愛国者の邪論

日々の生活のなかで、アレ?と思うことを書いていきます。おじさんも居ても立っても居られんと小さき声を今あげんとす

豆腐の上に建てられた原発 再稼動に向けて想像力が発揮できない日本!

2012-04-06 | ゲンパツ

野田政権が原発最稼動に向けて、新たな「安全基準」を発表した。
一つには、世論におされて「ハードル」をつくった。
二つには、再稼動に向けて芝居をした。

そこで、以下の「基準」について、ホントにクリアできるものかどうか、どうか、だ。

大飯原発再稼働の新安全基準、政府が最終決定(2012年4月6日18時54分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20120406-OYT1T00980.htm
 政府は6日午後、関西電力大飯原子力発電所3、4号機(福井県おおい町)の再稼働を巡る3回目の関係閣僚会合を開き、安全性を確認する新たな判断基準を最終決定した。
 その後、大飯原発が基準を満たしているか判断し、枝野経産相が来週にも福井県を訪問して再稼働を要請する方針だ。
 判断基準は〈1〉地震や津波による全電源喪失を防ぐ対策を実施済みであること〈2〉炉心の冷却継続機能を国が確認していること――を盛り込んだ。また、電力会社に対しては原発の安全性、信頼性をさらに高める計画の策定を求める。経済産業省原子力安全・保安院がとりまとめた30項目の安全対策を2段階で実施することになる。


つい先ごろ、南海トラフ巨大地震に対する新たな不安がとりざたされたばかりだった。
こうした巨大地震に対して大飯原発の備えは可能だろうか?問題は津波だけに向いてるようだが、揺れもある。福島原発の場合、津波の前に電源が切れた。その後に放射線の放出があり、今でもがれき処理の最大の壁が放射能問題である。

こうした問題を教訓化するならば、再稼動が議論されることなどあり得ない。だが、野田民主党連立政権は、再稼動を目指すらしい。

以下、社説を掲載しておこう。
地震と原発、放射能汚染が関連されているかどうか、注目してみた。
伊方原発のある「愛媛」、大飯原発のある「福井」ではどうだろうか?巨大地震と原発がリンクされているだろうか?

南海トラフ巨大地震 想定最大数値を恐れず侮らず特集社説2012年04月06日(金)
http://www.ehime-np.co.jp/rensai/shasetsu/ren017201204069200.html
 県内の津波高は最高の愛南町で17メートル、震度は局所的に7になる可能性もある―。南海トラフを震源域とする巨大地震について、内閣府の有識者検討会が、最大想定の津波高と震度を公表した。
 2003年に中央防災会議が発表した想定を、はるかに上回る数値が並ぶ。従来の基準で対応してきたすべての自治体や自主防災組織、住民個人に至るまで徹底した防災対策の洗い直しが必要だ。
 東日本大震災を受け、検討会は南海トラフ巨大地震の想定マグニチュード(M)を9クラスに引き上げ、想定しうる最大の震度や津波をはじき出したとしている。
 津波の高さは、宇和海側で従来想定の最高で3倍超となり、中予や東予の瀬戸内海側でも3メートル以上と予測。1メートルの津波の到達速度は南予南部で約10~40分。南予北部で約40~60分と分析した。
 また震度は、四国中央、新居浜、西条、東温、大洲、西予、宇和島の各市で局所的に震度7になるとしている。
 今回の想定は、「現時点で科学的に考えられる最大級地震」(岡村真・高知大特任教授)であり、次の地震予測ではないという。検討会も報告書に「不確実性を伴う」と記すように、現在の科学知見を総動員しても明確な予測は難しいのが現状だ。
 ただ、数値が示されたからには対応は待ったなしだ。被害を完全に抑えることは難しいが、可能な限り住民の命と財産を守る社会の仕組みを確立しなければならない。
 堤防や避難道の整備、土地利用や建築物の構造規制など大がかりなハード面対策は必要ではある。しかし、それだけで被害を完全に防げないことは歴史が証明している。
 自治体財政が厳しい中、巨額の予算を防災事業に注ぎ込むのは現実的ではない。地域ごとに被害を予想し事業実施に優先順位を付けるなど、選択と集中を徹底したい。
 ことに宇和海沿岸は、想定津波への物理的対策の難しさに直面している。今後は「いかに逃げるか」の検討に重点を移さねばなるまい。
 新しい避難経路と避難所の設置、津波の規模、到達時間を速やかに伝える手段などを充実させることで、被害の軽減は可能になるはずだ。
 検討会は今後、詳細な地形に基づいた津波の高さや浸水域などを予想し、中央防災会議が6月をめどに犠牲者数などを算出。秋に経済被害などを公表するという。そのシナリオに合わせ、地域に応じた減災計画の立案が必要だ。
 地震の発生は明日かもしれない。100年後かもしれない。しかし必ず来る。今回の数値は衝撃的だが、いたずらに神経質になる必要はない。恐れず侮らず、綿密な対策と冷静な行動を心がけたい。

