「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

心配な外国人労働者の拡大 受け入れ体制に問題

2018-02-22 07:17:25 | 2012・1・1
安倍晋三首相が経済財政諮問会議で外国人労働者の受け入れを拡大するよう関係閣僚に指示したという。わが国では近年、介護、農業などを中心に深刻な人で不足が起きており、この解決の一助に入管法を改正しテ大幅に外国人労働者を受け入れようというのだ。少子高齢化が進む中で解決策が必要なのは理解できるが、無防備に近い入管体制の中で大丈夫なのだろうか。

外国人労働者が120万人を超え、その数は10年間で2倍に達したという。政府公認の「外国人技能研修」制度下による”研修生”だけでも25万人を超えているが、この制度だけでも年間5000人もが、受け入れ企業から無断失踪して不法滞在、中には長期滞在をもめて難民申請をしたりするものも出てきた。失踪の原因は、企業側の”賃金不払い””長時間労働”だとされているが、果たしてそうなのだろうか。

僕は1990年、入管法が一部改正されて、日系二世三世が、日本国内の親戚訪問を理由に長期滞在が可能になり就労できるようになった時代、インドネシアに戦後滞在した日本兵の子弟の就労支援活動をボランティアでしたことがあるが、受け入れ企業のインドネシア無理解と就労者の対日無理解とのはざまに挟まれ問題が続出、苦労したのを思い出す。

就労者は来日前に簡単な日本語や日本について訓練を受けているが、受け入れ企業にはそれがない。そのために受入国の言語、歴史、伝統、宗教など基本的な文化を知らない。そのための日常的な摩擦が失踪の原因になっているのではないだろうか。戦争中、ジャワに上陸した旧日本軍の将兵は「皇軍あらたに皇民、皇土をつくる」という冊子を渡され、ジャワの風土習慣を教育させられた。今のところ、外国人は中国人、ベトナム人、ニャンマー人、フィリピン人など東南アジア地域にに限られているが、将来中東のイスラム国にまで拡大されたら、問題が起きるのではないか心配だ。