イラク軍によるイスラム過激派IS(イスラム国)の最後の拠点、モスル旧市街奪回作戦が大詰めを迎えているようである。現地からの報道では、旧市街に立て篭もるIS兵力は500人ほどだが、10万人の市民を”人間の盾”としているようで、戦闘は出来るだけ市民が犠牲にならないように、また空港、駅などのインフラが破壊されないよう慎重に行われているという。しかし、モスル周辺には、古くは紀元前8世紀の古代メソポタミヤ遺跡、二ネヴアなどがあるが大丈夫なのだろうか。
イラクといっても一般日本人にはサッカーを通じて名前を知るだけ。ましてモスルがイラクのどこにあるかは知られていないが、調べてみると、モスルは日本人でも馴染のモスリンの原産地で、毛斯倫の語源でもある。戦前、毛織物産業が盛んだった時代に建てられた大阪の淀川区の神崎川には工場跡に、今でも「毛斯倫橋」の名前の橋がある。
半世紀以上前だが新聞社の新年企画「アラビアンナイトは生きている」という記事取材のため、岩波文庫で「千夜一夜物語」を読んだが、その中にも”モスルのイブラヒムと悪魔”というページがあった。すっかり内容は忘れてしまったが、たしかモスルの商人が悪魔に騙された話であった。
イラクのフセイン独裁政権が倒れたのは2008年、やっと平和が訪れたかに見えたが、このISとの内戦である。原因の一つは同じイスラム教内の対立だという。世界三大文明発祥の地であり、紀元前からの遺跡も残されている。何か悪魔につかれてしまったのであろうか。一日も早く、モスルの戦闘が終わり、イラクの地に平和が訪れるのを願っている。
イラクといっても一般日本人にはサッカーを通じて名前を知るだけ。ましてモスルがイラクのどこにあるかは知られていないが、調べてみると、モスルは日本人でも馴染のモスリンの原産地で、毛斯倫の語源でもある。戦前、毛織物産業が盛んだった時代に建てられた大阪の淀川区の神崎川には工場跡に、今でも「毛斯倫橋」の名前の橋がある。
半世紀以上前だが新聞社の新年企画「アラビアンナイトは生きている」という記事取材のため、岩波文庫で「千夜一夜物語」を読んだが、その中にも”モスルのイブラヒムと悪魔”というページがあった。すっかり内容は忘れてしまったが、たしかモスルの商人が悪魔に騙された話であった。
イラクのフセイン独裁政権が倒れたのは2008年、やっと平和が訪れたかに見えたが、このISとの内戦である。原因の一つは同じイスラム教内の対立だという。世界三大文明発祥の地であり、紀元前からの遺跡も残されている。何か悪魔につかれてしまったのであろうか。一日も早く、モスルの戦闘が終わり、イラクの地に平和が訪れるのを願っている。