木工芸・漆・道具        

 木肌の美しさに惹かれ、指物の伝統技術と道具に魅せられて・・・・・ 木工芸 市川 (宇治市炭山)

広重・胴摺刷毛

2010-01-27 21:13:56 | 
インターネットで、胴摺刷毛に軟らかめがあることを知り、注文しました。


広重・胴摺半通し・軟目一寸五分  九世泉清吉広重作です。
すぐにでも使ったみたかったのですが、ぐっと我慢して、まず布着せをしました。


薄めの麦漆を寒冷紗に塗って


刷毛の毛の部分に着かないように注意して全体に巻いてきれいに整え、風呂で乾かしました。


乾きました。寒冷紗の布目が残っている程度が滑らず、手触りも良いです。

早速使ってみました。

欅の座卓。もう一度#600の耐水ペーパーで研ぎ直し 


この刷毛摺りに使ってみました。これが実に具合が良い。
刷毛が厚いので漆の含みが大変良く、適度の柔らかさと腰の強さが絶妙。
漆ののびも大変良く、導管への漆の摺り込みもしっかりできそうです。

今まで使っていた硬い胴摺刷毛、欅やタモなど導管の太い材に、はじめに刷毛摺りをする場合は良いのですが、
研ぎと摺りを重ねていった時や、栃などの目の細かいやわらかい材の場合はこの胴摺り刷毛では硬すぎ、
かといって塗り刷毛では、広い面積を塗る場合、ちょっと腰が弱くて頼りなく、漆ののびももう一つでした。
これで一つ悩みが解決し、使う楽しみが増えました。

強いて問題点(?)があるとすれば・・・、

使った後の刷毛の掃除にたくさん油が要ること。
しかし、これは刷毛がたくさん漆を含んでくれることの証明でもあり、毛の柔らかさ・弾力とも相まって、掃除も気持ちが良いのです。


ところで、制作中の中椀の上塗りが乾きました。

刷毛目が残り、またブツも多いなど多くの課題が残りましたがいろいろ学ぶことができました。

コメント (4)
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