「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

三峰講 江戸庶民のレク

2006-06-03 05:28:33 | Weblog
三代続いてかろうじて江戸っ子といえるわが家にもまだ時々江戸時代庶民
の慣習が残っている。妻が昨日から一泊旅行で参加している三峰講もその
一つだ。もともとは秩父の山岳信仰だったのが、江戸時代中期、三峰神社
参拝は災難除けになるという民間信仰に変った。そして町内毎にあるいは
職能単位で講をつくり出かけるようになった。

家の近くに「大山みち」という小さな道標が残っている。落語で有名な「大山
まいり」のころの名残である。大山講も秩父講と同じ江戸庶民の民間信仰、
神奈川の大山に登り、六根清浄,身も心も清めようというものだ。江戸時代
には、富士登山講とならんで,この三つが人気だったようだ。

僕も一回だけ三峰講に参加、大山の御師(先導師)の家にも一泊したことが
ある。山頂の神社に詣で,お祓いを受ける趣向は同じ。参加者が一緒に酒を
飲み、ご馳走を食べ大騒ぎするのも同じ。落語「大山まいり」の世界、つまり
江戸庶民の厄除けに名を借りたレクリエーションだったのである。