「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

            台湾から”がんばって!”の年賀状

2012-01-02 08:12:58 | Weblog
台湾の友人の一人,陳再生さんから年賀状が届いた。いつもの年の”恭賀新年”とは違って、日本語で”がんばって!”と書かれ「用力加油と印刷された蛙をアニメ風に描いた可愛いカードだ。(写真)カードには中国語で「明年也要一起 作(人偏に火)加油打(編が未つくりが併の人偏のない漢字)とある。僕は中国語は解らないが、漢字から判断して”明年は立ち上がれ、油を注いで頑張れ”という意味にとれる。こういったカードが今、台湾では市販されているのだろうか。

昨年3月11日の東日本大震災の際、台湾はいち早く日本へ救援隊を派遣し、わずか1か月で官民併せて144億円という巨額な義捐金を日本赤十字社を通じて贈ってくれた。台湾は隣国とはいえ、人口わずか2300万人で、面積は我が国の六分の一に過ぎない。サリーマン平均月収は13万円という、際立った豊かな国でもない。馬英九・総統も李登輝・元総統も”義捐金は1990年の台湾大地震の際、日本が示してくれた好意に対するお礼だ”といっているが、改めて台湾の人たちの温かい気持ちに感謝する。

陳再生さんは戦争中スマトラ・ブキティンギにあった第二十五軍司令部に勤務していた軍属である。当時まだ17歳の少年であった。僕は軍歴はないが、10数年前東京の九段会館で開催された戦友会で陳さんと知り合い、以来おつきあいを願っている。陳さんの”がんばれ!”の年賀状には自筆で紅白のインドネシア国旗が描かれ”70年前のことです。懐かしいですね”と書いてあった。日本国民として大東亜共栄圏を夢見た陳少年の述懐なのかもしれない。

”がんばれ!”カードは東日本大震災救援用に作られたのだろうかー。今年日本では被災地の人たちへの賀状に”おめでとう”の言葉を使うのには抵抗があった。しかし”がんばれ!”なら問題はない。むしろ励ましになる。郵政公社も特別に”がんばれ!”カードを作り、その売上げを震災復興に回せばよかったにと、悔やまれる。