その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

グローブ座/ ハムレット

2011-05-13 06:36:24 | ミュージカル、演劇
 先日の連休最終日、グローブ座に「ハムレット」を見に行きました。

(グローブ座外観)


 グローブ座は昨年は初めて訪れ、昔ながらの芝居小屋的な雰囲気に魅了されました。まだ5月頭の半分野外の劇場はまだ肌寒さを感じさせるものでしたが、シーズンの幕開け間もないフレッシュな雰囲気が漂っていました。



(開始直前)


 「ハムレット」は一度は観たいと思っていたシェイクスピアの作品なので、とても楽しみにしました。一応、戯曲の方もこの間読み返してみたので、読んだ印象と芝居がどう違うのかも興味深いものでした。

 見終わってみて、今回の「ハムレット」は私がイメージしていたよりも随分ソフトタッチなハムレットでした。シェイクスピアノ悲劇の代表作でもありますから、冬に見た「リア王」のような、真っ暗やみの重厚な悲劇を予想していたので意表を突かれた感じです。

 衣装も地味目で、王や王妃も王族と言うより、農民のボスのような衣装でした。ハムレットに至っては途中でTシャツ姿になってしまったし。あたりまえですが、きっと、「ハムレット」にも重め、軽め、いろんな演出ががあるのでしょう。グローブ座は半分屋外で17世紀の劇場を再現しているので、大がかりな演出はできないのかもしれず、重くない軽めの演出の方が適しているのかもしれません。

 ハムレットはJoshua McGuireという若手の俳優さん。まさに悩める好青年と言う感じでしたが、演技の方はちょっと、一本調子な感じがしました。私の個人的な注目であったオーフェリアは、Jade Anoukaという若い黒人の俳優さんで、これまた意表をつかれましたが、気品ある演技で、とっても良かった。歌があんまり上手でなかったけど・・・。



(ハムレットのJoshua McGuire)



 やっぱり脚本を読んでいるだけでは分からない部分がいくつかあって、舞台を観て分かるところも多いことに気付きます。例えば、オーフェリアの歌なんかは、脚本では歌の歌詞しか書いてありませんが、芝居ではその歌のリズムとか、色彩、情感が良く分かります。(最も、その歌もイギリス人ならみんな知っている類の歌なのかもしれませんが)。

 また、違った演出の「ハムレット」も見てみたいです。





2011.5.2

Hamlet

Written by William Shakespeare

Creatives
Director Dominic Dromgoole
Designer Jonathan Fensom
Composer Laura Forrest-Hay

Cast
Jade Anouka/ Ophelia
Simon Armstrong Claudius / Ghost
John Bett Polonius
Amanda Hadingue/ Gertrude
Tom Lawrence Rosencrantz / Fortinbras / Osric
Joshua McGuire/ Hamlet
Ian Midlane/ Horatio
Alex Warren Laertes / Guildenstern

コメント (2)
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