南海トラフ巨大地震 最悪のケース考え備えよ (2012年4月4日午前7時15分)
http://www.fukuishimbun.co.jp/localnews/editorial/33975.html
 沿岸を襲う巨大津波が最大34メートル超という推計に恐怖感を抱いた市民も多かったのではないか。内閣府の有識者会議が、駿河湾から九州沖にまで達する海底の溝「南海トラフ」沿いで巨大地震が起きた場合の津波の高さや震度の想定を公表した。
 東日本大震災を教訓に、震源域を前回2003年想定の約2倍に拡大するなど、最大級の地震、津波を想定。地震規模はマグニチュード(M)9クラスになった。あくまで「千年に一度」の考え得る最悪ケースで、いつどこで起きるかは不明だ。だが東日本大震災と同規模の地震、津波が発生する可能性がある限り、「想定内」として最大の備えを確立する必要がある。
 津波高が20メートル以上になる可能性がある地域は東京(島しょ部)、静岡、愛知、三重、徳島、高知の6都県に達する。10メートル以上の地域は太平洋岸の11都県にまで拡大する。震度7の地域は静岡、愛知、三重、兵庫、和歌山、徳島、香川、愛媛、高知、宮崎の10県に及び、その面積は前回推計の約23倍、約7千平方キロになるという。
 政府はこれを基に6月ごろに人的、物的な被害想定を出し、来春までに対策大綱をまとめる方針だ。国や地方自治体は短期、中長期の観点から地震に強い街づくりを進める必要がある。こうした地域には人口密集地域や産業拠点も多く含まれ、東日本以上の被害も予想される。法整備も進めるべきであろう。
 「東南海・南海地震」と予知を前提とした「東海地震」とでは地震対策特別措置法の内容が異なっている。だが3連動地震の発生が予測される中、各県知事からは災害法制の一本化再編を望む声が出ている。広域での減災対策を正面から考える必要性がでてきた。
 それでは、具体的にどう備えるのか。まずは住民自身で命を守ることを徹底し、海沿いで大きな揺れがあれば急いで高い場所に逃げること。住民が自らの判断で避難できるよう訓練や防災教育を充実していきたい。予防的な観点から、国や自治体は安全な場所への誘導策をつくり出すとともに、安全な高台への集団移転を後押しするような支援策も検討すべきだ。
 自治体は、高台の避難場所や避難タワー、避難路や誘導標識を整備する必要がある。揺れへの備えでは、自宅の全壊を避ける耐震化が重要で、行政による補助の充実を求めたい。
 さらに重要な視点は、災害列島である限り、広域的な支援・連携が不可欠ということだ。過疎地域だけでなく、東京や大阪、名古屋など大都市も被災すれば都市機能が損なわれる可能性がある。大震災に学び、生活物資や燃料、医療面などのバックアップ態勢が必要になる。
 国土軸で考えれば、太平洋側の代替機能を日本海側が果たすことを視野に入れたインフラ整備が求められる。整備新幹線もその観点で早期整備を進めるべきではないか。

豆腐の上に建設されている大飯原発を「廃炉」という立場からの論説ではなく、安全に対する「説明」を求めているというのが不思議だ。フクシマの事実が教訓となっていないのだ。放射能物質が30キロをはるかに超えて飛散したこと、今東京湾の汚染がジワジワと迫っていることを考えると、ちっとも教訓となっていない。

