木工芸・漆・道具        

 木肌の美しさに惹かれ、指物の伝統技術と道具に魅せられて・・・・・ 木工芸 市川 (宇治市炭山)

炭山の状況 被災5日目 

2012-08-18 22:46:34 | 炭山災害
炭山も被災5日目。復旧も少しずつ進んでは来ているのですが・・・・
道路は、二尾木幡線の二尾からのルートが開通はしたのですが、
その道は、

ヘアピンケーブが続く、離合も難しい細い山道で普段でもあまり通りたくない道。

それが、

崩れた箇所の土砂は取り除かれたものの、防護策の鉄骨は折れ曲がり、またいつ崩れても不思議でない状態。
昨夜も、今日の夕方も雨が降って通行止めになっていました。



炭山に入り、広くなっている道も、半分は土砂と倒木で埋まっています。



下炭(山)の対策本部は、渋谷さんの倉庫におかれています。町内会の役員さんが常駐し、すべての業務をこなしています。


道路の通行車両も少し少なくなったので上炭まで行ってみました。


八幡宮の広場は、10cm以上の泥が積もっていました。
子ども達が楽しみにしていた今年の地蔵盆は中止になりました。



ここの道上の両側のお宅は土砂が床上まで流れ込みました。まだ土砂は完全に撤去されていません。



当日の朝、住民の皆さんが力を合わせて道を開けた所は、未だそのまま、手が付けられていません。



崩落で志津川がせき止められた所。土砂に埋まった車が崩落のすごさを物語っています。



土砂に家が埋まったこの住人の方は、上炭の対策本部が置かれている村上さんによって助け出されました。
幸い怪我はなかったようですが、ワンちゃんが犠牲になってしまいました。



ここがせき止められて事により、あふれた水はすぐ上の山本工房さんの作業場に流れ込みました。
災害から5日も経つのに、水をくみ出すポンプ一つ設置されていないのです。



窓ガラスにその跡がくっきり残っていますが、1m20~30cmはあるでしょうか。



作業場の裏には、せき止められた水が大きな池になり、



堤防を越えて、山本工房の作業場の中へ流れ込み、



道路へと流れ出ているのです。この場所は確か、木工の作業をしていたところ。
なぜ5日も放置されているのでしょうか。
ポンプの設置くらいはすぐにでも出来ると思うのですが・・・。
近所の人の話では、河川の管轄の国土交通省の担当者が見に来て言うには、河川の土砂や倒木は撤去するが、個人の土地のものは撤去しないとのこと。
樹木が河川から個人の土地にまたがって倒れていたら、境界のところで切断し、河川の部分だけ撤去しあとはおいていくということらしい。
これには開いた口がふさがりませんでした。
銀行や大企業には税金を使って巨額の支援がなされるのに・・・・・

お母さんの話では、大きな被害を受けながらも山本工房さんはここでまた仕事を再開しようとされているそうです。
そんな山本さんの決意に応え、行政は一日も早く援助の手をさしのべて欲しいものです。
山本さん頑張りましょう!



川がせき止められた事により、私の工房を建ててもらった熊谷工務店の作業場も水に浸かりました。
トラックのタイヤにその後がくっきり。一段低いところにあった機械も水に浸かってしまいました。



静かな流れに戻っている上流にも土砂が溜まり、川底は浅くなっています。



被害はほとんどなかったお家のすぐ裏には土砂が流れ下った跡が残っています。


水の被害をかろうじて免れたお宅も、その後食中毒にやられました。
Oさんは、ご主人が一番最初に発症し重症でやっと病院から戻られた所でした。
そのOさん、そんな状況の中で、私の工房がどうなっているか心配で歩いて見に行って下さったのです。
そのお話しを聞いて涙が出ました。Oさん、ありがとうございました。早くお元気になって欲しいと思います。



このワンちゃんは、木幡から炭山へ上がる道の大規模な土砂崩れで埋まったWさん宅のワンちゃん。
ご主人と奥さんは助けられましたが、ワンちゃんだけ取り残されていました。
Kさんが土砂の中を行って屋根にいたワンちゃんを助け出して、保護されています。良かったですね。



午後になり、空が暗くなってきたなと思ったら雷が鳴り響き、突然の豪雨。



見る間に志津川の水位は上がり濁流になりました。
幸い短時間で済んだので大事には至りませんでしたが、これから台風シーズンを迎えどうなることでしょう。

そういえば昨夜も雨画降り、住民に避難勧告が出されたようですが、市から区長さんへの電話での連絡のみ。
まだIP電話は不通の中、区長さんから役員さんを通じ、一軒ずつ伝えて歩かれたとか。
市の広報車はなかったのでしょうか。
上炭から下炭まで広く分散している炭山、一刻も早く危険を知らせる必要があるこんな時こそ広報車が役に立つと思うのですが・・・。

連日の奮闘で区長さんをはじめ役員さんの疲労は限界に達しています。
水道も少しずつ開通してきていますが、まだ下炭の一部、それも飲料程度にしかつかえず、この暑い中お風呂に入ることも出来ない状態が続いています。
行政の、迅速できめ細かく行き届いた対応がもっとなされても良いように思えます。
現地に入っている宇治市の職員さんは水道の復旧など本当に良く動いてくれているのですが、復旧状況が炭山全体に伝わらず誤解を生んだり、緊急を要することでも、「持ち帰って・・・」と言うことになってしまうらしい。
内容によっては即判断できる上の立場の人が来てくれたら良いと思うのですが・・・
そういえば、市長さんも、府知事さんもまだ一度もこの炭山には来られていないのでは・・・・。



ここは、下炭の炭山陶芸の窯元が並ぶ一画。山から流れ下った水で窯が使えなくなってしまった窯元が何軒もあります。
不況で仕事が減り大変な中で更に大きな痛手です。



突き当たりの広場は泥に埋まったままでした。

コメント (2)
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