「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

                 寒詣で 寒稽古

2012-01-06 07:26:33 | Weblog
今日6日は「小寒」である。”二十四の一つで昼と夜との長さがほぼ同じで、太陽は真東から昇り、真西に沈む日”と辞書にある。「小寒」から「春分」までの三十日間を”寒の内”と言い一年間で最も寒い季節である。いよいよ冬本番である。馬齢を重ねると、寒中のこの厳しい寒さがひときわ身にしみる。

毎年、この季節になると春の魁を告げる寒梅が咲き始めるのだが、今年の東京は寒い。一昨年は年内の12月30日に咲いたと、小ブログは書いているが、今年は日当たりのよいわが家のベランダの寒梅でさえ、まだ蕾は固い。通りを挟んだ隣家の寒梅の古木は、この寒さの中でじーっと身を潜めているみたいだ。

昔は寒に入ると、、東京でも寒詣での人が見られた。凍てつくような夜、白装束の信者が鐘をたたき、太鼓を鳴らしながらやってくる。昭和30年代だったが、この寒参りの鐘と太鼓の音が遠くから聞こえてくると、長女は怖がって祖母の布団にもぐりこんだ。東京のわが家のあたりではもう寒詣での人はみられなくなったが、地方ではどうなだろうか。

戦中、子供だった頃は寒稽古が盛んだった。戦争中だったこともあるのだろう。寒中になると、早朝僕らは稽古着姿で学校の道場へ通った。素足のまま道場の床の上で稽古をすると、寒さで震え上がった。当時の子供たちには”あかぎれ”や”しもやけ”が多く、耐えられない痛さであった。寒中水泳も各地で盛んであった。いずれも”耐える”ことを”耐寒”を通じて学ぶのが目的だった。