同僚のお薦め本として、借りて読んだ。575ページの厚めの文庫本だが、読み始めたら止まらない。
成人した姉と弟が母の依頼により、特攻隊で無くなった祖父について調べていくうちに、これまで明らかにされていなかった、祖父の家族への愛、信念、行動が浮かび上がるという展開。
海軍の同僚からのヒヤリングにより、次々と祖父像が浮かび上がるストーリー展開、海軍有数のパイロットでありながら徹底的に生き抜くことにこだわった祖父、調査のプロセスを通じて自己発見、成長していく姉弟、そして明らかになる当時の海軍の無謀さ、これらの要素が噛み合い、面白く、感動し、勉強にもなるという点で強く私も薦めたい一冊だ。
家族への愛という個人の思いと組織の論理との葛藤を、当時の関係者の証言で浮かぶ上がらせる手法は、浅田次郎の「壬生義士伝」と似ている。ちょっと、話が出来すぎ感はあるが、浅田本同様、この本も涙なしでは読めない。
それにしても、当時の海軍(きっと海軍だけの話ではないのだろうが)というのはどうしようもない組織だということが良く解る。日本軍のダメさ加減は、太平洋戦史で歴史としてはそれないりに知っているつもりだが、小説とはいえ、兵士の視点で戦争を見るのは、迫力が違うと感じた。
しかし、同様に今の震災対応、原子力事故対応をみていると果たして日本のリーダー達は、過去からどれだけ学んでいるのかと、首を傾げたくなる。 あまり日本の組織の本質はかわっていないのではないか?
成人した姉と弟が母の依頼により、特攻隊で無くなった祖父について調べていくうちに、これまで明らかにされていなかった、祖父の家族への愛、信念、行動が浮かび上がるという展開。
海軍の同僚からのヒヤリングにより、次々と祖父像が浮かび上がるストーリー展開、海軍有数のパイロットでありながら徹底的に生き抜くことにこだわった祖父、調査のプロセスを通じて自己発見、成長していく姉弟、そして明らかになる当時の海軍の無謀さ、これらの要素が噛み合い、面白く、感動し、勉強にもなるという点で強く私も薦めたい一冊だ。
家族への愛という個人の思いと組織の論理との葛藤を、当時の関係者の証言で浮かぶ上がらせる手法は、浅田次郎の「壬生義士伝」と似ている。ちょっと、話が出来すぎ感はあるが、浅田本同様、この本も涙なしでは読めない。
それにしても、当時の海軍(きっと海軍だけの話ではないのだろうが)というのはどうしようもない組織だということが良く解る。日本軍のダメさ加減は、太平洋戦史で歴史としてはそれないりに知っているつもりだが、小説とはいえ、兵士の視点で戦争を見るのは、迫力が違うと感じた。
しかし、同様に今の震災対応、原子力事故対応をみていると果たして日本のリーダー達は、過去からどれだけ学んでいるのかと、首を傾げたくなる。 あまり日本の組織の本質はかわっていないのではないか?