間並みに下げるなどの対応で、さらに削減効果が期待できるとした。
要するに、競争というアメをぶら下げて、言うことを聞かない職員には「ルール」というムチをもって脅し、新自由主義政策を推進しようということだ。このことは行政の「無責任」の拡大、住民の「自己責任」を拡大しようということだ。これは小泉構造の結果で証明されていることだ。
その破綻を、新しい装いをもって、橋下維新の会が行き詰まった政治を利用(悪用)して、新たな国民収奪装置を造ろうとしていると考えておくことだ。
これをどのように打ち破るか、これが、国民に試されているのだと思う。
とりわけ重視しなければならないのは、橋下市長を支持する国民の意識分析をすることが、今最も重視されなければならない。橋下市長がウソとペテンと恫喝で大見得をはっているのは、俺を支持している国民がいるという「驕り」だ。
その国民の意識をみると、今多くの国民は「身を切る」論を支持していることだ。だが、この行き着く先に何があるか、想像できているだろうか?
それに付随して、もう一つあげるとすれば、「共助・相互扶助・オールジャパン」論があ一見すると当たり前の議論だが、一つには、「相互」「オール」にはなっていないことをゴマカストリックがあることだ。AC広告が、そのことを示してくれた。二つ目は、国民の相互間格差が仲間割れ・国民分断を誘発していることだ。国民同士が連帯しにくい状況がつくられていることだ。
「公務員は楽だ」「民間は違う」「正社員はいい」「非正規はよくない」「ホームレスはクズだ」「生活保護者がパチンコをしている」「老人はカネを使うところがないので老齢加算など不必要」などなど、上げればキリがない。
こういう国民の意識状況=イデオロギー状況をどう克服していくか、これが最大の課題だろう。
今階級対立と階層分断と対立はゴチャゴチャになっているといえないだろうか。人間は自分の立っているところから、ものを見る。当然だ。だが、見方を変えて、逆の方からものを見るということは、なかなかできるものではない。
「地球が丸い」ということは自分の生活点では全くわからない。このことは将棋を指している人は体験していると思う。同時に地震は津波の映像を見てきた日本国民が、今回の東日本大震災の祭にどのように受け止めたか、スリーマイルヤチェルノブイルをどのようにフクシマと重ね合わせていたか、そうした事実を、さらに検討していく必要があるだろう。
以上のようなものの見方と考え方をどうやって構築するか、それが、今国民的連帯を作り出していく上で緊急の課題だろう。
杉並の学校選択制の廃止と橋下維新の会の教育政策を重ねながら、今国民がどういう位置にあるか、そのことを考えて解明していく必要があるように思う。
誤りはいつでも誰でも犯すとふ誤り正す途を探さむ
「朝日」の記事は39面に小さい記事だが、本来はもっと大きな扱いでなければならない。これは邪論からすれば、マスコミの橋下応援団ぶりが改めて鮮明になったということだ。
本来であれば偽りのリストという「やらせ」は徹底して追及されなければならないほど、恥ずべきことだったが、事態は、今の所全く逆の方向にすすんでいる。
そうした事態を裏付ける事態が首都東京の特別区において起こったにもかかわらず、記事としては見過ごすほど小さい記事だったことが、何よりの証拠だ。
以下記事を掲載しておこう。
学校選択制廃止へ 杉並区、東京23区で初2012年3月31日17時34分
http://www.asahi.com/edu/news/OSK201203310060.html
東京都杉並区教委は、小一中学校で実施している学校選択制を2016年度に廃止する方針を決めた。競争原理導入による学校活性化を目指したが、校舎の新しさなど、教育内容と関係ないことで学校が選ばれる傾向があるためという。
学校選択制は、一定の地域内で、通いたい学校を自由に選べる制度。東京23区のうち19区が選択制を導入しているが、廃止方針を決めたのは杉並区が初めて。杉並区が導入から10年になるのを機に検証したところ、一部の学校に人気が集中したり、事実に基づかないうわさで希望者が激減したりするなどのデメリットが目立つてきたという。
PTA役員や校長らを対象にしたアンケートでは、3分の2が「制度の廃止か見直しを」と回答した。
内閣府の2009年の調査では、学校選択制を導入した自治体は、小学校で12・9%、中学校で14・2%。「地域活動の衰退」「人気校、不人気校が固定化した」などを理由に前橋市、長崎市、東京都多摩市なども制度の廃止や廃止方針を決めている。(編集委員・西見誠一)
橋下市長、学校選択制を26年度に導入へ 2012.1.16 23:21 [激動!橋下維新]
http://sankei.jp.msn.com/west/west_affairs/news/120116/waf12011623230022-n1.htm
大阪市の橋下徹市長は16日、市長選のマニフェストに掲げていた市立小中学校の学校選択制について、平成26年度から導入する方針を明らかにした。24年度に制度をつくり、25年度に保護者に周知。同年秋には、26年春入学の児童を対象に希望調査を行う見通しという。
この日の市議会決算特別委員会で答弁した。橋下市長は、市内24区一律の導入を基本としたが、「保護者の選択肢を考えると地域の実情を踏まえる必要があり、止めてくれという区は外していく」とも言及。判断は、新たに選ぶ公募区長に委ねるとした。
学校選択制の具体的な形態について市教委は、希望校を区内全ての学校から選ぶ「自由選択制」▽区内をブロックに分け、その中から選ぶ「ブロック選択制」▽従来の通学区域を残し、隣接区域内から選ぶ「隣接区域選択制」-などを検討している。市立小中学校は計425校。仮に自由選択制が導入されれば、学校数が最も多い平野区の場合、区内の23小学校と11中学校から進学先を選べる。
また、橋下市長は住民票の写しや印鑑登録証明書などの各種証明書をコンビニエンスストアで発行できる制度を26年度中に導入する方針を表明した。報道陣の取材には、市職員の人件費をめぐり、市職員給与を府庁職員並みにあわせると、全会計で約120億円の削減効果があるとの試算にも言及。現業職員の給与を同業種の民間並みに下げるなどの対応で、さらに削減効果が期待できるとした。
要するに、競争というアメをぶら下げて、言うことを聞かない職員には「ルール」というムチをもって脅し、新自由主義政策を推進しようということだ。このことは行政の「無責任」の拡大、住民の「自己責任」を拡大しようということだ。これは小泉構造の結果で証明されていることだ。
その破綻を、新しい装いをもって、橋下維新の会が行き詰まった政治を利用(悪用)して、新たな国民収奪装置を造ろうとしていると考えておくことだ。
これをどのように打ち破るか、これが、国民に試されているのだと思う。
とりわけ重視しなければならないのは、橋下市長を支持する国民の意識分析をすることが、今最も重視されなければならない。橋下市長がウソとペテンと恫喝で大見得をはっているのは、俺を支持している国民がいるという「驕り」だ。
その国民の意識をみると、今多くの国民は「身を切る」論を支持していることだ。だが、この行き着く先に何があるか、想像できているだろうか?
それに付随して、もう一つあげるとすれば、「共助・相互扶助・オールジャパン」論があ一見すると当たり前の議論だが、一つには、「相互」「オール」にはなっていないことをゴマカストリックがあることだ。AC広告が、そのことを示してくれた。二つ目は、国民の相互間格差が仲間割れ・国民分断を誘発していることだ。国民同士が連帯しにくい状況がつくられていることだ。
「公務員は楽だ」「民間は違う」「正社員はいい」「非正規はよくない」「ホームレスはクズだ」「生活保護者がパチンコをしている」「老人はカネを使うところがないので老齢加算など不必要」などなど、上げればキリがない。
こういう国民の意識状況=イデオロギー状況をどう克服していくか、これが最大の課題だろう。
今階級対立と階層分断と対立はゴチャゴチャになっているといえないだろうか。人間は自分の立っているところから、ものを見る。当然だ。だが、見方を変えて、逆の方からものを見るということは、なかなかできるものではない。
「地球が丸い」ということは自分の生活点では全くわからない。このことは将棋を指している人は体験していると思う。同時に地震は津波の映像を見てきた日本国民が、今回の東日本大震災の祭にどのように受け止めたか、スリーマイルヤチェルノブイルをどのようにフクシマと重ね合わせていたか、そうした事実を、さらに検討していく必要があるだろう。
以上のようなものの見方と考え方をどうやって構築するか、それが、今国民的連帯を作り出していく上で緊急の課題だろう。
杉並の学校選択制の廃止と橋下維新の会の教育政策を重ねながら、今国民がどういう位置にあるか、そのことを考えて解明していく必要があるように思う。
誤りはいつでも誰でも犯すとふ誤り正す途を探さむ