「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

団塊世代の自殺と責任

2006-11-14 05:59:54 | Weblog
自殺がテレビや新聞の社会面を賑わせている。困った連鎖反応だ。岐阜県
総務部長(58)が県庁の裏金問題にからんで自殺し、北九州市では男性校
長(56)が学校内のいじめを正確に市教委に報告しなかった責任をとって自
殺した。二人ともいわゆる団塊世代である。

WHO(世界保健機構)の自殺率調査によると、わが国は世界で第10位。
リトアニアが第1位で、日本より上位9か国はすべて政治体制移行国であ
る。つまり自由世界では1位である。そして、その特徴は55歳から59歳
までの世代が10万人当たり71・1と突出していることだ。ちなみに同世代
の米国は20・2人にすぎない。

わが国の自殺人口は、このところ年間3万人を越えている。警察庁の発表
では2005年は32,522人で前年度より227人増えている。うち50歳代
は7,556人。日本人の自殺は何故高いのかー。WHOの関係者は「日本
人は自殺によっ身の名誉を守り、責任を取るという倫理規範があるから
だ」と述べている。これも一面とは思うが、やはりバブル崩壊後のリストラ、
生活苦も影響しているのではないかー。

子供のいじめによる自殺連鎖も問題だが、このような事態を招いている社会
全体のタガの緩みに問題がある。伊藤忠の元会長で中曽根内閣のブレーンだ
った瀬島龍三氏が日本の危機は団塊の世代が社会の指導層になった時とい
う意味の発言をしていた。たんに命を絶つことで責任を取るのではなく、あらま
ほしきはタガの緩みの締め直しである。