愛国者の邪論

日々の生活のなかで、アレ?と思うことを書いていきます。おじさんも居ても立っても居られんと小さき声を今あげんとす

昭和25年9月2日「東宮妃サガスコト」からスタートし昭和30年9月17日「平民デモヨシ」でギアチェンジ!昭和34年4月10日ゴールインまで日本の反動化の中で行われた象徴天皇制の模索物語を視る!

2018-12-24 | 天皇制

明仁天皇の退位にあたって

「象徴天皇制」の在り方を検証したNHKに小アッパレ!

昭和25年(1950年)から昭和35年(1960年)までの10年の間において

日本の政治・経済・文化は憲法形骸化=反動化が始まった!

反動化=侵略戦争正当化=天皇元首化!

だが、このことは極めて限定的に押し込まれ=封印されて

明仁皇太子・天皇の象徴天皇制度確立の歴史を強調した!

だが、天皇元首化を目論む安倍晋三首相をてこにした

安倍式憲法改悪派は

明仁天皇の憲法厳守擁護の立ち振る舞いに敗北した!

天皇の地位を決める主権者日本国民の総意は

明仁天皇の思いに共感したのだから!

常識的言動の積み重ねで

三種の神器継承の任務を果たす装置である象徴天皇制を護持した明仁天皇は

憲法を活かし天皇元首化を否定した

歴史に残る天皇となるかも!!

三種の神器を守るためには天皇元首化ではなく現行憲法の象徴天皇制しかないと考え憲法遵守擁護の義務を果たそうとする天皇家が安倍政権と対立するのは当然!  2018-12-24 | 天皇制

「日本国憲法の下で象徴と位置付けられた天皇の望ましい在り方を求めながらその務めを行い,今日までを過ごしてき」明仁天皇の視点を検証する! 2018-12-23 | 天皇制

 憲法の人権思想と相いれない象徴天皇制

侵略戦争の戦争責任を不問にする象徴天皇制

憲法遵守擁護の義務の履行を具体化する天皇家

憲法を活かす!象徴天皇制とは何か!

NHK  天皇陛下が皇后さまと共に歩んだ激動の歳月

天皇 運命の物語 第1話「敗戦国の皇太子」【総合】12月23日(日)  後7:30

http://www6.nhk.or.jp/nhkpr/post/trailer.html?i=17172

来年4月30日に退位される天皇陛下。皇后さまとともに歩んだ激動の歳月を4回シリーズで伝える。第1回は、戦争という荒波にもまれながら成長した若き皇太子の姿を描く。

NHK  天皇 運命の物語 第2話「いつもふたりで」2018年12月24日(月) 午後7時30分(74分)

https://www.nhk.or.jp/docudocu/program/92926/2926047/index.html

NHK   初代宮内庁長官の日記入手し分析    12月24日 20時25分

https://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20181224/0023039.html

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昭和34年の天皇皇后両陛下の「世紀のご成婚」。
NHKはこれに深く関わった初代宮内庁長官、田島道治の日記を入手し初めて近現代史の専門家とともに詳しく分析しました。
日記には、天皇陛下のおきさき選びの舞台裏が詳細に記録されていて、専門家は「将来の象徴天皇のパートナーにふさわしい女性は誰なのかを周囲が模索していた過程がわかる貴重な資料だ」としています。

