「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

         東南アジア観光客の増加とハラール食

2013-04-02 06:27:18 | Weblog
産経新聞に”イスラム食に熱い視線”という記事が載っていた。敬虔なイスラム教徒は日常ハラール(halal)という教徒に許された食材を使用した料理しか食べない。このハラール食材を使った京懐石の老舗の料理店や東京大学の学生食堂などが紹介されていた。僕は日本人の中では早くからイスラム圏を旅行したり滞在して仕事をしていたが、、恥ずかしながらハラールを知ったのは30年ほど前だ。

1966年から66年インドネシアに滞在し、それに先立つ62年にはドバイなど中近東8か国を歴訪したが、まったくハラールについての知識がなかった。ハラールを知ったのは83年、JICA(国際協力事業団)の仕事でマレーシアからの”ルック.イースト”研修員の面倒を見たときが初めてだ。仙台の焼肉店に招待したが一向に食べない。当時の僕のイスラム知識は豚肉以外なら問題はないという程度であった、

一昨年の東日本大震災以後、中国からの訪日観光客が尖閣問題もあって激減しているという。それに代って数はまだ少ないが東南アジア(タイ、シンガポール、マレーシア、インドネシア、フィリッピン)5か国の観光客が増えている。例えばタイから前年比47.6%、マレーシアからは35.2%といった具合だ。

この増加にともない、東南アジアにも多いイスラム教徒用のハラールに注目が集まり、ハラールの認証を受けた食材を使った日本料理も出回ってきた。ハラールの認証を受けるための特別な養鶏場や味噌工場まであるそうだ。日本人にとってイスラムは、これまで遠い存在だったが、やっと近い存在になってきた。ハラールだけでなく、ついでに初歩的な教義について知っても満更損ではないかも。