朝、ホテルの前のパブでビッグイングリッシュブレックファーストを食べて、いよいよハドリニアヌスの壁に向かいます。カーライルからニューキャッスルまでは約100キロほどあるのですが、その壁沿いの街道を走る路線バスが出ています。バス番号がハドリニアヌスの壁が出来たとされる紀元122年をもじって、AD122という番号がついていてなかなか洒落ています。この日も天気は快晴でした。
(AD122バス。カーライル~キャッスル直通は1日1本ですが、1回乗り継ぎで行けるバスが日に6,7本出ています)
バスの車窓から見る風景は、広大な田舎の田園風景。これ以上美しい田園風景があるだろうかというぐらいです。朝日に照らされる、緑が眩しいです。 時折、ウオーキングに出掛ける年配の人たちを見かける以外は人をあまり見かけません。4連休なのに何でこんなに空いているのか?とっても不思議になります。
(ひたすら広くて美しい野原の車窓)
まずは、バスに1時間ほど乗って、ローマン・アーミー博物館に寄ります。この地に駐屯したローマ軍の軍隊生活を紹介した博物館で、展示は小規模ながらも、新しく綺麗な博物館です。20分程の"Edge of Empire"という3D映画を見ましたがとっても良くできていました。一ローマ兵士の視点で、軍や駐屯地の様子を追うので、具体的なローマ軍の様子や町のイメージが分かります。展示全体を通じて、ローマの侵攻は、今のイギリスに多くの遺産が残されている(言葉(英語)、コイン、街作りなど)と極めて肯定的な捉え方だったのも印象的でした。
(何故かあまり写真を撮ってませんが、こんな感じです。地図上にあるポイントはローマ起源の現イギリスの町)
再びバスに30分ちょっと乗って、いよいよ目的地のハウステッド要塞遺跡へ。ハドリナヌスの城壁の中かでも最も保存状態の良いとされる遺跡です。広大な丘の斜面に当時のローマ軍の基地の遺跡がかなり残っています。バスを降りると、前日同様、ものすごい風。丁度、さっきのビデオで当時の様子がイメージできていたので、遺跡を見ていても立体的に見えてきます。具体的に人のイメージや街の様子などを自分で更に脚色してみるのも面白いです。
(バス停から10分弱歩きます)
(兵隊宿営地、病院などの跡地)
遺跡そのものは、1世紀だろうが16世紀の教会や城の遺跡だろうが、正直たいして変わりはないので、遺跡自体に感動するという感じではありません。むしろこの遺跡が建てられた広大な丘陵の風景に圧倒されます。とにかく広く、でっかーい。地球を感じます。
(写真をつなげてパノラマで撮ったつもりですが、見事にずれました。でも、感じはわかるでしょうか?)
要塞の北門のところに出ると東西に延びるハドリニアヌスの城壁が見えました。今や一メートル程の高さになっていますが、当時は数メートルあったはずです。蛮族侵入防止のために、丘陵の一番高い尾根部分に沿って延びる壁はとっても壮観です。
壁沿いにウオーキング用のパスが延びているので、歩いてみます。このパスは壁沿いに東から西まで全部歩くと84マイル(134キロ)になるそうです。意外と足元は石があったりするし、とにかく丘陵の尾根つたいに歩くものだからアップダウンもあり、結構良い運動になります。途中にも、見張り用の櫓跡とか寺院のあとが残っています。風はとっても強いものの、この大パノラマの中を歩く快感は何物にも変えがたいです。結局10キロほど歩いてバス停の近くまで来たので、終わりにした。とても良い気分です。
(行く手を阻む羊たち)
(砦跡と寺院あと)
どうも、前のバスが行ったばっかりのようで、次のバスまで一時間半もあります。次のバス停まで歩こうかと思いましたが、5キロほどあるようなで、道に迷ったりして万一乗り遅れると最終バスになってしまうので、バス停で待つことにしました。待ち合いの椅子があるわけでもなく、道端で座ってのんびり。牛が草を食らうのを見ながら、何とものどかな風景をボーっと楽しみました。欧州のいろんな文化遺産も素晴らしいが、このイギリスの田舎の自然とのんびりとした雰囲気も素晴らしいです。
不思議なのはこのイギリスの田舎風景の美しさは、単なる自然の恵み物なのか、それともイギリス人の不断の努力によるものなのか?ということ。ここに工場があったら興ざめだろうし、ここに高いビルがあってもダメ、看板があったてよくない。一切そういうものがないのは、きっと努力の賜物なのだろう。などとぼんやり考えてました。
寒くも暑くもない春の陽光の中、ボーッとバスの来るのを待ちます。こんな経験は学生時代のバックパック旅行以来かもしれません。予定時刻に10分遅れてきたバスに乗り、ローカル線の駅まで1時間弱のる。そしてローカル線に乗り換えてニューキャスルへ。期待以上のカーライルからニューキャッスルに至るハドリアヌス城壁ツアーでした。
