「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

在来線の旅の楽しさを堪能

2007-04-21 22:24:26 | Weblog
旅は計画通りにいかないところに楽しさもある。きょう僕らは朝早く
仙台を出発、松島を遊覧船でめぐった。老夫婦とも船で松島めぐりを
するのは始めてである。日本三代名勝の一つ”松島や、ああ、松島や、
松島や”だけのことはある。瑞巌寺の杉並木も見事だが、参観料を節
約、山門の外から手をあわせた。

格安のチケットで遊びに来ているので帰りの新幹線が決められている。
松島から仙台へ帰り、青葉城を見る計画だったが、時間が余りすぎる。
たまたま松島海岸駅のプラットフォームへ着いたら石巻行きの電車が
先に入ってきた。ただそれだけの理由で僕らは仙台へ直行せず,石巻
へ出かけた。

JRの前身は国鉄、その前は省線(鉄道省)といった。”在来線”とは
その当時走っていた鉄道。新幹線は早くて便利だが、旅の情緒がない。
昔の鉄道には旅の匂いがあった。SLのあの石炭をたく、あの匂いである。
松島ー石巻ー仙台、約二時間、僕らは”在来線”の旅を楽しめた。折から
沿線は櫻が満開、それに早くも鯉のぼりがたなびき、東京では味あえない
風景だった。

”在来線”のもう一つは車内の見知らぬ乗客との会話である。東北人は
とても親切である。僕らのぶしつけの質問にも答えてくれ、時刻表まで
出して、僕らの仙台着の時間まで教えてくれた。

石巻駅前商店街は商店のシャッターは軒並み閉まり、お土産屋の店主は
不況を嘆いていたが、心は暖かく、僕らは”在来線”の旅を十二分に堪能
できた。

老夫婦の貧乏旅行

2007-04-20 05:48:27 | Weblog
きょう僕ら老夫婦は35年前勤めていた会社のOB会出席をかねて、
松島へ一泊旅行へ行きます。年金生活者の遊びに使える可処分
はたかがしれています。幸い僕らの場合は5年ほど勤めた会社の
企業年金が年7万円あります。海外旅行には無理ですが、国内
旅行なら楽しめます。今回はこんな貧乏旅行です。

東京ー仙台間は新幹線の往復正規料金は21,800円ですが、僕ら
が今回JR東日本の旅行会社で買った格安チケットは、なんとホテ
ル一泊料金こみ往復料金が12,700円です。利用できる新幹線が一
日三本と限定されていますが、うまくスケジュールを組めば充分に
楽しめます。

僕の自慢の一つは47都道府県すべてへ行っていることです。このう
ち高知県を除けば、仕事がらみで出かけた所ですが・・。仕事は途
上国の外国人を連れての研修旅行ですから、その土地土地へ行って
も折角のおいしいものが楽しめません。宗教上の戒律や習慣があっ
て無難なものしか一緒に食事ができないからです。

老後の夫婦の旅で今度は何でも楽しめます。しかし、残念なのは二人
とも高齢です。若い時のようには食べられません。なかなか人生とはう
まくゆかないものです。幸い、僕は”お天気男”です。きのうまでおかし
かった天気も春本来の陽気に戻りそうです。

                                                          

英国人女性殺人事件の早期解決を!

2007-04-19 07:50:42 | Weblog
バージニア工業大学の銃乱射事件の一報で犯人がアジア系と聞いたとき
僕は犯人が日本人でないことを心から願った。というのは千葉県市川市で
起きた英国人女性、リンゼイ・ホーカーさん殺人事件がまだ未解決で、乱射
事件の犯人がまた日本人ではーと懸念したからだ。しかし、乱射事件は変
なはねかえりをみせ、韓国では米下院で審議中の日本慰安婦非難決議案の
可決促進団の米国派遣を中止したという。

行徳署の捜査本部(電話047-397-0110)は逃走中の犯人、市橋達也の
写真入りビラ3万枚を作り全国に配布しているが、事件発生から1か月経
つのにまだ捕まらない。市橋達也は身長180㎝、やせ形で目は一重まぶた、
下唇は厚いという。逃走時、所持金はほとんど持っていないという。

捜査本部は一生懸命やっていると思うが未解決、グラハム・フライ駐日大使
は異例な声明まで出し、英国から来日した家族とともに犯人逮捕について協
力を呼びかけている。警察庁は一捜査本部だけに捜査をまかせず、例えば長
官自身、あるいは時によっては安倍総理ががテレビに出て、もう一度国民に
事件解決を呼びかけてはどうだろうかー。

かってわが国の治安の良さは、世界でも有数であった。今でも女性の夜間の
一人歩きの出来る国は少ない。近い将来、百万人の留学生を世界から招く計
画があるという。たんなる英語講師の殺人事件と考えず、ぜひ事件を早期解
して治安の良さを世界に訴えてはどうかー。

「朝日新聞」の無責任な有害な記事

2007-04-18 05:55:54 | Weblog
「朝日新聞」の記事にはときどき無責任な、わが国にとって有害な
記事がある、と僕は思う。4月15日の”慰安婦、強制を示す調書、
東京裁判に各国検察提出、研究者確認”(東京版)もその一つだ。
首都圏の私大の教授が東京大学社研図書館で東京極東裁判で証
拠として採用された資料を発見、これを昨日、東京の日本特派員協
会で公表するという記事だ。

19年前、僕はこの教授の同じようなおかしな記事が「朝日新聞」に
載っていたのを想いだした。1988年2月27日の同紙の紙面に”日本
軍マレー華人虐殺ー生存者が証言 資料集”という記事があった。
記事には”歴史教科書に”侵略”ではなく”進出”に書き換えた教科
書問題をきっかけにマレーシアの華人が・・・”と書いてある。
”侵略”ではなく”進出”と「朝日」が誤報したのは1982年6月26日で
同年8月19日には当時の社会部長が”誤報だった意味の謝罪をして
いる。にもかかわらず当時でも記者の中には”誤報”の認識がなかった
みたいだ。

今回の東大図書館の資料が”新発見”であるかどうかは知らないが、19
年前のときは防衛庁(当時)図書館の一般公開資料を自分で勝手に自分
のよいように解釈して「朝日」に持ち込んでいる。資料は第五師団の”共産
匪賊掃滅”の陣中日記に過ぎなかった。つまり戦闘行為なのである。

東京極東裁判は戦争指導者の”平和に対する罪”を裁き”殺人と通例の
戦争行為”は各連合国ごとに、いわゆるBC級裁判を行い、すでに数十年
前に結審している。いまさら新資料が出ても意味がない。米国下院の慰安
婦審議に役だつかもしれないが。教授はそれを狙ったものと思うが、「朝日」
がなぜその尻馬にのるのか。自分の国を害するだけだ。ちなみに、この教授
は”天皇有罪”判決を出した例の「国際女性戦犯法廷」の支持者で、マレー
で日本兵が赤ん坊を空に投げ上げ、刀で切ったという架空の話を英語の教科
書に載せようとしたグループの一人である。




30円で”なんとかいう還元水”が買えます。

2007-04-17 05:57:48 | Weblog
”人の噂も75日”。あんなに騒がれ、安倍内閣を揺さぶった閣
僚の”産む器械”や”飲めない水道水”発言も、まだ75日も経た
ないのに忘れかけようとしている。戦争直後流行した「君の名」
ではないが、”忘却とは・・・・!である。

僕は今でも水道水を飲むのに抵抗はない。蛇口からそのままコッ
プで飲んでいるので家族から嫌われている。その僕が先日近くの
高級スーパーの会員となり特性のボトルを買った。500円の会員
券とボトルを買えば以後2㍑の還元水が30円で買える。好奇心
から会員になり、還元水を早速飲んだが確かにおいしい。

松岡農水相の”今どき水道水を飲む家庭はない”発言は彼の謝罪
で一件落着したが、肝心の議員会館の光熱費問題はウヤムヤにし
てしまっている。”なんとかいう還元水”装置が500万円の問題は
どうやら政治家同士の馴れ合いでごまかされてしまった。安倍総理
も”人の噂”の諺に期待するものがあったのかもしれない。

東京の区部は今、区議会議員選挙で活気がある。身近な人が立候
補しているので関心がある。候補の中には、カーナビを政調費で買
っていた元議長さんもいる。こちらも”人の噂だ。候補が車から手を
ふれば、これに応える有権者もいる。

