テレビも新聞も政党も国民も
憲法というと「9条」しかないような思考回路に陥っているが、
ホントは人権尊重主義と人道主義を活かした憲法平和主義を強調しなければならない!
しかし、国際紛争を解決する手段として使うのは「非軍事」だという回路は全くない!
だから「憲法改正」に「賛成か反対か」などちうデタラメな世論調査が行われる!
国際紛争を解決する手段として使うのは何か!
という世論調査をやってみろ!
平和的解決か!軍事的解決か!
答えはあきらかだろう!
だがそんな世論調査は絶対にやらない!
NHK 政権で変貌、安全保障のいま 2019年12月12日 17時25分
防衛費は過去最高を更新中。 「戦後政策の大転換」と言われた安全保障関連法を成立させ、 集団的自衛権の行使も容認――
「積極的平和主義」という看板を掲げる安倍政権。 憲政史上最長の政権のもと、この国の安全保障は、どのように変貌を遂げたのか。 (政治部・山枡慧、地曳創陽)
歴代の自民党政権も認めてこなかった、集団的自衛権の行使を容認し、「戦後の安全保障政策の大転換」とも言われた。
その一方で、安倍総理大臣はこのように法の意義を語った。 「国民の命と平和な暮らしを守り抜くために必要な法制であり、戦争を未然に防ぐためのものだ。子どもたちに平和な日本を引き渡すために必要な法的基盤が整備された」
その法で、アメリカとの関係が変わった
法が変えたもの、それはアメリカとの関係だ。安全保障関連法では、自衛隊が、共同訓練や弾道ミサイルの警戒監視など、日本の防衛のために活動しているアメリカ軍を、警護することが可能になった。
海上自衛隊は、おととし5月に初めて、最大の護衛艦「いずも」が、房総半島の沖合から四国の沖合まで、アメリカ軍の補給艦を護衛した。おととしは、これを含めて、警護は2件。
さらに、陸・海・空に加え、宇宙やサイバーといった新たな領域でも、共同訓練などが相次いで行われ、日米一体化の動きが、加速化している。
民主党政権で、民間から初めて防衛大臣を務めた、拓殖大学の森本敏総長。安全保障法制の整備を通じ、日米同盟をさらに強固にしたことが、安倍政権の実績の一つだと指摘する。
増え続ける防衛費、そして…
日本の安全保障体制を、同盟国・アメリカとの連携を通じて強化しようとする安倍政権。その姿勢は、予算編成にも表れている。「日本は、この10年間ずっと財政健全化のために防衛費を削減しており、第1次安倍政権でも削減したことは反省すべき点だ」
その防衛費の推移だ。
財政健全化が重要課題となるなか、防衛費は、1998年度以降、削減の傾向が続いていた。 ところが、第2次安倍政権以降は、毎年、増加。近年は、過去最高を更新し続けている。
増え続ける防衛予算。アメリカとの連携強化によって、内容にも変化が出ている。
カギになっているのが、アメリカ政府が直接、防衛装備品などを販売する、FMS=対外有償軍事支援という仕組みを利用した取り引きだ。高い軍事技術の装備品を取り引きできるのが特徴だが、価格がアメリカ側の「言い値」になりやすいのではといった指摘も出ている。
FMSの調達実績を見てみると、10年前の2009年度は、約620億円だったが、次第に拡大し、2018年度には約4078億円にまで増加。
これまでの調達を見ると、最新鋭のステルス戦闘機「F35」、それに無人偵察機「グローバルホーク」など。 アメリカからしか調達できない、装備品が多い。
ただ、全契約金額に占めるFMS調達の割合は、2015年度以降、20%を超え、「国産装備品を圧迫し、防衛関連産業が弱体化する一因になっている」という意見も出ている。
森本氏は、FMSの活用は必要だとする一方で、国内の産業基盤を強化するには、さらに大胆な改革が必要だと指摘する。
「FMSを諦めて国産にしたら、膨大な開発費もかかるし、アメリカ以外から買ったのでは効果的な防衛ができないから、結局、アメリカとのFMSが増えていく」
「積極的平和主義」の旗
安倍政権は、2013年、外交・防衛の基本方針となる「国家安全保障戦略」を初めて策定。PKOは「宙ぶらりん」
安倍政権の柱の1つとも言える「積極的平和主義」だが、国際政治学が専門の、東京外国語大学大学院の篠田英朗教授は、この7年間で、内容が変わってきていると指摘する。篠田教授が指摘するのは、国連のPKO=平和維持活動への参加の推移だ。
1992年に、自衛隊を国連のPKO=平和維持活動に参加させるためのPKO協力法が成立。 日本は、25年以上にわたり、カンボジアやゴラン高原、東ティモールなどに、延べ1万2000人以上を派遣してきた。(以下の資料はPKO本部事務局より)
政府のPKO本部事務局は、PKOの担い手がアジアやアフリカ諸国中心へと変化していることを踏まえ、日本としては、こうした国々に対しての、インフラ整備で必要な重機の操縦や、医療能力の向上といった、能力構築支援に力を入れているとしている。
「非常に冷徹な政策判断をした結果、PKOへの新たな部隊派遣がない状態になっている」
「覚書」で拡大する防衛協力
PKO活動が変化する一方、積極的平和主義のもと、各国との防衛面でのつながりが、急速に強化されている。その目安が、安全保障上の関係を深める一つのきっかけとなる、「覚書」の署名だ。
一般的に、こうした協力は、留学生の交換や相互訪問といった「防衛交流」に始まり、政府間どうしの「覚書」、共同訓練や能力構築支援といった「防衛協力」へと深化していく。
第2次以降の安倍政権のもとでは、GSOMIAなど、安全保障に関する情報を共有・保護を行う情報保護協定を、韓国やインドなど、締結している8つの国や組織のうち4か国と。
水や燃料、弾薬などをお互いに提供し合うACSA=物品役務相互提供協定は、5か国中、3か国。
防衛装備品・技術移転の協定は、9か国中、インドやフィリピンなど8か国と結び、関係の維持・強化が進んでいる。
「覚書」への署名や「協定」を締結した国をみると、安倍政権が掲げる「自由で開かれたインド太平洋」と関わりが深い国々と関係を強化していこうという意図が見て取れる。
安全保障は、どこに向かうのか
こうした方向性について森本氏は、「多国間の協力を進めることで、日本が深刻な脅威を受けるレベルは低くなる。つまり、日本が払うべき防衛努力を、国際協力によって少なくすることができる。ある種の保険だ」と評価する。ただ、周りを見れば、北朝鮮は、この1年に20発以上の弾道ミサイルなどを発射し、ICBM=大陸間弾道ミサイルの発射再開に向けた動きも懸念されている。 中国は海洋進出を続け、不透明な軍事力の増強を続けている。 さらに韓国との関係悪化は、GSOMIAをめぐる問題など、日本との安全保障協力にも陰を落としている。
国内では、自衛隊の海外派遣をめぐる議論が本格化し、新型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の配備や、アメリカ軍普天間基地の名護市辺野古への移設などでは、地元から批判や不信の声も上がる。
向き合うべき課題は、重さを増している。
批判もあるなかで、長期政権が大転換させた安全保障。日本の行く末にも直接関わるその在り方を、私たちは注視していかなければならない。(引用ここまで)