愛国者の邪論

日々の生活のなかで、アレ?と思うことを書いていきます。おじさんも居ても立っても居られんと小さき声を今あげんとす

小沢無罪判決でマスコミが突っ込まない政治を劣化させてきた「政治とカネ」問題について

2012-04-27 | 日記
昨日の全国紙と地方紙の社説は、ほとんどが小沢無罪判決問題を扱った。だが今回の小沢一郎問題=政治とカネ問題の根本にメスを入れる社説は、少なかった。マスコミの責任は、極めて大きいといわなければならない。

政党政治を劣化させてきたのは、マスコミのジャーナリズムとしての批判精神が大きい。そこで、その各社のテーマを一覧しておこう。東京は共同通信系として扱う。

朝 日 小沢氏無罪判決―政治的けじめ、どうつける
毎 日 小沢元代表無罪 なお政治的責任は重い
読 売 小沢氏無罪 復権の前にやることがある
日 経 無罪判決を「小沢政局」につなげるな
産 経 小沢氏無罪判決 証人喚問で「潔白」示せ このまま復権は許されない
東 京 小沢元代表無罪 許せぬ検察の市民誤導
東 京 政争よりも政策実現を

地方紙
北海道 小沢元代表判決 検察捜査の徹底検証を
北海道 小沢元代表判決 無罪でも重い政治責任
室蘭民報 小沢元代表無罪判決―室蘭市民、権力争い心配の声も
東奥日報 政治とカネ、残る説明責任/小沢元代表無罪
秋田さきがけ 小沢元代表無罪 疑念晴れたとは言えぬ
岩手日報 小沢氏に無罪判決 政局引きずる益はない
河北新報 陸山会事件判決/「政治とカネ」になお疑念
福島民友  小沢氏無罪判決/迫られる政治資金の透明化
福島民報 【小沢元代表無罪】真っ当な政治の出発点に
茨城新聞 小沢元代表に無罪 「政治とカネ」決着せず
神奈川新聞 小沢元代表に無罪 疑念晴らす説明尽くせ
新潟日報 小沢氏無罪 清廉潔白と胸張れるのか
信濃毎日 小沢氏無罪 それでも疑念は拭えぬ
岐阜新聞 政治資金の透明化を図れ 小沢元代表に無罪
富山新聞 小沢氏無罪判決 「復権」の道はなおも険しい
福井新聞 小沢元代表に無罪 拭えぬ「灰色」、説明必要だ
北國新聞 小沢氏無罪判決 「復権」の道はなおも険しい
京都新聞 小沢氏無罪  国会で説明責任果たせ
神戸新聞 小沢氏無罪/これで「一件落着」とはいかない
山陽新聞 小沢氏無罪判決 国民の疑念は晴れない
中国新聞 小沢元代表に無罪 検察の体質も問われた
日本海新聞 県内では「安ど」と「政局懸念」 小沢元代表無罪
愛媛新聞  小沢氏無罪 政治不信の払拭はこれからだ
高知新聞 【小沢元代表無罪】市民の疑念残ったままだ
徳島新聞 小沢元代表無罪 政治的責任を忘れるな
西日本新聞 小沢元代表 無罪判決 検察が厳しく指弾された
西日本新聞 小沢元代表 無罪判決 それでも説明責任は残る
熊本日日 小沢元代表無罪 国民の厳しい視線忘れるな
佐賀新聞 小沢元代表に無罪 「政治とカネ」に決着を
宮崎日日 小沢元代表に無罪 「政治とカネ」問題決着せず
南日本新聞 [小沢元代表に無罪] 国民への説明責任がまだ残っている
沖縄タイムス [小沢元代表無罪]なお残る分かりにくさ
琉球新報  小沢判決/検察の「闇」が裁かれた 全面可視化しか道はない