ところで松岡さん、僕が高級スーパーで毎日2㍑の”なんとかいう
還元水”を飲んでも一年10,950円です。政治家にあらまほしき
は政治倫理である。



62年前の京浜大空襲 悪夢の時代

2007-04-16 05:59:16 | Weblog
昭和20年4月15日深夜、京浜工業地帯はB-29二百機による大空襲
で壊滅的な被害を受けた。3月10日の下町大空襲があまりにも大きく
悲惨だったので、その陰に隠れてしまった感じだが、当時城南に住ん
でいた亡父は”初めて空襲の脅威を感ず”と日記に記している。この夜
の空襲で京浜地区の軍需工場は全滅、僕らの動員先の工場も灰燼に
帰した。

あれから62年、きのう当時の仲間7人と焼けた工場跡へ行き往事を偲ん
だ。半世紀以上の時の流れで、昔のよすがは全くなく、工場跡さえ特定
出来なかった。そのころ僕らは中学3年生で”人間魚雷”回天のエンジン
部品を造っていた。もちろん軍事秘密で僕らはそれを知らなかったーが。

工場が焼けた2日目、僕は電車が不通のため7㌔の道を歩いて工場へ
行った。亡父の日記は”敢闘精神の現れ”と賞賛しているが、実際は工
場の焼跡に”焼け米”を拾いに行くのが目的だった。

きのうの集まりでも話題は空腹だった。おにぎりの配給に担任の先生が
一番先に手を出した話。工場からカーバイトを持ち出し、ドブ川でザリガ二
を取り食べた話などなど。育ちさかりの14,5歳の少年にとっては本当
に過酷な時代であった。

工場を見たあと2千円の会費で昼食をたべた。飽食の時代である。高齢
の僕らには多すぎて半分以上残してしまった。あの悪夢のような時代を
思い出し感無量だった。
            

温家宝首相への拍手

2007-04-15 06:05:00 | Weblog
中国の温家宝首相が先日、日本の国会で演説した。彼はその中で
「日本側の深い反省を評価する。その態度と約束を実際の行動で示
して欲しい」と言ったところ、与野党議員から一斉に拍手がわいたと
いう。これに対して「日本の総理の靖国参拝自粛を暗に求めたのに日
本の議員がここで拍手するのはおかしい」という自民党稲田明美議員
の談話が新聞に載っていた。

ものの本によると、拍手はもともと日本の伝統習慣ではないらしい。明
治維新後、わが国に入ってきたもので、歌舞伎では役者の名演技には
「かけ声」が主流で、最近まで拍手は見られなかった。そういえば日本
の伝統芸、能や狂言なども拍手はあまりなじまない。拍手は文明開化で
入ってきたもので、日本人本来の感嘆、感動の表現ではなく、単なる儀
礼的なものだという。

温家宝首相への拍手が国際儀礼だかどうかは知らないが、僕の意見は、こ
の場面は、日本の伝統表現に従えば"半畳”を入れるべきだったと思う。
ちょうど2年前、中国全土は反日暴動で大騒ぎをしていた、日本の料理店
は破壊され、上海や北京の在外公館の建物にも投石された。これに対して
中国側は謝罪も補償もしていない。

60年も70年も前の話ではない。僅か2年前のことである。宝家宝首相は、
さかんに、今度の訪問を”氷を解かす”旅だといっている。だが、両国の
関係を凍らせたのは、中国側ではなかったのではないかー。古いことだ
けよく覚えていて、新しいことを忘れてしまう病気を”認知症”と、日本
ではいう。

下着泥棒と「チャタレー裁判」

2007-04-14 06:36:40 | Weblog
下着泥棒に入った犯人の様子が一部始終、隠しカメラが捉えていた。
そして、それがテレビで放送された。犯人はなんと中学校の理科の
教師(35)で、二年生の担当だという。謝罪会見した校長は「○○先
生は真面目で、とても信じられない」といっていたが、隠しカメラの男
は一見真面目そうだがバカ面をしていた。

