「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

       花の”壊し屋”と落書きに想う

2008-04-21 06:25:15 | Weblog
前橋では4月に入ってから県庁前などに植えられていたチューリップが3回にわたって
2千本も切り取られたが、今度は草加市(埼玉)でプランターに植えられていたパンジー
2百本が切り取られた。いずれも市民が大切に育ててきたものだ。そうかと思うと聖火
リレーの出発点を辞退した善光寺の国宝本堂の柱に無意味な落書が発見され.商店街
では紫陽花の花まで盗まれている。

誰がどのような心理で、こんな馬鹿なことをするのか専門家ではないので判らない。僕
が時々書いている別のブログ「千都物語」にもくだらない”性的な”書込みをする者がい
る。こういった連中はよほど時間をもてあましている人なのだろう。そして、他人が困る
ことに"快感”を持つ変質者か馬鹿なめだちがりやに違いない。

都会でよく見られる変な落書きもそうだ。僕の家の周囲にも散見されるようになったが、
これは自然の喪失と関係がありそうだ。緑の多い地区にはない。先日高速バスに乗って
小旅行をしたが、緑豊かな地方の町には落書きは見られなかった。緑の喪失に代わっ
て市民の目を楽しませようと花を植えた前橋や草加の善意は裏目にでてしまった。

政治の混乱が変質者の増加に拍車をかけている。出口の見られない国会審議で国民は
イライラしてきている。マスコミにも責任がある。くだらない”評論家”たちの無意味な”床屋
談議”。犯罪を煽るようなテレビ・ドラマなどなど。日本人の劣化現象に歯止めをかけなくて
はならない。









         後期高齢者の怒りの一票

2008-04-20 12:22:27 | Weblog
きょう僕の住んでいる東京の区長選挙があり、近くの小学校の投票所へ行って
きたが、午前中なのか投票所はガラガラで、閑古鳥の鳴きそうな状況だった。
僕もふだんなら、区長選挙なんかに行かないのだが、今回だけは後期高齢者医
療をめぐる区の不手際に怒り、現職区長に反対票を投じてきた。

選挙は現職の区長に対して女性候補二人がたつ構図だ。僕は二人の女性候補
に投票する気持ちはなかったが、区の後期高齢者医療制度をめぐる対応があま
りにもお粗末なので、その長を是認する訳にはいかず、不承不承だが、女性の候
補に一票を投じてきた。

この区は4月15日からの後期高齢者医療費保険の年金天引きを10月まで延ばし
た区の一つだ。”間に合わなかった”というのが、延期の理由だが、わざと事務手
続きの煩雑さ避けた嫌いがある。他地区の天引きが始まった日に届いた区広報
には、延期のことが一言も触れていない。7月の所得が確定してから区民に新保
険額を通知するつもりなのだが、その説明も十分ではない。

気になるのは選挙の投票率だが、老妻と娘は昨日のうちに"不在者投票”を済まし
ている。特にきょうどこかへ行くという予定はないのだが、住区センターへ行ったつ
いでに投票してきたのだという。老妻の話では老人会のお仲間でも"不在者投票”
が多いという。後期高齢者の選挙の票がどこに投じられるのかー。"長寿”と名前
を変えただけでどうだろうか。

           東北人の微笑みと暖かさ

2008-04-19 16:45:28 | Weblog
一泊二日のとんぼ返りの旅で40年ほど前に勤めていた東北の会社のOB会に出席
してきた。二日続けてのOB会への出席、さすが疲れた。でも後期高齢者になっても
こうして元気に昔の会に出られるのは本当に幸せだ。

この会社には僅か二年しか勤務しなかったが、会社の創設に携わったこともあって
長い人生の中でも忘れられない。それよりも、この町の人たちが余所者の僕に示し
てくれた好意と親切が、一生涯忘れられないのだ。

昨日のOB会で、僕は77歳の喜寿を祝って貰い記念品まで頂戴した。このところ後期
高齢者は、変な医療保険で”いじめ”られている日々だっただけに、会社の先輩(高
齢者)への気配りは余計に嬉しかった。本当に東北人の心の暖かさを感じた。

さらにもう一つ嬉しかったのは、会社の創設者のお一人から「ねん(手偏に占)華」(ね
んげ)という珍しい美酒を頂戴したことだ。三春の慧日山の古刹の樹齢400年の枝垂れ
櫻から採集した酵母を使って醸造したお酒だ。その名前はお釈迦さんが跡継ぎを決め
るさい、一番弟子の摩詞迦葉が「ねん華微笑」した故事にちなんで命名された。

最近の日本人には、こういった「ねん華微笑」がなくなってきた。摩詞迦葉のように
黙っていて微笑だけで相手に心が伝わり、相手も黙っていてその好意が受取れると
いう事だ。ひさしぶりに僕は、東北人の「ねん華微笑」にふれて感激した。






         汐留 お台場 六本木ヒルズ

2008-04-18 06:57:12 | Weblog
「そう(サンズイに倉)桑の変」(神仙伝)という言葉がある。昔青々とした大海原
だった場所が変じて桑畑となるという意味だが、最近の東京はまさにそういう感
じだ。昨夜、昔勤めていた会社のOB会があって汐留へ出かけたが、まるで外国
へ行ったようで会場へたどりつくのが大変だった。

汐留は名前のように、その昔徳川幕府が江戸の町造りをしたさい、江戸湾の一
部を埋立てて堰を造り”汐”を”留”めた場所だ。その後時代が移り"汽笛一声”
の時、ここに汐留(新橋)駅が設置されたが、東京駅が出来た後は貨物専用駅
になっていた。そして、モータリゼーションの波をかぶって1986年廃駅となった。
この跡地にできたのがSHIODOME(汐留)である。

この20年近くの間に東京では、汐留のほかお台場、六本木ヒルズなど新しい町
が誕生した。チンチン電車がまだ都内を走っていた時代に育った僕ら世代にとっ
ては、文字通り隔世の感だ。昭和10年代、僕は日の出桟橋からはしけに乗って
今はなくなった第4お台場へ渡り海洋少年団の水泳教室に参加した。家が近か
った六本木ヒルズ界隈では夏、セミやトンボを追いかけた。

”SHIODOME-SITE"としゃれた名前に変わった汐留貨物駅跡地のしゃれたビヤ
ホールで適当に酔っ払った僕は、やっと新橋駅にたどり着き、僕ら世代には一番
懐かしく安心感のある地下鉄銀座線で家路についた。



           靖国神社と善光寺

2008-04-17 06:00:35 | Weblog
靖国会の春季例大祭昇殿ご案内の中で"映画「靖国YASUKUNI」が10年もの
長きに亘り境内での無許可撮影を見過ごしてしまっていたことをお詫びしま
す"という文面があった。これは靖国神社の映像削除を求めた公式HPの"撮
影手続きを遵守していない”というのとニュアンスが違う。いずれにしても中
国側の策略にしてやられた格好だ。

26日、長野市で行われる北京五輪聖火リレーの警備体制が発表になった。聖
火の周囲を機動隊が厳重に警護し、沿道には2千人もの制服警察官を配する
という。点火式とリレーの出発点になるという善光寺が予定通りやるのかどうか
は明らかではない。が、伝えられる案によると、本殿前で点火し、そこから打ち
鳴らす鐘を合図にスタートするのだという。

小ブログ(4月12日)は善光寺での点火式はやめるべきだ、とルル述べたが、靖
国の教訓に学んで再度反対の意見を述べさせてもらいたい。現代はIT時代であ
る。善光寺の本殿で点火式を行えば、その画像は瞬時に世界中を駆け巡る。善
男善女ばかりのわが国とは違う。偏見と誤解をまじえて世界のマスコミは何を伝
えるか判らない。いずれにせよ日本にはプラスにはならない。

