木工芸・漆・道具        

 木肌の美しさに惹かれ、指物の伝統技術と道具に魅せられて・・・・・ 木工芸 市川 (宇治市炭山)

麦漆

2009-04-20 22:27:47 | 
天板に表にある穴を埋めました。


まず、できるだけ色や木目が近い材を選び、穴の形に合わせて切り抜きます。

埋木を穴の上に置いて線をけがき


トリマーで荒彫りして


丸鑿で墨線の通りに仕上げます。

接着には今回麦漆を使います。
麦漆は乾燥に時間がかかるため、先に裏の蟻溝を掘っておきます。


まず、底刃付きストレートビットで墨に沿って掘り


蟻ビットで仕上げます。

この蟻溝に合わせて蟻桟を作っておくと麦漆が乾く間に他の部材の加工ができます。
拭き漆仕上げにする場合は寄せ蟻にしますが、その加工は後日にして表の埋木をします。


まず、麦漆を作り


それを付けて、埋木を嵌め込み、木槌でたたいて入れます。
麦漆が乾くのを待って鉋をかけ、平らにします。





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天板の鉋がけ

2009-04-19 21:53:22 | 木工
次の制作は、栃のテーブル。
Mさんのテーブル修理の間代替えに使っていただいていた栃の天板をテーブルに仕上げる事にしました。

天板の鉋削り

木裏


木表
天板を削る時はいろいろな鉋を使ってみます。それによってそれぞれの鉋の切れ味などを確かめる事ができます。
研いでは削りの繰り返しですが、鉋によって微妙に違う研ぎ味、切れ味などを楽しみながら作業ができます。
ただ、最近、腕の腱鞘炎や腰痛、今話題?のバセドウ病が出ている身体には、長時間の鉋削りはややつらいものがあります。
ま、ぼちぼちの作業です。

そして今日は、

念願の畑に苗を植えました。
トマト茄子、キュウリなどの定番の夏野菜それぞれ2~3本ずつ・・・
大々的に畑をやっておられる諸兄には恥ずかしい限りですが、このくらいが私の性に合っています。


のどかな炭山の里の春の午後です。




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信州へ 

2009-04-19 09:05:24 | その他
佐久へ戻っての二日間は、慌ただしい中でなつかしい出会いがありました。

まずであったのが、Mさんのおばあさん。
この方、私の若くして亡くなった叔父の同級生、そして、昔世話になり大工道具をいただいた建具屋さんの義理の兄弟
さらに、飯田で息子さんが「山のみのりや」という木工房を開かれているとのこと。
なんとも偶然の出会いでした。


故郷から見た八ヶ岳と


茂来山  この山を毎日眺めながら通学していました。

今回の帰省で、高校、中学校の同級生と会うことができました。
一人は、教師として母校の高校に勤務するS君。
昨年秋、母校の同窓会の会報に載せる記事の原稿を依頼されたことをきっかけに、時々メールのやりとりをしていました。
会ったのは実に33年ぶり。しかし話し出すと30年の時の流れなど感じれませんでした。
もう一人は中学校の同級生のK君。
K君は5年ほど前、中学校の同級会を京都でやった際、マイクロバスを運転して仲間を乗せて佐久から来てくれました。それ以来です。
お家にお邪魔し、短時間のはずがすっかり話に夢中になってしまいました。
お土産に野菜までいただいき、ありがとうございました。


K君の家の前は母校の小学校。昔の面影はありませんが、桜が満開でした。

もう一つ佐久で訪れたのは

佐久市中小田切の中屋商店
昔からお世話になっている「仕込み味噌屋」さんです。
小さい頃は、家で大豆を煮て味噌を造っていたのを覚えていますが、それができなくなってからはここで仕込み味噌を作ってもらい、自宅の樽に仕込んでいました。
母が元気な頃はそれを送ってもらっていたのですが、今は帰省したときに買ってきたり送ってもらったりしています。
仕込んだばかりの味噌を買ってきて自分の家で熟成させてから食べることができるのもここならでわです。
国産原料だけを使ったこの味噌を食べると、スーパーなどで売っている「信州味噌」は食べられません。



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内丸鉋

2009-04-10 23:02:09 | 木工
次の仕事にかかるまでの時間を利用して、先日千代鶴さんに送っていただいた小がんなを、内丸鉋に仕立てました。



まず、定規を用い、台にR300mmの円弧を描きます 。

この線を目安に外丸鉋で下端を削ります。


外丸鉋のRは300ではありませんが、できるだけ凸凹が無いよう仕上げます。

そしてそれからが、吉岡棟梁に教えていただいた方法
台のRと同じ丸みのものを見つけ

そこにのり付きの紙ヤスリを貼り付け、台をこすってRを仕上げます。
R300mm(直径60cm)のものはなかなかありませんが、集塵機を利用しました。


これできれいなRができました。次は刃の加工 
来週のお楽しみです。


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テーブル完成

2009-04-09 20:22:30 | 木工
組立が完了したテーブルに蜜蝋ワックスを塗りました。


荏胡麻のにおいが漂います。


この蜜蝋ワックス、市販のものに比べやや硬めに作りましたので、布にたっぷりつけてしっかり擦り込みます。
400番の耐水ペーパーで磨き、余った蜜蝋ワックスを布で拭き取って


完成!
いつもは、乾いた後もう一度塗るのですが、明日車に積み込まねばならないので今回は一回で終了。


良い天気が続き、炭山の桜も満開になりました。


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テーブル組立て

2009-04-08 22:41:32 | 木工
制作中のテーブル、部材の仕口加工と仕上げ削りが完了し、組立てました。


このくらいの大きさと重さですと扱いも大変楽で、このところの腰痛でも何とか作業ができます。

今日はお客様がいろいろ持ってきてくださいました。

まず、いつも刃物研磨でお世話になっているヨシダさん
持ってきてくださったのは、研磨が完了した丸鋸とこれ、

木工用のショートビット
3mmから33mmまで、ほぼ0.5mm刻みで揃っています。

先にネジが切ってない、ボール盤でも使えるタイプです。
とりあえず、一本ずついただく事にしました。
興味のある方はご連絡ください。

もう一人のお客様は、Sさん
先日ブログに載せた写真の妻の「手」を見て、「筋肉がとても弱っている!」
と心配して、

この本とDVDを届けてくださいました。
このDVDの制作に携わった立場から、実際にDVDを見ながらそのポイントなどを詳しく教えていただきました。
ご自分も長年頸肩腕症候群で苦しんでおられるのに、私たちの事まで心配してくださっています。
Sさん本当にありがとうございます。
(このDVDに興味のある方はこちらへ)
その上、

この3月亡くなられた後藤勝美さんの描いた、美しい大正池の絵はがきもいただきました。


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桜三昧

2009-04-07 22:01:47 | その他
滋賀県高島市へ行ってきました。
目的は、

高島市マキノ町に」ある、妻の友人のYさんのお宅
すばらしい環境の中で、周りの木々にとてもなじみ、落ち着いたたたずまいを見せるログハウス、


この玄関に置く下駄箱の注文をいただき、その下見と採寸に。
置く場所や大きさなどいろいろ相談させていただきました。

おいしいお菓子やお茶をごちそうしていただいた上に、「清水(しょうず)の桜」に案内していただきました。


この桜、樹齢300年を超えるヒガンザクラで、水上勉の「桜守」に出てくる桜ということです。


太い幹は、300年の風雪に耐えた表情を示し、
そして花は、


この上ない美しさで咲き誇っています。
1本の桜の木としてはこれまでにない感銘を受けました。

そこからさらに足をのばし、海津大崎へ


以前より、一度行って見たいと思っていた桜並木です。


花はまだ5分咲きといったところでしたが、ぬけるような青空と青く広がる琵琶湖を眺めるのは実に気持がよかったです。

京都へ帰って、今日の締めくくりに醍醐寺へ


古い建物と調和する桜もまたいいものですね。


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栓テーブル

2009-04-06 21:24:05 | 木工
ようやく暖かくなり、工房の裏の桜も咲き始めました。

写真の手前の建物は、今年京都木工芸同好会「一木一優」に加わった柳原さんの工房「スタジオ木壺」の建物です。


暖かくなってきましたから、まもなく満開を迎えるでしょう。

作業の方は、

テーブルを作成中。
このテーブル、就職した娘に頼まれたもので、90cm×70cmとやや小型。
樹輪舎京都の「銘木感謝デー」で購入した栓の盤を使い、天板は2枚に挽いて接ぎ合わせました。
そういえば最近、「銘木感謝デー」が開かれていません。寂しいですね、yassoさん。

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宇治川さくらまつり

2009-04-05 21:39:13 | その他
宇治川さくらまつりに妻と行ってきました。
30年以上宇治に住んでいて、宇治川さくらまつりに行ったのは、私は今回が初めて。

源氏物語ミュージアムの駐車場に車を置き、ミュージアムの敷地を通り、「さわらびの道」を歩いて、宇治上神社へ


国宝でもあり、本殿が日本最古の神社建築として世界遺産にも指定された宇治上神社
写真の拝殿は「縋破風(すがるはふ)」という作りの屋根で、独特の美しい曲線を描いていました。
こじんまりした中に、本当に落ち着いたたたずまいです。

宇治川を渡って塔の島へ

会場はたくさんのテント

中央舞台では

地元のバンド、「満月堂」のコンサートで、なつかしい歌の演奏。
このバンド、名前からすると次女の友達のお父さんがやっておられるのではないかと思われるのですが・・・・

塔の島の桜は満開近しというところ

宇治川に映えてとてもきれいでした。

塔の島では、炭山陶器まつりも同時に開かれていました。

いつもお世話になっている笹谷さんの「暁陶房」の出店
良い物がとても安く買えるのもこの陶器まつりならではです。

帰りがけにおもしろい出店を見つけました。

城南木材製材組合の「木あてクイズコーナー」
①から⑩の番号のついた木の名前を当てるクイズです。
試しに挑戦。もちろん全問正解。


こんな景品をもらってしまいました。ちょっと悪いことをしたかな?


朝霧橋からの宇治川上流の眺め
家から数キロのところにこんな美しい場所や、美しい建物があるのに、今まであまり訪れることもありませんでした。
これからは美しい環境の中で季節の移ろいを感じていきたいという思いを強くしました。

工房に戻り、午後は畑作り
石を拾い、腐葉土と木くずをを入れ、石灰をまき、

畝をたてて、念願の「畑」ができました 広さ約5㎡です。
何を植えようかな。

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一周年 

2009-04-01 21:41:11 | 木工
今日から4月。工房を開設し本格稼働してから1年が立ちました。
とにかく時間の経つのが速かったこと。あっという間の一年でした。
無我夢中の一年でしたが振り返ってみますと、本当にいろいろな方にいろんな形でお世話になっての日々だったように思います。
そしていろんな方との出会いがあった一年でもありました。

今日の仕事はまずこれ。

ストーブ用の薪運び。来シーズンの備えです。
これも昨年秋に出会いのあった、炭山陶芸の理事長の笹谷さんにお世話になったものです。

雨が降り出したので午後からは、五稜箸の木取りをしました。

所定の長さと厚みとに挽いた楓の板を、治具を使って斜めに挽き、


さらに、もう一片も斜めに挽き、


左の状態で木取り完了。


これを、電子レンジで軽く「人工乾燥」し


この状態で、しばらく乾かします。
材はすでに5年以上乾かしてある楓ですが、この乾燥をしっかりしておかないと途中で反ったり曲がったりしてきます。

木取りで出た切れ端は・・・

薄くなった端をはさみで切ると、小さなヘラができます。
接着剤を塗ったり、漆を混ぜたり、いろんな事に使えとても便利なのです。

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