「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

            スキーブームとバブルの崩壊

2012-01-21 07:35:24 | Weblog
東京は昨日初雪をみた。例年より17日より遅いそうだ。といっても都心では積るほどには至らないみぞれである。東京生まれ東京育ちの僕だが勤めの関係で10年間の札幌生活をはじめ長野、郡山と何故か雪国の勤務が多かった。にもかかわらず。ウィンタースポーツにはまったく縁がない。札幌ではスキーならぬもっぱらウィスキーの毎日であった。

今年は日本にスキーが伝来して百年である。たまたまだが亡父が残した原稿を整理していたら、明治45年2月11日、オーストリアのテオドール・レルヒ少佐が新潟県高田(現在の上越市)で日本初のスキークラブの発会式を催したとき、亡父は東京の新聞社から特派され取材していた。残念ながら、亡父はスキーのことより式に列席していた乃木希典・学習院院長が女子学習院の火災で帰京したことに重点を置いて書いていた。

戦中戦後の物のない時代に育った僕らの世代は、あまりスキーは出来ないが、今から20年ほど前、1980年代後半から90年代のバブル期にかけて異常なスキーブームがあったことを覚えている。「私をスキーに連れてって」という映画に触発されて1993年の最盛期には1,860人のスキー人口があったそうだ。ちょうど僕らの子供の青春時代だが、JRがスキーの臨時電車を出したり週末には特別バスがでるなど大賑わいであった。

このスキーブームはバブルの崩壊とともにいつか去り、この10年間は最盛期の三分の一程度のスキー人口だという。そういえば大学生の孫がスキーに行きたいという話を聞いたことがない。雪国は別として都会からスキーに行こうと思えば相当なおカネがいる。スキーがバブルの崩壊とともにブームが去ったのもわかる気がする。