大飯再稼働へ新基準 安全対策、それで十分か (2012年4月6日午前7時43分)
http://www.fukuishimbun.co.jp/localnews/editorial/34012.html
 停止中の関西電力大飯原発3、4号機の再稼働をめぐり、野田佳彦首相と関係3閣僚が最終判断に向け2回目の協議を行った。経済産業省原子力安全・保安院がまとめた対策の妥当性を確認し「安全性に関する判断基準」として、きょう決定する。
 「新安全基準」は保安院が東京電力福島第1原発事故の検証結果を30項目にまとめた対策をベースに急ごしらえしたものだ。それが再稼働に向けた安全対策として地元のみならず、国民の理解が得られるだろうか。
 藤村修官房長官は会見で「暫定ではなく、他の原発再稼働の新たな安全基準」として、法的根拠を持たせる考えを表明した。さらに「地元同意」は必ずしも再稼働の前提条件としないとの認識も示した。単なる大飯原発への対応にとどまらず、国内原発の「再稼働の方程式」を視野に入れた発言といえる。
 5月初めにも国内の全原発が停止する切迫した状況下、夏場の電力確保へ前のめりになる政府の政治手法である。枝野幸男経産相が近く本県を訪れる意向のようだが、先に結論ありきで「地元の理解が得られたかどうかは政府が判断する」という発想が果たして地元重視の原子力政策なのか、課題となろう。
 再稼働の条件に挙げたストレステスト(安全)の1次評価は机上のシミュレーションにすぎず、東日本大震災の巨大津波や地震が引き起こした予測を超えた過酷な自然現象が十分反映されていない。県が「安全対策」と認めてもいない。
 今回の安全基準は実質、県の要請に答えた形で、全電源喪失事故の進展防止策など三つの基準で構成した。電源車の配備、建屋の浸水防止策など、事故後の緊急対策で実施済みの項目を盛り込み、防潮堤のかさ上げや、事故対応拠点となる免震事務棟など完成に数年かかる中長期対策も列挙。30項目の実施計画をあらためて示した格好だ。
 しかし、新たな知見となる活断層の連動による耐震安全性や誘発される津波の評価をはじめ、地震による道路寸断、配備された電源車、消防車の被害想定が十分なのか、オフサイトセンターの機能不全の懸念など不安材料は多い。「これで安全」というものはない。さらに多角的な検証が求められる。
 県や地元おおい町がこれまで国に求めてきたのは「暫定的な安全基準」である。福島事故の究明が途上であり、中長期の課題もある。次回以降の定期点検時に対応していく項目も含め暫定としている。
 だが、炉心のメルトダウン、放射性物質の大量拡散被害という過酷事故が発生し、原発の安全性に大きな不安が渦巻いているのが現状だ。再稼働に向けたハードルは格段に上がっている。国が「新基準」として判断するのはよほど慎重を要する。首相や閣僚が繰り返す「国民の理解」を地元同様に求めたい。
 県が求める高経年炉の運転基準や新たな知見を生かしたシステムづくりなど、不安解消につながる取り組みをしっかり示し、何よりわが国の原子力政策、エネルギー政策について説得力ある説明が必要だ。肝心な原子力規制庁設置のめども立たず、国の信頼感は失われている。
 あってはならない事故を踏まえた再稼働であることを政府は肝に銘じるべきである。

大飯再稼働  京滋の了解が不可欠だ[京都新聞 2012年04月04日掲載]
http://www.kyoto-np.co.jp/info/syasetsu/20120404.html
定期検査で停止中の関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)について野田佳彦首相と関係3閣僚がきのう協議し、再稼働させる政治判断を先送りした。福井県に隣接する京都府の山田啓二、滋賀県の嘉田由紀子両知事が再稼働に難色を示しているためだ。
 いったん事故が起きれば京滋にも被害が及ぶ可能性が高い。再稼働には両府県の了解が不可欠である。
 そもそも再稼働を政治判断することがおかしい。東京電力福島第1原発事故に関する政府や国会の事故調査委員会の報告と原子力規制庁の発足を待ち、科学的知見に基づいた判断であるべきだ。でなければ京滋の理解も得られまい。
 福島事故以前の原発行政は立地自治体の意向が反映されてきた。だが、事故では放射性物質が広く拡散し、避難を強いられている周辺自治体の住民は多数に上る。
 大飯原発に近い高浜原発(福井県高浜町)で、事故が起きた場合の放射性物質の拡散について京都府が公表した予測でも、50キロ以上離れた京都市右京区や亀岡市へも影響が広がることが分かった。
 政府が再稼働の条件とする地元理解の「地元」が、もはや立地自治体だけでないことは明らかだ。
 政府の方針には矛盾もある。再稼働では立地自治体を重視しながら、一方で原発事故に備えた防災対策の重点地域を半径30キロまで拡大し、「緊急防護措置区域」とした。ならば、少なくとも30キロ圏内を地元と考えるのが筋だろう。
 京都府では大飯原発の半径30キロ圏内に約6万8千人が暮らしており、滋賀県は近畿の水源である琵琶湖を抱える。京滋の両知事が再稼働に慎重になるのは当然だ。
 政府は原発の再稼働について安全評価(ストレステスト)の1次評価を踏まえ、地元の理解、同意を得て政治判断するとしている。だが、両知事はストレステストそのものに疑問を呈している。
 1次評価は予想される地震や津波に対し、原発がどれほどの余裕を持って耐えられるかを電力会社自身が机上計算するものだ。その結果を原子力安全・保安院、原子力安全委、政府が点検する手順になっている。だが、安全委自らが「総合的な評価としては不十分」と指摘しているのに、型通りの手順を踏めば安全だとは到底言えない。
 原子力規制の役割を担うべき原子力規制庁も設置関連法案の国会審議が進まず、発足のめどは立っていない。福島事故の原因はいまだ詳細不明で、事故を反映させた新たな安全基準づくりもまだだ。
 原発が再稼働しない場合に電力の需給がどうなるのか、そのデータを政府や電力会社が示す必要もある。越えるべきハードルはこんなにも多い。政府は再稼働の判断を急いではならない。

色もなし匂ひさえなき物質におそれぬメディア国滅ぼすか

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする