その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

フランクフルト歌劇場  KULLERVO(Sallinen)/クレルヴォ Op. 61 (1988)

2011-06-10 00:50:52 | オペラ、バレエ (in 欧州)
Aulis Sallinen(アウリス・サッリネン)という北欧の音楽家が作曲した20世紀オペラ。どうしようもなく暗いオペラ(あらすじはこちら→)。救いようがない。これではどんな名演でも、あまり見に行きたいと思わせないだろう。そのせいか、3連休の谷間からかはわからないが、さほど大きいとは思えないホールも7割り程度の入りだった。休憩後はさらに減っていた。

しかし、舞台はとても熱った。歌、演奏、舞台がしっかり噛み合った名演だったと思う。

オーケストラが熱演。暗く重い上に緊張感あふれる音楽だった。スーパースターではなさそうだが、歌手陣もレベル高い。かなり高い演技力を求められる演出だったが、文句なしの熱演。特に主人公は悩める青年xxxを表情豊かな熱演。お母さんやくのソプラノが美しい。友達やくのテノールがいい。またコーラスの迫力が素晴らしく、舞台の緊張感をぐっと高めた。

演出もグレイを基調にした舞台(この歌劇場では初演のようだ)は、色彩も仕掛けも舞台は良くできており音楽とストーリーにしっかり噛み合っていた。

しかし重苦しい場面一辺倒のオペラが3時間半もあるのは、体に良くない。とても疲れる。集中力が続かない。残念だったのは台詞が全く解らなかったこと。ストーリーは事前に調べておいたので流れにはついていけたが、細かい場面描写がわからず、せっかくの名演がもったえなかった。

会場の入りは悪かったが、拍手は大きなものだった。やっぱり解る人には解るんだな。






 フランクフルト歌劇場のホールは近代的なオペラハウス。青を基調とした色合いは清潔感があって個人的には好み。中高年中心の聴衆は基本的に華美ではないがドレスアップしている。












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Premiere

KULLERVO
Aulis Sallinen
* 1935


Sonntag 05.06.2011

Musikalische Leitung : Hans Drewanz / Karsten Januschke
Regie : Christof Nel
Szenische Analyse ; Martina Jochem
Bühnenbild ; Jens Kilian
Kostüme ; Ilse Welter
Dramaturgie ; Malte Krasting
Licht : Olaf Winter
Chor ;Matthias Köhler

Kullervo
Ashley Holland
Mutter
Heidi Brunner
Kalervo
Alfred Reiter
Kimmo
Peter Marsh
Schwester
Barbara Zechmeister
Des Schmieds junge Frau
Jenny Carlstedt
Jäger
Frank van Aken
Unto
Franz Mayer
Untos Frau
Katharina Magiera
Tiera
Lukas Schmid
1. Mann
Sebastian Haake
2. Mann
Toby Girling *
Blinder Sänger
Christoph Pütthoff
Tote Frau
Barbara von Münchhausen

Chor der Oper Frankfurt
Frankfurter Opern- und Museumsorchester


* Mitglied des Opernstudios

コメント
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