2011年5月1日
※ ハドリニアヌスの城壁にはこちらのHPを→
※ 84マイルの壁沿いのウオーキングパスのHPはこちら→
(AD122バス。カーライル~キャッスル直通は1日1本ですが、1回乗り継ぎで行けるバスが日に6,7本出ています)
バスの車窓から見る風景は、広大な田舎の田園風景。これ以上美しい田園風景があるだろうかというぐらいです。朝日に照らされる、緑が眩しいです。 時折、ウオーキングに出掛ける年配の人たちを見かける以外は人をあまり見かけません。4連休なのに何でこんなに空いているのか?とっても不思議になります。
(ひたすら広くて美しい野原の車窓)
まずは、バスに1時間ほど乗って、ローマン・アーミー博物館に寄ります。この地に駐屯したローマ軍の軍隊生活を紹介した博物館で、展示は小規模ながらも、新しく綺麗な博物館です。20分程の"Edge of Empire"という3D映画を見ましたがとっても良くできていました。一ローマ兵士の視点で、軍や駐屯地の様子を追うので、具体的なローマ軍の様子や町のイメージが分かります。展示全体を通じて、ローマの侵攻は、今のイギリスに多くの遺産が残されている(言葉(英語)、コイン、街作りなど)と極めて肯定的な捉え方だったのも印象的でした。
(何故かあまり写真を撮ってませんが、こんな感じです。地図上にあるポイントはローマ起源の現イギリスの町)
再びバスに30分ちょっと乗って、いよいよ目的地のハウステッド要塞遺跡へ。ハドリナヌスの城壁の中かでも最も保存状態の良いとされる遺跡です。広大な丘の斜面に当時のローマ軍の基地の遺跡がかなり残っています。バスを降りると、前日同様、ものすごい風。丁度、さっきのビデオで当時の様子がイメージできていたので、遺跡を見ていても立体的に見えてきます。具体的に人のイメージや街の様子などを自分で更に脚色してみるのも面白いです。
(バス停から10分弱歩きます)
(兵隊宿営地、病院などの跡地)
遺跡そのものは、1世紀だろうが16世紀の教会や城の遺跡だろうが、正直たいして変わりはないので、遺跡自体に感動するという感じではありません。むしろこの遺跡が建てられた広大な丘陵の風景に圧倒されます。とにかく広く、でっかーい。地球を感じます。
(写真をつなげてパノラマで撮ったつもりですが、見事にずれました。でも、感じはわかるでしょうか?)
要塞の北門のところに出ると東西に延びるハドリニアヌスの城壁が見えました。今や一メートル程の高さになっていますが、当時は数メートルあったはずです。蛮族侵入防止のために、丘陵の一番高い尾根部分に沿って延びる壁はとっても壮観です。
壁沿いにウオーキング用のパスが延びているので、歩いてみます。このパスは壁沿いに東から西まで全部歩くと84マイル(134キロ)になるそうです。意外と足元は石があったりするし、とにかく丘陵の尾根つたいに歩くものだからアップダウンもあり、結構良い運動になります。途中にも、見張り用の櫓跡とか寺院のあとが残っています。風はとっても強いものの、この大パノラマの中を歩く快感は何物にも変えがたいです。結局10キロほど歩いてバス停の近くまで来たので、終わりにした。とても良い気分です。
(行く手を阻む羊たち)
(砦跡と寺院あと)
どうも、前のバスが行ったばっかりのようで、次のバスまで一時間半もあります。次のバス停まで歩こうかと思いましたが、5キロほどあるようなで、道に迷ったりして万一乗り遅れると最終バスになってしまうので、バス停で待つことにしました。待ち合いの椅子があるわけでもなく、道端で座ってのんびり。牛が草を食らうのを見ながら、何とものどかな風景をボーっと楽しみました。欧州のいろんな文化遺産も素晴らしいが、このイギリスの田舎の自然とのんびりとした雰囲気も素晴らしいです。
不思議なのはこのイギリスの田舎風景の美しさは、単なる自然の恵み物なのか、それともイギリス人の不断の努力によるものなのか?ということ。ここに工場があったら興ざめだろうし、ここに高いビルがあってもダメ、看板があったてよくない。一切そういうものがないのは、きっと努力の賜物なのだろう。などとぼんやり考えてました。
寒くも暑くもない春の陽光の中、ボーッとバスの来るのを待ちます。こんな経験は学生時代のバックパック旅行以来かもしれません。予定時刻に10分遅れてきたバスに乗り、ローカル線の駅まで1時間弱のる。そしてローカル線に乗り換えてニューキャスルへ。期待以上のカーライルからニューキャッスルに至るハドリアヌス城壁ツアーでした。
2011年5月1日
※ ハドリニアヌスの城壁にはこちらのHPを→
※ 84マイルの壁沿いのウオーキングパスのHPはこちら→