「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

のぞき見の海外旅行(24)クウェート 日の丸油田

2020-11-09 06:25:01 | 2012・1・1

1962年12月、筆者は新聞の新年企画記事取材のためアラビアにある四国ほどの小国、クウェートを訪れた。クウェートは前年の61年、英国の保護領から独立したばかり。わが国との関係では58年に”アラビア太郎”といわれた起業家、山下太郎氏がサウジアラビアとの中立地帯の海底で発掘した”日の丸油田”からの石油が日本に向け積み出された時代であった。

海底油田の前進基地、カフジは灼熱の砂漠地帯にあった。日本の技術陣はカマボコ型をしたトタン屋根の宿舎に寝どまりして頑張っていた。休みの日には砂漠に造ったゴルフコースでで赤い球を打っていた。わが国が高度成長に向け飛躍する時代であった。63年の元旦の写真にはアラビアの海に昇る日の出と燃える廃油をバックにした見事な作品が掲載された。