一難去ってまた一難、あとで考えたことだが、こんな行程も地形的関係から無理を承知で作ったのであろうと思ったのだが。緊張感も緩んで冗談の一つも口からでるようになって進んでゆくと、俄然行けども行けどもジャングル地帯のぬかるみである。歩きにくいことおびただしい。比較的歩きよい道に出たと思うとまたしても湿地,ブツブツと軍靴が沈む。もうそろそろ青空の見える所に出てもよいのえはないかと心の隅であせりも出てくる。しかし、だれでもが疲労して声もなく何を考えているのだろう。引き返すこともならず、ただ進むことのみによって活路を求めた。「おおい海に出たぞ」と誰かが叫んだ。(中略)
ジャワ島に集結する陸軍部隊の輸送には海軍の艦艇があてられるそうだ。この噂は私どもを十二分に元気ずけた。いま海軍とても艦艇は足らない悪条件下に置荒れているのに、俺たちの生命を大切にしてくれて、それで沈没したら、また何をいわんやだ。
集結地ビルを目前に控え、いよいよ遺棄軒昂としてマカリキという小に入る前日の事であった。行軍中の炊事班長を命じられていたいた私は主計曹長とと相談して虎の子の砂糖と小豆を使ってお汁粉を作ることにした。行軍中にお汁粉は意外だったらしい。僅かな心づくしが、荒れ果てている兵隊の神経を和らげことになったのに私は満足した。(中略)
最後の日程は思いもかけず、舟艇(ダイハツ)によって輸送され、行軍とは違い落であった。離島間の兵員輸送に行動したのは船舶工兵隊であった。海軍ではなく暁部隊の秘匿名で大東亜戦争中、隠れた功績でその功績は素晴らしいものであった。勇気ある船舶兵に操縦され暁雲をついてマカリキの椰子の浜辺にグーンと乗り入れた。潮風にかざして星明かりで見た腕時計の針は、運命の日より半か月前の8月1日午前4時15分を指していた。
ジャワ島に集結する陸軍部隊の輸送には海軍の艦艇があてられるそうだ。この噂は私どもを十二分に元気ずけた。いま海軍とても艦艇は足らない悪条件下に置荒れているのに、俺たちの生命を大切にしてくれて、それで沈没したら、また何をいわんやだ。
集結地ビルを目前に控え、いよいよ遺棄軒昂としてマカリキという小に入る前日の事であった。行軍中の炊事班長を命じられていたいた私は主計曹長とと相談して虎の子の砂糖と小豆を使ってお汁粉を作ることにした。行軍中にお汁粉は意外だったらしい。僅かな心づくしが、荒れ果てている兵隊の神経を和らげことになったのに私は満足した。(中略)
最後の日程は思いもかけず、舟艇(ダイハツ)によって輸送され、行軍とは違い落であった。離島間の兵員輸送に行動したのは船舶工兵隊であった。海軍ではなく暁部隊の秘匿名で大東亜戦争中、隠れた功績でその功績は素晴らしいものであった。勇気ある船舶兵に操縦され暁雲をついてマカリキの椰子の浜辺にグーンと乗り入れた。潮風にかざして星明かりで見た腕時計の針は、運命の日より半か月前の8月1日午前4時15分を指していた。