木工芸・漆・道具        

 木肌の美しさに惹かれ、指物の伝統技術と道具に魅せられて・・・・・ 木工芸 市川 (宇治市炭山)

タモ引き手文箱

2010-06-19 21:37:14 | 木工

最近、漆の仕事が多かったので久しぶりの指物です。

この小箱、古い引き手を付けた箱を、という依頼で昔Tさんにお作りしたものです。
大きさが少し小さいということで、作り直しをすることになりました。

前回は桐の柾を使ったのですが、すこしおとなし過ぎるので、今回はタモの玉杢を使うことにしました。
取っ手に良く合うのです。


機械で削ると、玉杢を飛ばしてしまうので、鉋で厚みを削り出しました。


一面を削り、毛引きで厚みをとってもう一面を削ります。


平面の確認は、あて盤(削り台)の上で、板の各部を指先で軽く叩いて確認します。


側板の厚みも揃えます。


寸法取りして、どの部材をどう組み合わせるか確認します。
小さな板からぎりぎりの木取りをしているので、できるだけ違和感のないよう配置しました。


仕口の加工は、まず側板の隠し蟻から。


雄ほぞから作り、それに合わせて雌ほぞを掘ります。


この時使う胴付き鋸は、田中米吉作、1寸に40目あさり無しです。


鑿で掘った後、留め定規を使って鑿と鉋で留めを削ります。


仮組みして確認します。
この後、底板と天板の小穴を突きます。
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2 コメント

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Unknown (サバラ)
2010-06-20 10:28:08
はじめまして。いつも興味深く読ませてもらっています。
お聞きしたい事があるのですが、板厚を決める際に使用されている毛引きの刃は、左刃でしょうか、それとも右刃でしょうか?
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Unknown (ichi)
2010-06-20 22:12:21
コメントありがとうございます。
毛引きの刃ですが、今使っているのは右刃(定規側に鎬がある)です。かつては板厚を決める際には左刃も使いましたが、今の毛引き(ノギス付き)にしてからは右刃にしています。
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