その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

とある職場の風景 メディアトレーニング

2011-05-23 23:02:27 | ロンドン日記 (日常)
初めてメディアトレーニングなる研修を受けました。職場の英人幹部を対象に、TV、新聞、雑誌等のインタビューに効果的に受け答えするスキルを身につけることを目的とした半日コースの研修です。私は対象層とは言えないのですが、枠が余っているという話を聞いて、無理矢理混ぜてもらいました。

予想通り私自身の研修パフォーマンスは目を覆いたくなるようなものでしたが、内容はとても興味深いものでした。

前半は記者会見の演習。なんと、本物の女性ベテランTVインタビュアーがやってきました(同僚に言わせると、「昔は良くTVで見かけた」そうです)。そして、その彼女が、如何にもマスコミ業界人の出来るキャリアウーマン風のオーラをぶんぶん放ちながら、共同記者会見の模擬を行います。さすがプロなので、矢継ぎ早に次から次へ、最近の決算発表についての質問が飛んできて、皆、タジタジ。一通り終わった後で、そのインタビュアーから総括のコメントと個々の対応についての具体的なアドバイスをもらいます。

そして後半はTVインタビュー演習。カメラと照明機器をセットして、1対1の対面インタビューを行います。英人幹部連中は、そつなく上手くこなしているように見えましたが、私は、照明の眩しさとカメラに撮られているという意識が更に緊張感を加えて、ボロボロ。そして、そのボロボロの姿を、皆でビデオ鑑賞して、相互にコメントしあいます。流石に皆、私に遠慮しているのか、気を使っているのか、モノ言いにくそうで、かえって私もバツが分かった。しかし、インタビュアーからは、ばっさり、キッパリのコメントが。「まずは、貴方はインタビュアーの質問の趣旨を瞬間的にしっかり把握して的確に応える英語力を身につけなくてはね。姿勢や視線は良いです。あと相手の質問に答えるだけでなく、自分がこの機会に言いたいことを1つから3つ用意しておくといいわよ。質問が難しければ、無理にでも自分のメッセージに結び付けて発言するというやり方もできるから・・・・」だそうです。

正直、かなり、へこみました。ただ、日本ではなかなかこういう機会はないし、やってよかった。日本の会社ではこうした報道対応は、かなり広報担当が仕切り、準備万端で対応しますが、こちらの会社は結構、ビジネス部門のスタッフが直接対応する場合も多いです。TV、新聞、雑誌等のマスコミだけでなく、最近はWebマガジンや業界メールマガジン的な専門のニッチメディアも多いため、こうした対外対応の機会も増えています。なので、こうしたメディア対応の研修は一般的なようです。今後の私にそんな機会が訪れるかどうかはわかりませんが、研修とはいえ、こうした疑似体験を積むのは非常に勉強になりました。

この年にもなると恥をかくのが分かっているようなことはあまりやりたくないものですが、やっぱり人間、恥をかくというのは次への成長のバネになることは間違いないことを再認識した次第です。
コメント (2)
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