五輪聖火の点火式がローマのバチカンやメッカのカーバ宮殿で行われたというの
は寡聞にして知らない。善光寺は軽い気持ちで点火式を引き受けたのだろうが、
今からでも遅くない。断ったほうがよい。長野駅で点火式を行い善光寺前(境内に
入らず)前で折り返すコースにしたらどうなのか。

            140年目の戊辰戦争

2008-04-16 06:10:46 | Weblog
140年目の戊辰戦争で会津藩が長州藩に勝ったのを先日テレビでみた。といっても
戦争は焼き鳥の長さを競うたわいのないもの。長州藩の持っていた20m71㎝の"世
界記録”を会津藩が14㎝破り20m85㎝の記録を樹立した。お互いの地鶏(長州どり、
会津どり)の宣伝が目的だ。

40年近く前になるが、僕はちょくちょく仕事で会津を訪れた。当時住んでいた郡山の
人からよく言われたものだ。会津に行ったら"官軍”"賊軍”なんて言ってはダメだよ。
なかには"関西弁”の人は会津では嫌われる”と"忠告"してくれた。百年以上経って
いるのに”まさか”と思ったが、山口県のJC(青年商工会議所)からの友好申入れを
会津のJCが断ったという話もあった。

幸い僕の先祖は徳川方だったし、標準語なので、会津での仕事もうまくいった。逆に
会津大好き人間になり、戊辰戦争のあと移封された青森の斗南藩の地まで訪れ当時
の苦労のあとを偲んだりした。

これも先日、東京のTBSがテレビのクイズ番組の中で会津藩を侮辱する設問をしたと
ころ市長が先頭にたって局側に抗議をし、ついにTBSも異例の陳謝をした。僕は会津
人の、この一途さが好きだ。やはり”ならぬものは、ならない”のだ。最近の日本の社会
にはこの姿勢が薄くなってきた気がする。

140年後の"焼き鳥”をめぐる戊辰戦争に負けた長州藩が、再度、会津藩に挑戦状をつ
きつけるのかどうか。今、鶴ヶ城(若松城)は櫻が満開。観光には一番好い季節である。

         年金からの天引きはなかった!

2008-04-15 11:31:28 | Weblog
金融機関でチェックしたら僕の年金から医療保険金は天引きされていなかった。
瞬間、思い出した。新聞で東京都では準備が間に合わず、年金からの天引きが
10月からという区もあるという記事だった。まったく僕が住む目黒区は不親切で
ある。今朝の新聞に挟まれていた「めぐろ区報」(4月15日)には「後期高齢者医
療の医療負担金と給付内容をお知らせします」という記事があるのに天引きの
延期にははまったく触れていない。区によっては、きちんとそのことを”再通知
している。

福田総理が「一生懸命努力して説明したい」といくら謝っても、第一線の現場がこ
れでは、老人を混乱させ、つまらぬ事で政府への怒りが強まるだけだ。


     政争の具にするな 後期高齢者医療問題

2008-04-15 06:09:14 | Weblog
後期高齢者医療制度による保険金が今日から年金から天引きされる。あとで金融機
関に行きチェックするが、天引される朝までその額が不明なところに、この問題の問題
がる。自身が後期高齢者である僕は、この問題について、すでに2月26日、3月15日、
同25日、4月1日、同3日と5回もブログで書いているが、第一の問題点は年金という限
られた収入の中で生活している年金生活者が、これからの新制度の下でいったいいくら
健康保険料を天引きされるかという不安と生活設計である。

昨日14日”おばあちゃんの原宿”という東京・巣鴨のとげ抜き地蔵通りで野党四党の幹
幹長が集まって後期高齢者医療制度反対の共同街頭演説会を行った。毎月4のつく日
は縁日で”おばあちゃん”が大勢集まるという発想からのようだが、僕ら後期高齢の”お
じいちゃん”は巣鴨などいかない。民主党の鳩山幹事長が"姥捨て山よりひどい制度”と
批判していたが、本当にこの人は新制度を理解しているのだろうか。

