「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

        (付録)大君に召されなば(5)-(2)今沢栄三郎   

2013-04-24 11:22:48 | Weblog
ある日、突然胃部に急激あ痛みを覚え、その場にうずくまった。そして医務室で診断を受けたところ虫様突起炎であった。手術するかと問われ、どうせ一度は切らねばと思い、軍隊は費用がいらない覚悟を決め,トアルの第四野戦病院に入院手続をとって貰った。
野戦病院は椰子林の中にあった。ところが、手術予定日の前夜、オランダ機が友軍の高射砲弾軍で撃墜された。そのため飛行士数名が火ダルマになり同じ病室に収容された。軍医や衛生兵はその方へかかrきりになった。その興奮から覚めた頃、忘れものを思い出したように私は手術室に収容された。もう俎板の上の鯉同然である。(中略)
手術後の絶対安静時に、病室のアタップの屋根を震わして敵機がが低空飛行を試み、ままよと、くそ度胸で覚悟を決めたことが、しばしばあった。その手術後もなぜか原因不明の熱が続き夢の中で亡父や母、弟妹が交互に頭を氷で冷やしてくれた。肉親が私を守ってくれたのであろうか。(中略)退院してから後のことだが、フィリッピン攻防戦の最中に参謀長馬淵逸雄少将の訓示というよりも時局講演があった。”神州不滅”を信ずる私たちに、勝つとも負ける断言することはできないと熱弁を振るわれたが、声涙ともに下るショッキングな戦局の分析に観念的なところがなく客観情勢が解り、将校、兵の別なく祖国の危機に決然たる覚悟をあらたにした。(中略)
昭和20年7月末、ニューギニアと豪州の間に浮かぶケイ諸島のズラという懐かしい小寒村を後にした。焼玉エンジンの小舟艇に運命を任せて一行20数名は壮大なアラフラ海の珊瑚礁に消えやらず、椰子の葉風を受けながら、やがてシルエットの中の一点となって北西に船首を向け、セラム島のビルを目的地に目指したのであった。
その頃、豪北派遣軍の戦況は、前年の19年3月下旬には、北部ニューギニアのアイタベ、4月にはホーランジャ、5月にはサルミがマッカーサ―元帥率いるアメリカ軍によって攻略され、5月27日にはビアク島に上陸され、7月初旬1万の将兵が壮烈な玉砕を遂げている。(中略)

           理解できない韓国の「靖国」批判

2013-04-24 06:31:48 | Weblog
靖国神社の春の例大祭に安倍晋三総理が「真榊」を奉納し、麻生太郎副総理ら3人の閣僚が参拝したとして、韓国の尹炳世外相が今月末の予定していた訪日を取りやめた。大人げない行動で理解に苦しむ。韓国政府は、安倍総理の「真榊」奉納らの行動は、歴史認識の問題上許せないと抗議し”時代錯誤も甚だしい”としているが、どこが歴史認識上問題なのか。

靖国神社は今さら言うまでもなく日本国のために亡くなった英霊246万余柱を祀った神社である。その神社の大祭に一国の総理が、伝統に基づいて「真榊」を奉納してどこが悪いのか。また、閣僚が参拝したからといって何故文句をつけるのか。どこが時代錯誤なのか。完全な内政干渉だ。

韓国にもソウルと太田に国立墓地があり、愛国者や過去の戦争で亡くなった戦士たちが将軍、将校、平士別に祀られている。毎年6月6日の「顕忠日」には大統領はじめ主要閣僚が参拝している。また墓地内には「在日学徒義勇軍戦没勇士」の慰霊碑もあるそうだ。どのような勇士なのか僕は寡聞にしてしらないが、韓国がこのような歴史認識に立てば「靖国問題」でいちゃもんをつけてくるのは理解できる。しかし、靖国神社は日韓併合とは全く関係はないのである。

教科書検定で”近隣諸国条項”というのがあって、検定のさい近隣諸国との過去の歴史を配慮しているらしい。わが国的な配慮だが、どうもこれが過去の歴史認識を阻害しているように思えてならない。わが国が配慮しても他国にはそれが通じない。相手側がその国の歴史認識に基づいて解釈している限り、こういった「靖国問題」は起きてくる。安倍総理も「真榊」奉納だけでなく堂々と例大祭には参拝すべきである。