その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

メルトダウン報道

2011-05-17 23:41:40 | ロンドン日記 (日常)


ちょっと遅いのではと思ったものの今朝のTimes紙の国際面には、一面を使って、福島第一原発のメルトダウンの記事が掲載されていた。

記事には、津波発生後16時間以内にメルトダウンの症状が起こっていたこと、イギリスでは3月15日にイギリス政府の科学アドバイザーが、東京電力の発表内容に基づいて「メルトダウンは最悪のシナリオだが、まだその状態までには達していない」と発表したが、実際はその4日前にはメルトダウンが起こっていたこと、東京電力は発表を故意に遅らせたのではという見方もあることなどを報じている。そして、解説として、「専門家からはメルトダウンは周知の事実となっていたにもかかわらず何故2か月も真実の解明にかかるのか?・・・今後、彼らが言ってきたことのどれだけが間違いであることが明るみになるのか?」と問い、「東京電力と政府は、あからさまな嘘ではないが、怠慢、曖昧、不一致、過度の楽観主義に捕われている」としている。非常に抑制の効いた記述ではあるものの、あからさまな不信感が漂っている。

しかし、イギリスに居て日本の情報に疎いせいかもしれないが、日本の新聞から、この2カ月も経った後での東京電力のメルトダウン発表について、もっと怒りの報道姿勢が感じられないのは何故だろう?専門家では当たり前のことを何故積極的に発表しないのか、政府はどこまで知っていたのか?こんなに国民がバカにされているとしか思えないことが目の前で起こっているのに、「やっぱり・・・」的な雰囲気が漂っているだけに見えるのはなぜなのか?第2次世界大戦の報道でマスメディア(特に新聞)は何を学んだのか?正直、外野からヤジを飛ばしているだけのような虚しさが私にも残るものの、日本人をゆでガエルにしようとしているとしか思えないマスコミは、この原発報道で完全に死を迎えたとしか思えない。
コメント (2)
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