もっとひどいのは自民党の伊吹幹事長だ。テレビで”新制度によって保険料の下がる人
の方が多い”と発言していた。もし、それが本当ならば、厚労省や自治体の窓口に問合
が殺到するわけはない。与野党ともに”生活者の視点に立って”といっているがまったく
まったくわかっていない。本来はこうした問題は、制度がスタートする前に国会で十二分
に尽くすべき問題ではないかー。解散風が吹いて、政治家たちは、なんでも政争の具に
したがっているが、高齢者の気持ちも忖度して、これ以上この問題で政局を混乱させて
貰いたくない。

        ”してやられた” 靖国神社

2008-04-14 07:00:14 | Weblog
日本各地で上映辞退が出ている映画「靖国YASUKUNI」の監督、制作会社に
対して、靖国神社が映像削除を求める通知を出したと、同神社のHPが次のよ
うに明らかにした。「映画は(神社)境内での撮影手続を遵守していない。内容
も事実を誤認させる」。4月2日の小ブログ「映画YASUKUNI」は神社側に責任」
の中で、すでにこんな映画を神域で作らせた神社側を批判したが、HPによると
やはり中国側の"陰謀”にしてやられていたのだ。

僕はこの映画を見ていないし、見ようとも思わない。僅か在日十数年の中国人
が"靖国の心”を理解できるわけはないし、他人の国の問題に”内政干渉”する
中国が製作にコミットしている。靖国神社は映画製作の申し出があったとき、な
ぜ断らなかったのか。撮影許可を与えておいて、今さら映像削除を求めても、そ
れは"後の祭り”というものだ。

映画に出演した高知の老刀匠が、自分が考えていた出演意図と違うと監督との
間でトラブルが起きているようだ。僕はこのやりとりを知り、老刀匠には大変失礼
だが、社会に横行している"振り込め”サギの犠牲者を想起した。

日本人全体がおかしくなっている。マスコミまでが上映を辞退をした映画館を批判
し”表現の自由の侵害”だと合唱している。しかし、靖国神社には国のために命を
おとされた247万余の英霊が祀られている。戦争を体験している一人として、とて
神社側もいうような事実誤認を招くような映画など見る気持ちにはならないし、上
映を辞退した映画館に拍手を送りたい。靖国神社も英霊に応えて、おさおさ騙され
ないよう注意してもらいたいものだ。


        仏教離れ 甘茶の出ない花祭り 

2008-04-13 06:22:14 | Weblog
きのう近所のお寺でお釈迦様の誕生を祝う潅仏会(かんぶつえ)のお祭りがあった。
稚児行列に子供たちが参加できるようにとの配慮から、本来は4月8日なのが週末
に延期されて行われた。僕らの子供の時には、花祭りといえば、お釈迦様の仏像に
甘茶をかけ、そのお残りを頂戴するのが楽しみだった。ところが、きのうのお寺では
その儀式もなく甘茶の振舞いもなかった。

日本人の仏教離れがいわれて久しい。そういう僕も春秋二回のお彼岸とお盆ぐらい
しかお寺参りをしない”仏教徒”だが、最近、都会では葬儀でさえ"お別れの会”や
"偲ぶ会”で代行し、ご遺骨を故人の好きだった海などに散骨する遺族も出てきたと
いう。まさか”私はお墓にはいません”という「千の風」の影響ではないとは思うが。

先日小ブログ(4月9日)は、東京の増上寺で行われた「御忌大会」の儀式のすばら
しを誉め讃えたばかりだが、折角あのような仏教伝統儀式があるのだから、庶民レ
ベルでも昔からの「潅仏会」や甘茶のサービスぐらいはしょらないで欲しいものだ。

お隣の韓国では、4月8日(旧暦)は「釈迦誕生日」として国民の祝日となっている。
"名ばかり”の仏教徒にせよ、信徒やお寺の数は日本の方がはるかに多い。その
日本人のどれだけが、お釈迦さんの誕生日を知っているだろうかー。一部のお寺
だけと信じたいが、仏教儀式の形骸化が確かに進んでいる。そして、それによって
仏教離れも進んでいる気がする。