★★たそがれジョージの些事彩彩★★

時の過ぎゆくままに忘れ去られていく日々の些事を、気の向くままに記しています。

十二人の怒れる男

2017年10月12日 07時28分40秒 | 徒然(つれづれ)
 トランプが大統領に決まった時、昔、深夜テレビで観た「十二人の怒れる男」を思い出した。
 父親殺しの容疑で裁判にかけられたスラムの少年を、ヘンリー・ フォンダ演じる陪審員が、議論の末に、 1対11の有罪から12対0の無罪判決に導くストーリーだ。
 要は民主主義下の、市井のアメリカン・ヒーローを描いた作品だ。

 トランプも選挙戦の当初は泡沫候補の1人だった。
 それがその露悪的なまでの、歯に衣着せぬ言動で注目を浴び、選挙民の共感を呼び、強いアメリカの復活を願う国民の支持によって、大統領にまで上りつめたのだ。

 目的や手法は違えど、少数派、それもたった1人が大勢や体制に勝ったのだ。
 実にアメリカ的だ。

 映画を観た時に覚えた違和感がふたつ。
 12人の陪審員に黒人と女性がいないこと。
 当時の黒人差別と男尊女卑の象徴だ。

 もうひとつは、容疑者の少年が有罪から無罪になったこと。
 推定無罪ということだろうが、釈然としないものが残る。
 なぜ逆ではなかったのか。
 黒人差別、男尊女卑と来れば、当然勧善懲悪だ。

 アメリカの正義は、清濁併せ飲む正義としてしか成立しないのかも。
 トランプにしても然りだ。
コメント
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