以下まとめてきよう。
1.今回の判決については、概ね批判的だ。

(1)結論はシロだが、「潔白」ではなく「灰色」という司法判断だろう。司法判断が「白」とはいえ、何か釈然としない。
(2)虚偽記載が事実だとしても、それだけで小沢氏の刑事責任が明確になるわけではない。今の法律では、共謀が認められなければ無罪になる。
(3)違法性に対する元代表の認識の証明が不十分だとして結果的に共謀は否定したが、有罪すれすれの判断だったと言えよう。
(4)注目すべき点は、判決が元秘書による虚偽記入の報告・了承を認めたのに加え、「すべて秘書に任せ、収支報告書を見たこともない」という小沢氏の法廷供述に対し「信用できない」と厳しく言及した
(5)違法と疑われても仕方のないようなことをしていたが、有罪とするには証拠が足りず立証ができていない。ただ、小沢氏周辺で指摘されてきた「政治とカネ」をめぐる不透明な問題がすべて払拭(ふっしょく)されたとまではいえない。

2.今回の裁判について、多くの社説が特捜検察の手法の問題点を指摘している。これが今回の裁判に微妙な影響を与えたかもしれない。がしかし、積極的に評価する社説もある。

(1)問題のある捜査報告書を作成した検察を強く批判した。不当な取り調べがあったとして供述調書の多くが証拠として採用されなかったことと併せ、あらためて検察の捜査の在り方が厳しく問われよう。
(2)民意によって政治家が法廷に立った意味は大きい。国民は小沢氏の言い分を裁判という公開の場で聞く機会を得た。そのことで明らかになったことは少なくない。検察もまた、公判を通して数々の課題を突き付けられた。

3.判決と政局を結びつける社説があり、特に消費税導入を煽るもの、小沢政局にはまってきたことを反省しないもののある。

(1)民主党は何度も消費増税方針を決定し、既に法案を国会に提出している。元代表らがあくまでも反対だというのなら、もはや離党するのが筋ではないか。増税法案に政治生命をかけるという野田首相も分裂も辞さない覚悟が一段と必要となる。
(2)元代表は「政治改革」などの旗を立てて過去四半世紀の権力闘争を生き抜いてきた。今回も消費増税や環太平洋経済連携協定(TPP)参加への反対を掲げて野田首相追い落としに動くのだろう。 だが、いまの日本に政争に空費するための時間の余裕はない。無罪判決を新たな小沢政局の始まりにしないよう、政府・民主党は政策実現へ挙党一致で取り組む努力を払ってほしい。
(3)「政局至上主義」的な小沢氏の影響力拡大は、消費税問題を混乱させるだけで、良い結果を生むまい。 そもそも消費税問題は、昨年の党代表選や関連法案了承などで決着済みのはずだ。それなのに、党内の慎重・反対論が収まらず、足並みが乱れ続けている。 そのため、政権党への国民の不信が増幅していることを、小沢氏らは認識する必要がある。
(4)小沢元代表の発言権が強まれば、野田佳彦首相が政治生命をかける消費税増税などの重要政策も影響を受けるだろう。消費税増税の頓挫は内閣の存続にかかわる。だが、それ以前に、小沢元代表が政治的・道義的責任を取ろうとしていないことが問題なのだ。これを放置する限り、民主党政権は国民の信用を取り戻せまい。
(5)小沢元代表は野田佳彦政権をいたずらに揺さぶるべきではない。野田首相は「国民の生活が第一」と掲げた政策実現のため元代表と率直に話し合い、党の結束を図るべきだ。
(6)首相が消費税増税に突っ走れば小沢氏らとの抗争を泥沼化させかねない。消費税増税を実現しようと自民党の求めに応じて「小沢氏切り」に踏み切れば、民主党は分裂するだろう。首相はそこまでして消費税率を引き上げたいのか。
 ここは政権交代の原点に返り、まずは政府や国会の無駄に徹底的にメスを入れることに再挑戦する必要がある。
(7)野田政権が掲げる消費税増税に否定的な見解を示している小沢氏の動向は、終盤国会の焦点になりそうだ。 ただ、党利党略まるだしの権力闘争の繰り返しでは、国民の政治不信を増幅させる。国民は不毛な政争ではなく、社会保障の在り方など具体的な政策論争に期待し、注目している。
(8)そうなれば、消費税増税法案や原発再稼働問題など、日本の将来を左右する重要法案や懸案事項が山積した国会審議にも影響が及ぶ。