日本の社会は昔は”性”について厳格だった。戦前出版された本は
性描写は、すべて○○■■と伏字であった。キスの場面が日本映
画に登場したのは戦後まもなくの「はたちの青春」であった。観衆は
胸をどきどきさせて、そのシーンを見守った。僕がまだ新人社員だっ
た昭和32年、最高裁はD・H ローレンスの「チャタレー夫人の恋人」の
翻訳者(伊藤整)と出版社(小山書店)に”わいせつ文書頒布”罪を
適用、有罪にした。今、これを読んで見ても何のことはない。

わが国の性過剰露出はひどすぎる。世界でこんなに野放しの国はな
い。テレビ、ビデオ、DHD、雑誌、裏ブログなどなど、性犯罪の温床の
オン・パレードだ。かって研修事業でお世話したイスラム圏の研修員
が来日早々”日本はこんな状態で大丈夫なのか”とご注進におよんでく
れたことがある。

隠しカメラの下着泥棒先生のバカ面をみて、憐ミンの情さえ感じた。
性の過剰露出社会の犠牲者なのだ。「チャタレー裁判」の頃は、こ
んな可愛そうな男を救うスポットが、町のあちこちにあったから、こ
んな気味の悪い男はいなかった。難しい問題である。



MOTTAINAI  もったいない

2007-04-13 06:53:03 | Weblog
NHKのみんなの歌で「MOYYAINAI」もったいない(作詞 仁井山征弘
作曲 Super)を放送している。数年前からケニアのノーベル平和賞受
賞者、ワンガリ・マンガリさんの提唱で、この言葉は世界の環境保全
関係者の間でキーワードになっているという。

僕ら戦前生れは”もったいない”という言葉を、昔、親からよく聞かさ
れたものだ。お茶碗にご飯を一粒でも残せば”もったいない”。お習字
の紙を書き損じると”もったいない”と、紙が真っ黒になるまで、その紙
で練習させられたものだ。

戦前の尋常小学校唱歌「二宮金次郎」の三番にこういうのがある。 
      家業大事に費をはぶき
      すこしの物をも粗末にせずに
      遂には身をたて人をもすくふ
      手本は二宮金次郎
”もったいない”の精神は立身出世に通じ、人をも救う社会哲学にも
通じている。

今の日本にとって”もったいない”はどうなのかー。大量消費、使い捨て
時代にふさわしくないのかもしれない。だが、生ゴミ、資源ゴミ、不燃ゴミ
などなどが路上に積まれているのをみると、やはり”もったいない”精神の
必要性を感じる。「MOTTAINAI」が環境保全のキーワードになって世界の
環境保全に役だてば、二宮尊徳先生も喜ばれるだろう。
   

手さぐりの「道徳教育」と二宮金次郎

2007-04-12 06:22:24 | Weblog
茨城県は県下106高校に対し、政府の教育再生会議に先がけて
「道徳教育」を全国で初めて今年から必修化する。県教委は2003
年から「道徳教育」研究推進校を設けて研究してきた。唐突の決定
ではないが、地元の「茨城新聞」によると、教育現場では教師は授
業の経験がなく手さぐり状態だという。

「道徳教育」というと僕らの世代は昔の修身を想い出す。何を習った
のか、人によって違うと思うが、僕ら”似たもの”夫婦は二宮金次郎
の事だった。薪を担ぎながら本を読んでいる、あの石像とオーバー・
ラップしてくる。”柴刈り縄ない、わらじを作り、親の手を助け、弟を世
話し兄弟仲よく孝行つくす”の歌も共に覚えていた。

「道徳教育」がなぜ必要なのかー。再生会議の討論などを見ていると
戦後の日本人全体のモラル低下が、その原因の一つだ。たしかに僕
ら年寄りはゼネレーション・ギャップもあってか毎日の生活でハラのた
つことが多い。若い世代が僕ら修身教育世代がやってはいけないと教
わったことを平気で、無神経にするからだ。

このモラル・ダウン現象を「道徳教育」で解消できるだろうかー。文科省
の示す道徳指針は「自分自身」「他人とのかかりあい」「自然や崇高な
もものとのかかりあい」「集団や社会とのかかりあい」ーだそうだが、
現場の教師が果たしてこれを理解し、生徒に教えれば、生徒のモラル
は向上するだろうかー。しかし「道徳教育」はないよりあった方がよい。
時間をかけてでも日本人のモラルアップをしよう。即効薬は給食費を支
払わない親の世代の成人教育なのだが。