「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

              マレー語とタガログ語

2013-04-06 06:08:16 | Weblog
マレーシア国歌「わが祖国」の元歌とされる「月の灯り」(Terang Bulan)の起源がミンダナオ(フィリピン)ではないかという音顧値針(小ブログ.子メンテ―ター)説から思いだしたのはマレー語(インドネシア語、マレーシア語)とタガログ語(ピリピノ語)との類似性だ。ご存知のようにインドネシア語とマレーシア語とは語源が植民地時代の言葉、オランダ語、英語によってそれぞれ違う程度で、文法的にはほとんど同じだ。ところが、マレー語とタガログ語ともかなりの単語が同じなのだ。

数年前の事だが、在京のインドネシア人から自分の故郷はモルッカ諸島のテルナテだが、同じ地名がフィリピンにもあると聞いた。”へえ、そうか”と不思議に思ったが、地図をみれば不思議でもなんでもない。そんなに遠くはない。戦争初期、スラウェシ島のメナドに海軍の落下傘部隊が日本で初めて降下したが、この部隊もミンダナオ島のダバオから発進している。

JICA(国際協力事業団)の研修の仕事で大勢のフィリピン人と知り合い、彼らが使うタガログ語に興味をもったことがある。本格的に勉強したわけではないが、かなり単語がマレー語と似ている。例えば1から9までの数字でも(カッコ内はマレ―語)1=isad(satu),4=apat(empat),5=lima(lima)。身体の部分でも顔muka(muka)目mata(mata)耳talinga(telinga)といった具合。

Terang bulanの歌詞の中に出てくる鰐は両方の言語ともbuayaで同じ、月はbuwan(bulan)で発音がにている。西欧諸国がこの地域に来る前の大昔、国境などなかった時代には、人々は自由に小舟に乗って往来していた名残なのかもしれない。