ラグビーのワールド.カップ日本大会で日本チームがA組予選でロシア、アイルランド、サモアを破り、三連勝と快進撃を続けている。日本中はまさにラグビー一色だが、その陰に隠れて中東のカタール(ドーハ)で開催されていた陸上世界選手権大会が、男子20キロ、50キロ競歩で金メダル、男子400メートルで銅メダルを獲得したのにあまり話題にならなかったのは残念だ。
カタールの首都ドーハといえば、サッカーファンには、1993年サッカーの世界選手権(FIFA)アジア地区予選イラク戦でロスタイムに同点に追いつかれ初の予選突破を逃した”ドーハの悲劇”として知られ、2006年にもアジア大会も開かれているが、一般の日本人にはあまりよく知られていない。
それもそのはず、ペルシャ湾に面する面積は秋田県ほどで、人口も約270万人、大阪市ほど首長国だ。その小さな国が、僅か10年少しの間人FIFA予選、アジア大会、陸上世界選手権と国際的な大きなスポーツ大会を三つも開催している。明らかに世界規模のスポーツ大会の誘致を国策にしている。
1962年(昭和32年)新聞社の移動特派員として、僕はドーハを訪れているが、今のように超高層ビルなどなく、砂漠の中で中古車の青空市場などが催されていた。中東の産油国としては、隣国のUAE(アラブ首長国連合)より古い歴史があるが、ポスト石油、国造りの面では一歩遅れをとった感がある。紛争の絶えない中東で、全方位外交を展開している、この国の国造りに注目しよう。
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