木工芸・漆・道具        

 木肌の美しさに惹かれ、指物の伝統技術と道具に魅せられて・・・・・ 木工芸 市川 (宇治市炭山)

木地師発祥の地へ

2010-11-26 21:24:40 | 木工
永源寺を出て向かったのは、永源寺町蛭谷にある、木地師資料館


筒井神社の境内にあります。


館内には、木地師にかかわる歴史的文書や木札、各地から寄せられたろくろ製品などが展示されていました。

展示室の一画には手回しろくろも展示されていました。

案内していただいた小椋さんが実際に回して見せて下さいました。
この手回しろくろは、材を固定する爪以外は、ほとんど木でできていました。
その昔木地師たちはこのろくろを担いで良材を求めて山から山へ渡り歩いたのだそうです。


こちらは鉋、などの刃物。
小椋さんからもいろいろなお話を伺う事ができました。

そこから更に奧の君ヶ畑へ

ここで一軒だけろくろをしている、小椋昭二さんの工房をお訪ねしました。


ご自宅は展示場になっていて、お盆などの作品が並べられていました。
小椋さんは元々木地師ではなく製材所をされていたそうですが、40歳ころから独学でろくろを学び今日に至っているそうです。


工房では、実際にろくろで木地を挽いて見せていただきました。
楽しくお話を伺っていると時間はあっという間に過ぎてしまいました。小椋さんありがとうございました。

帰り道、この地に木地挽きの技を伝授した惟喬親王の御陵に寄ってみました。

御陵は、君ヶ畑から百済寺方面に抜ける県道脇の杉木立の中にひっそりと佇んでいました。


今は訪れる人も少なく、過疎化の進む山村ですが、かつてこの地が木地師の里として大いに賑わい、ここから全国各地に散らばった木地師により、その伝統が脈々と引き継がれていると思うと、雄大な歴史の流れを感ぜざるにはおれませんでした。
コメント (2)
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