「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

サカナが獲れなくなるって本当?

2006-11-08 06:23:44 | Weblog
日本の新聞がアメリカの科学雑誌「サイエンス」の報道として、40数年後
には食卓からサカナが消える日が来るかもしれないとー伝えている。今の
ような世界的な乱獲が続き、環境破壊が続くけばという条件つきだが、ま
ったく空言ではない気がする。水産業界関係者にとって大きな警鐘である
ことは間違いない。 

北海道に勤務していたとき、僕はイヤというほど”幻のニシン”の話を聞
いた。昭和の初めごろまで、ニシン漁は北海道のメーン産業だった。年間
100万もとれ、春先にはニシンの群来(くき)で海辺が真っ白になった。
浜辺は野衆で賑い、各地に”ニシン御殿”が建ったという話である。ところ
が昭和29年の30万㌧を最後に群来がなくなってしまった。

身近な東京でもそうである。僕の子供時代は江戸前のサカナが沢山獲れた。
大森海岸から漁師が獲れたばかりのサカナをリヤカーに積んで売りにきて
いた。江戸前の寿司には”シャコ”が定番だったが、今は姿をけした。昭和の
初めごろまでは”いわしっ子”売りの声が町中に響いたそうだが今や昔の話に
なってしまった。

鰊が獲れなくなったのは、魚網の”改良”による乱獲が原因だとされている。
江戸前のしゃこは東京湾の砂州埋立による環境破壊によるものだ。健康食ブ
ームで寿司が人気となり、マグロが今のように乱獲されれば、北海道のニシ
ンと同じ運命にあるのではないだろうかー。国際捕鯨委員会によるクジラ捕獲
禁止もサカナ減少の原因の一因ではないのではないのだろうかー。これは僕の推
測にすぎないがー。