初代宮内庁長官の田島道治は、昭和23年から5年半にわたり、宮内庁やその前身の宮内府のトップを務め、退任したあとも天皇陛下のおきさき選びに深く関わりました。
田島は、日々の出来事や面会した相手とのやりとりを小型の手帳26冊に書き留めていて、NHKは遺族から提供を受けて初めて近現代史の専門家とともに詳しく分析しました。
このうち、ご成婚の9年前の昭和25年9月2日には皇太子教育の責任者を務めていた慶應義塾元塾長、小泉信三との面会の記述の中で「東宮妃サガスコト」と記していました。
「東宮」は「皇太子」を指す言葉で、天皇陛下が16歳、高校2年生だったこの頃には宮内庁の幹部や側近らがおきさき選びを始めていたことがわかります。
また、皇太子と結婚できるのは戦前、皇族と一部の華族に限るとされ、おきさき選びは当初この前例に沿って進められましたが、昭和30年9月17日には、当時21歳だった天皇陛下が小泉氏との雑談の中で「平民デモヨシ」と述べたと記されています。
このあと、昭和32年4月17日には、田島が当時候補として有力視されていた旧華族の女性の親と面会した記述の中に「光栄なれど拝辞。離れるのはいや。全員反対」などと記され、旧華族を対象としたおきさき選びがうまく進まなかったことがわかります。
こうした中、対象は民間にも広げられ、皇后さまと初めて会われた軽井沢での「テニスコートの出会い」の8か月後昭和33年4月12日には、田島と小泉が車の中で話した記述の中に「Shoda」という皇后さまの名字がローマ字で記され、婚約内定発表の半年あまり前のこの時期には有力なおきさき候補になっていたことがうかがえます。
日本近現代史が専門の長野県短期大学の瀬畑源准教授は、「皇太子のきさきである以上将来必ず皇后になるということが前提で、日記の記述からは将来象徴のパートナーとなるのにふさわしい女性は誰なのかを周囲が模索していた過程がわかる。当時の人が象徴天皇の存在や皇后の役割をどのように考えていたのかがわかり、私たちにとって象徴とは何かということを考える1つの手がかりにもなる貴重な資料だ」と話しています。(引用ここまで)

NHK  天皇陛下の教育振り返る音声発見 連合国軍の干渉を警戒 2018年12月23日 5時20分皇室

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20181223/k10011757551000.html

天皇陛下が中学時代に通われた学習院の教師らが、戦後の占領期の教育現場を振り返った音声テープが見つかりました。当時、皇太子だった天皇陛下への教育について教師たちが連合国軍から干渉されることを警戒していた様子がわかり、専門家は「将来の天皇の教育を模索していることがわかる貴重な史料だ」と注目しています。

音声テープは学習院に保管されていたもので、昭和30年に山梨勝之進元院長のほか教師12人が学校の歴史を記録するため、天皇陛下が在籍されていた戦後占領期の中等科の教育を振り返っています。
当時はアメリカなどの連合国軍が日本の民主化を急速に進めていた時期で、山梨元院長は「日本の国がどうなるかわからない、皇室がどうなるか、一面では学校の運命もわからなかった」と振り返り、皇太子だった天皇陛下の教育について「マッカーサーがどこまで口を出してくるのかわからない。何を言いだすのか、どこまで言うのかという問題があった」と連合国軍の干渉を警戒していたことを明かしています。
また、天皇陛下は中等科で学ばれましたが、当初はこのほかに皇太子専用の教育施設を設ける案もあり、山梨元院長は専用の施設を設けていれば極端な国家主義を教えると思われかねなかったと述べたうえで「学習院中等科でみんなと一緒になるんだと言えば、それ以上、追求する口実もない。これであまり干渉されないでいけるという見込みが自然に生まれてきた」と振り返りました。
また、教師の1人は天皇陛下が当時、グループ研究の授業でうまくできない生徒に「それなら、やめてしまえ」と発言され、別の生徒が「天皇さまにおなりになってそんなことを言っちゃ困ります」とたしなめたというエピソードを紹介しました。
当時の天皇陛下への教育をめぐっては、自主性や人を思いやる気持ちを教えることが課題の1つになっていて、教師は「これはよいことを言ってくれたと思った」と振り返っています。
象徴天皇制を研究している名古屋大学の河西秀哉准教授は「天皇の地位が変わる中で、皇太子の教育を学習院の人たちが考えて、模索していたことが生の声で分かる貴重な史料だ」と話しています。(引用ここまで)

 「自分の意志が曲げられるとは……」忘れられない平成“5つの非公式な”天皇の「お言葉」

公式ではないからこその、強いメッセージ性

文春オンライン 辻田 真佐憲 2018/12/23

http://bunshun.jp/articles/-/10073

小室圭さんに「相応の対応」を求められた秋篠宮さまの“宿命”

文春オンライン 河西 秀哉  2018/12/23

http://bunshun.jp/articles/-/10083

 

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三種の神器を守るためには天皇元首化ではなく現行憲法の象徴天皇制しかないと考え憲法遵守擁護の義務を果たそうとする天皇家が安倍政権と対立するのは当然!