4.小沢問題に対して、小沢氏の政治姿勢を問うものもあるが、こうした政治とカネの問題状況を放置してきたことは問題にしていない。

(1)「政治資金をめぐる一番の問題は、資金が巨額である半面、その流れが著しく不透明であることから、政治家が私腹を肥やしたり、公正であるべき政策決定がカネで歪(ゆが)められているのではないか、と疑念を持たれていることである」 これは、小沢氏の著書「日本改造計画」からの引用である。20年近くも前の文章だが、その主張が昨今の政治状況に照らしても全く色あせていないのは、皮肉としか言いようがない。
(2)小沢氏はかつて政治資金の透明化を訴え、秘書が同法に違反した場合の「連座制」導入まで提唱していた。国会は、政治家の責任のありかたを含めた政治資金規正法の改正にも取り組むべきだ。
(3)陸山会の代表である小沢氏は「秘書に任せており、一度も収支報告書を見たことがない」と言い切った。裁判長は、これを「信じられない」と断じている。
 「ほとんどの議員は収支報告書に目を通すことはない」とも小沢氏は証言している。事実ならば、監督者の罰則強化などを早急に検討すべきだ。

5.小沢問題をとおして「政治とカネ」の問題を解決するために必要はことは何か。具体的にしてきたのは極めて少ない。このことこそが政治の劣化を改善していく唯一の道なのに、根本にメスを入れることを避けている。

(1)今回の事件で改めて、政治資金規正法の抜け穴を防ぐ必要性が明らかになったのに、対策は一向に進んでいない。マニフェストに盛った企業・団体献金の廃止もたなざらしのままだ。
(2)政治資金規正法では、収支報告書の記載・提出義務は会計責任者が負う。政治家本人の刑事責任を問うのは難しく、今回の判決で、ザル法と指摘される同法の欠陥があらためて浮かび上がっている。
(3)政治資金規正法は、原則として会計責任者に責任を負わせ、公選法のような連座制の規定がない。議員が虚偽記載を了承していても罰せられないような法律でいいのか。悪質なケースは、議員の公民権停止も含めた法改正を検討すべきだ。
(4)政治資金規正法や国会議員の資産公開法の不備を強く感じさせる裁判だった。「政治とカネ」の疑惑を繰り返さないための改正を急ぐよう、政府、各党に求める。
(5)政治資金規正法の限界も明らかになった。公職選挙法のように連座制規定がなく、不正な会計処理があっても政治家本人の責任を追及しにくい。政治資金の透明化に向け、法改正を検討すべきだ。

6.「民主党がすべきこと」として、民主党を応援・曖昧にしている。

(1)小沢氏の処遇を考える前に、民主党には果たすべき役割がある。疑惑が発覚した当初から、小沢氏に説明を尽くすよう要請していれば、強制起訴の事態には至らなかったかもしれない。 判決は、政治家としての責任の“免罪符”にはならない。課題が山積している中、政治の停滞を避けるためにも、拭えていない疑問に答えるよう小沢氏に求め、決着を図る必要がある。

以上、主なものをあげてみた。近代政党として、その資金をどこに依存するか、政党の生命線だが、これについて、極めて寛容だ。日本のマスコミは。きっと、彼らも、その恩恵に与っているのかもしれない。政党助成金が広告費に化けていることは、その証左だ。

その点共産党が、資金において、極めて異色を放っているが、このことを国民が政党選択に入れているか、極めて問題だ。これだけ「政治とカネ」が問題になり、公務員バッシングにのっかっているのに、この種の問題では、すり替わってしまっており、そのことが実は、自分の首を絞めているというのが、現在の国民の実態ではないだろうか?

民のカネ民の手口より離れおりいつまで続くカネ民にこそ
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする