台風19号の甚大な被害を受けて昨日、参院予算委が開かれた。NHKテレビの中継で朝からこれを見たら、一番バッターで質問にたった立憲民主党の杉尾秀哉議員が自民党二階俊博幹事長の失言を取り上げた。二階幹事長が党の緊急幹事会で、”台風がまずまずで収まってよかった”旨の発言をしたという。例に例の如く野党の言葉尻りとらえ作戦である。
二階幹事長は発言を撤回したが、与党の幹事長の発言ではない。多少80歳同士の老人として同情すれば、幹事長の選挙区の伊勢湾台風(昭和34年)に比較すれば、人的被害(5000人)が少なくて済んだと思い”正直な”幹事長は口を滑らしたに違いない、しかし、60年前とは台風被害の内容が異なる。しかも今回の台風は関東信越東北と広域にわたっている。
野党が例によって”言葉じりとらえ”作戦に出るのではと国民は思っていたに違いない。二階幹事長の失言は見事にこれにはまった感じだ。失言捕らえではないが国民民主党の森ゆうこ議員の質問もピンと外れだ。東京台東区の避難所がホームレス二人の受け入れを断ったというものだが、参院予算委で取り上げる問題ではない。
昭和の三大台風、室戸(9年)枕崎(20年)伊勢湾(34年)とは時代が違う。人的被害は減ってきているが、社会基盤、インフラがまったく異なる。それにここ数年に見られる気象の変化だ。”まずまず”の政治感覚では困る。台風襲来から5日たっても5000人が避難所生活している、