2018-12-24 | 天皇制

国家の思考法規である憲法尊重擁護の義務を果たそうとする天皇家の意見表明が

「政治的」と捉えられてしまう日本のおかしさ!

宮内庁 天皇陛下のお誕生日に際しての記者会見の内容とこの一年のご動静平成30年12月23日 

主な式典におけるおことば(平成元年)http://www.kunaicho.go.jp/okotoba/01/okotoba/okotoba-h01e.html

大行天皇の崩御は,誠に哀痛の極みでありますが,日本国憲法及び皇室典範の定めるところにより,ここに,皇位を継承しました。

深い悲しみのうちにあって,身に負った大任を思い,心自ら粛然たるを覚えます。

顧みれば,大行天皇には,御在位60有余年,ひたすら世界の平和と国民の幸福を祈念され,激動の時代にあって,常に国民とともに幾多の苦難を乗り越えられ,今日,我が国は国民生活の安定と繁栄を実現し,平和国家として国際社会に名誉ある地位を占めるに至りました。

ここに,皇位を継承するに当たり,大行天皇の御遺徳に深く思いをいたし,いかなるときも国民とともにあることを念願された御心を心としつつ,皆さんとともに日本国憲法を守り,これに従って責務を果たすことを誓い,国運の一層の進展と世界の平和,人類福祉の増進を切に希望してやみません。(引用ここまで)

天皇=護憲派VS安倍晋三首相=改憲派は

正しいか!?

天皇=憲法実践派VS安倍晋三首相=憲法形骸化=否定派だろう!

池上彰氏が解説 新天皇と安倍首相の不思議な緊張関係  2018.12.23 16:00

  • 皇太子ご一家(共同通信社)

 改憲を訴える安倍晋三首相と、ことあるごとに憲法を守る主旨の発言をする現在の天皇や皇太子、秋篠宮は意

 改憲を訴える安倍晋三首相と、ことあるごとに憲法を守る主旨の発言をする現在の天皇や皇太子、秋篠宮は意見に対立があるようにも見える。「天皇」について解説した著書『池上彰の「天皇とは何ですか?」』(PHP研究所)もあり、NHK時代に宮内庁も担当したジャーナリストの池上彰氏が、皇室と安倍首相の不思議な緊張関係について解説する。

 * * *
この先、注目されるのは憲法をめぐる新天皇と安倍首相の関係です。

安倍首相が「今の憲法には問題がある」と改憲を打ち出してから、天皇は護憲派の象徴になりました。

両者の関係は不思議です。憲法の中には憲法擁護義務があり、公務員は憲法を守らなければなりません。天皇もこの義務を負い、今上天皇や皇太子、秋篠宮は折に触れて「憲法に則って~」と発言します。これは憲法の規程に則ったまっとうな発言ですが、憲法を変えたい安倍首相としては面白くないでしょう

愛国者の邪論 「憲法第99条」「天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ」をよくよく読めば、安倍首相も憲法を守る義務があります。

しかも次の天皇となる皇太子は、戦後70年にあたる2015年の誕生日の会見でこう述べています。

「私は、常々、過去の天皇が歩んでこられた道と、天皇は日本国、そして国民統合の象徴であるとの日本国憲法の規定に思いを致すよう心掛けております」

通常、世界各国で与党は憲法を守り、野党は政権交代して憲法を改正することをめざします。ところが日本は与党が憲法改正、野党が護憲とねじれている。ゆえに結果として、憲法を守ろうとする天皇と、憲法を変えたい首相の間に緊張関係が生じます。

即位後、新天皇がどれくらい護憲のニュアンスを打ち出すのか。それに対して安倍首相はどのような姿勢を示すのか。新しく即位される天皇の「お言葉」が注目されます。

●いけがみ・あきら/1950年、長野県生まれ。慶應義塾大学卒業後、1973年NHK入局。報道局記者や番組キャスターなどを務め、2005年にNHKを退職。ジャーナリスト、名城大学教授、東京工業大学特命教授。著書に『池上彰の世界の見方 ロシア』『考える力がつく本』(小学館刊)、『池上彰の「天皇とは何ですか?」』(PHP研究所)などがある。※週刊ポスト2019年1月1・4日号

■議論:両陛下ご葬儀について:火葬は土葬より費用がかかる? ご意向表明は憲法違反? 2013-11-19 03:36:50 | 日記

週刊朝日#皇室 天皇の葬儀と陵の造営でかかった費用は100億円 2013.11.26 07:00

https://dot.asahi.com/wa/2013112100061.html

社会科学者の随想 天皇は火葬か土葬かという問題 2014年08月01日

 退位イヤーを前に池上彰氏が解説「天皇とはどんな存在か」2018.12.20 07:00

https://www.news-postseven.com/archives/20181220_828877.html

この年末年始は日本人にとって特別な節目になる。あらゆる行事が“平成最後の”と形容され、いよいよ今上天皇から代替わりする日が近づいてくる。ここで少し考えたい。果たして我々はどれだけ「天皇」のことを知っているだろうかと。NHKの記者時代に宮内庁も担当した池上彰氏が、解説する。

 * * *
いよいよ平成最後となる年末年始がやってきます。

1月2日の一般参賀にはいつも以上の人が集まることでしょうし、私も取材に行くことを決めています。

2019年4月30日に今上天皇は退位され、5月1日に新しい天皇が即位されます。2016年7月に「天皇陛下が生前退位の意向」とNHKがスクープしてから紆余曲折を経て、ついに退位イヤーを迎えるのです。

天皇の退位があらかじめわかっていて、生前のうちに準備を重ねて代替わりするのは、現存する世界最古の王室としてギネスブックに登録される日本の皇室の長い歴史の中でも異例のことです。

歴史的な退位に向けた最近の動きでひときわ注目すべきは、2018年11月30日に公開された秋篠宮53歳の記者会見です。

秋篠宮さまは、2019年11月14日に行なわれる大嘗祭(だいじょうさい)について「宗教色が強い」として、公費支出に異議を唱えました。想定外の出来事に宮内庁記者は驚き、発言を大きく報じました。

天皇の行なう宮中祭祀の中で最も重要な儀式とされるのが、飛鳥時代から続く収穫のお祭り「新嘗祭(にいなめさい)」です。天皇が即位後初めて行なう新嘗祭を「大嘗祭」と呼び、特別にお祀りをします。来年の大嘗祭には、公費22億円が予算として計上されています。

さらに秋篠宮さまは、「言ってみれば(宮内庁長官が)話を聞く耳を持たなかった。そのことは私は非常に残念なことだったなと思っています」と異例の発言が波紋を広げました。

なぜ、秋篠宮発言に注目すべきなのでしょうか。詳しくは後述しますが、この会見が、天皇や皇族が抱えている様々な問題を提起しているからです

天皇や皇族の役割や権能は、憲法はじめ様々なルールや慣習で規定されます。

普段、私たちはあまり意識しませんが、皇室は、長い歴史において様々な経験を積み重ね、わが国の文化や慣習に大きな影響を及ぼしています。それゆえ天皇や皇室について知ることは、憲法や政治のあり方、日本の国柄や歴史を考えることにつながります。

今の日本人に必要なのは、退位という歴史的なイベントを前に、あらためて天皇や皇室を学ぶことです。それは、私たち自身を知ることでもあるのです。

■天皇とは何なのか

日本国憲法第1章第1条は天皇をこう規定します。

〈天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であって、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く〉

明治憲法では「天皇ハ神聖ニシテ侵スへカラス」とあり、天皇の存在は絶対にして不可侵でした。対して戦後の日本国憲法は、天皇の地位は「日本国民の総意」に基づくものと定めます。要は、国民みんなが支持しているから、天皇という地位にいるということです。

何ともわかりにくいのは「象徴」という言葉ですが、英語では「シンボル」。「鳩は平和のシンボル」と言うように、鳩は平和を象徴しています。それと同じように、天皇は日本のシンボルであると言われます。

象徴の意味について、最も考え抜かれたのが、現憲法のもとで即位した今上天皇です。常に弱い立場にある人を思いやり、福祉施設や災害被災地を訪れては、一途に国民の声に耳を傾け、思いに寄り添う天皇の姿を見て、どれだけの人が勇気づけられたでしょう。

その積み重ねの中で、「日本国の象徴、国民統合の象徴とはこういう活動をされる人のことなんだ」との理解が国民に広まりました。

■天皇の仕事とは

天皇の活動は一般的に、(1)国事行為、(2)公的行為、(3)その他の行為、の3種類に分けられます。

このうち国事行為は憲法で定められ、天皇は国会を召集したり、衆議院を解散したり、大臣や最高裁判所の裁判官の任命を認証したりします。天皇には実際の政治をする力が与えられず、国事行為はすべて「内閣の助言と承認」を必要とし、「内閣がその責任を負う」と定められています。

国事行為の多くは皇居内の「表御座所」の中でデスクワークとして行ないます。

日にちは火曜日と金曜日の午後。それは、両曜日の午前中に開かれる閣議で決裁された書類に署名をしたり、許可印を押したりする必要があるからです。単なるルーティンワークと思う人がいるかもしれませんが、天皇は年間1000件を超える膨大な書類すべてに目を通し、納得したうえで署名捺印をされるそうです。

公的行為」は、国事行為にはあてはまらないが、公的な意義がある活動です。

国会の開会式への臨席や、春と秋に行なわれる園遊会、宮中晩餐や外国訪問など、活動は多岐にわたります。

その他の行為」には、天皇の「お祈り」である宮中祭祀が含まれます。戦前の宮中祭祀は国家の重要な行事でしたが、戦後は政教分離の原則のもと、神道儀式は皇室の私的な活動と考えられるようになりました。

先の誕生日会見で秋篠宮が提起したものの一つは、「宗教色の強い大嘗祭に国費を投入していいのか」という政教分離の問題でした。

■なぜ、政治的な発言をしてはいけないのか

憲法第4条は「天皇は、この憲法の定める国事に関する行為のみを行ひ、国政に関する権能を有しない」と規定します。このため、天皇の政治的発言は固く禁じられています。

今上天皇は退位に伴う様々な行事を、なるべく質素にすべしとの意向を持つとされます。秋篠宮はその意を汲んで“もっと慎ましくあるべきでは”と呼びかけたのでしょう。

とはいえ、大嘗祭に国費を用いるかどうかは政治の話であり、秋篠宮の発言は憲法に抵触する怖れがあります。識者の間では、秋篠宮は天皇ではなく、皇族なので発言権はあるとの意見がある一方、皇位継承順位が2位であることから、いずれ天皇になるかもしれない立場の方が政治的な発言をするのは問題があるとの意見もあります。

難しいのは、今後、政府が大嘗祭の公費支出を見直せば、秋篠宮発言はまさに政府を動かした政治的発言となることです。かといって、政府が一切応じないでいると、あえて踏み込んだ発言をした秋篠宮の思いが黙殺されます。非常に皮肉な状態になっている。

天皇は、日本国民の統合の象徴として様々な国事行為を担うと同時に、日本国民の安寧を願ってお祈りをする、神道のトップに立つ方でもあります。この「二面性」が天皇をめぐる様々な場面で、解きがたい難問として浮上するのです。

●いけがみ・あきら/1950年、長野県生まれ。慶應義塾大学卒業後、1973年NHK入局。報道局記者や番組キャスターなどを務め、2005年にNHKを退職。ジャーナリスト、名城大学教授、東京工業大学特命教授。著書に『池上彰の世界の見方 ロシア』『考える力がつく本』(小学館刊)、『池上彰の「天皇とは何ですか?」』(PHP研究所)などがある。※週刊ポスト2019年1月1・4日号

日本国憲法改正草案(全文)

https://jimin.jp-east-2.storage.api.nifcloud.com/pdf/news/policy/130250_1.pdf

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