木工芸・漆・道具        

 木肌の美しさに惹かれ、指物の伝統技術と道具に魅せられて・・・・・ 木工芸 市川 (宇治市炭山)

漆塗りインシュレーター

2010-12-12 22:31:04 | 木工
先日工房に来ていただいた、丹後のMさんから、漆塗りのインシュレーターのお話があり、制作してみることにしました。
(インシュレーターとは、振動を止めるために、スピーカなどオーディオ機器の下に敷く部品です。)


使った材は、ブビンガ。立方体に木取り、縦木取りで轆轤で直径45mmに挽いて、22mmの厚みに切り離しました。


これに生漆を塗って乾かします。


昨日から試みている、漆くろめ機?

試行錯誤の末、やっとヘラの形状が決まり、取り付けができました。
試しに糊に染料を一滴垂らしてスイッチを入れると。


数回の回転で均一に混ぜることができました。
明日は実際に漆を使ってくろめてみます。

休憩時にはコーヒーを入れて一休み。

このコーヒー豆、並の豆ではありません。プレミアムコーヒーといわれる豆のもう一つ上のランクのスペシャルティーコーヒー。
焙煎機のハンドルを作ったお礼にと、陶芸家の笹谷さんにいただきました。


ミルで挽き、笹谷さん作の陶器のドリッパーで入れます。
引き立て(と言っても一週間経ってしまいましたが)なのでお湯を注いで蒸らすと、ふわーっとふくらんできます。


そのおいしさは格別。それを、野田さん作のコーヒーカップでいただく。こんな贅沢なことはありません。
コメント (2)
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五稜箸木取り

2010-12-11 22:02:24 | 木工
このところ漆の仕事が続いていたので、久しぶりの木の仕事です。

家元から注文をいただいた五稜菓子箸の木取り

乾かしておいた、楓の杢板をテーパーをつけて切り。


更に他の面もテーパーをつけて切ります。杢を揃えるために隣同士に番号をつけておきます。


井桁状に重ねて


高い位置に置いて乾燥させます。この時期ストーブを焚くので良く乾いてくれます。
暫く動きを見て、鉋削りにかかります。


こちらは、Tさんから注文をいただいた、拭漆仕上げのコースター用の欅材。
できるだけ杢のおもしろい板を選びました。これも暫く乾燥させて動きを見て再度荒削りをします。

漆の仕事の方は、漆のなやし・くろめをしなければならないのですが、何とかあの作業(2時間ひたすらかき混ぜる)を自動化できないか・・・と考えた末、見つけたのが・・・


墨擦り機。
これにヘラをつけて回せば良いのでは・・・と考え、早速やってみました。
ヘラの取り付けもでき、漆の代わりに糊を煮て粘度を持たせてやってみました。
100グラム程度までなら、これでできそうですが、200グラムをくろめようとすると。縁からあふれそうです。



よりしっかり練ってなやしをかけるために、もう一工夫必要です。
色々やってみて良い方法を見つけました。
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宿題

2010-12-09 22:00:38 | 
新潟産の生漆が少なくなってきたので、荒味漆を漉しました。


取りあえず200gを漉して、チューブに入れました。
その時便利なのが、この漉した漆を受けているバナナボートのような器。
漉した漆を受ける面積も広く、チューブに詰めるのも簡単にできます。


この時、塗るものを用意しておくと器についた漆が無駄になりません。
今回は、#600で研ぎ上がった羽反椀などの摺りに使いました。


羽反椀7客の他、Tさん依頼のコースター、香合、小皿にも刷毛摺りして、綿布で拭きました。
綿布でしっかり拭ききると埃は付きません。
香合と、コースターの一部は蘇芳で染めています。


完成間近な、少し大振りの羽反椀ともう一つの楓小皿。クロメ返し漆を塗り、モスリンで拭くと落ち着いた艶にあがってきました。


ここからが宿題。
といっても学校の宿題ではありません。習っている漆塗り教室の宿題です。

本堅地の手板の錆付けです。


まずは錆を作り。


寒冷紗で漉します。


広めのヘラでやや厚めに錆を配り、


適当な巾のヘラで平らにならします
縁のくくり錆がやや高めなので、中心部が気持ち厚くなるように錆をつけました。
(本当に厚めになっているかどうかは乾いてみないとわかりませんが・・・。)


焼けないよう、扇風機に当てて水分を飛ばしてから、風呂に入れて乾かします。


残った錆はサランラップに包んで保存し、反対面の錆付けにつかいます。



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香合の上塗り

2010-12-06 23:00:44 | 
香合の上塗りが完了しました。

・・・・が、よく見ると、



思ったほど艶が上がっていません。
仕上げに塗ったこの漆、なやしを強くかけながらくろめたのですが、5月の気温が高い時期にくろめたのでなやしがたりなかったようです。
寒い季節になってきたので、新たに生漆をくろめて塗り直すことにします。



その手くろめ漆を仙才椀の拭漆の仕上げに使い、モスリンで拭きました。
下地がしっかりできているのでしっとりとした艶になってきました。
あと2回ほど拭き重ねて完成です。



仙才椀も5客完成しました。
こちらは少し艶を押さえるため、香合で使った手クロメ漆に、浄法寺産の機械くろめ漆を混ぜて塗りました。
Tさんお待たせしました。明日納品させていただきます。

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またまた婆佐羅さんへ

2010-12-03 22:39:12 | その他
午前中穏やかな天気でしたが、昼過ぎから天候は一転、炭山も嵐が吹き抜けたようでした。

早めに仕事を切り上げて、またまた京・町家こっとうギャラリー「婆佐羅」さんへ

恒例の年末バーゲンの案内をいただいていたのですが、明日は行けないので、今日よせてもらいました。


前回の漆器バーゲンとは店内もがらりと変わり、いろいろな品が所狭しと並べられていました。


いろいろな時代の小皿やくらわんかのなます皿、古伊万里染付の皿、等々。
婆佐羅さんの説明を聞きながら、見ているだけでも楽しくなります。


バーゲン中はこれらがすべて20%OFF。
普通でも安い婆佐羅さんですから、私達にも無理なく買うことができます。

今回一番のお気に入りはこれ

李朝後期の小壺
形といい、染め付けといいとても気に入りました。


いただいた古伊万里のなます皿。
早速夕食につかってみました。なかなか渋いですね。右は、前にいただいた鍋島柏文中皿。

そしてもう一つ

平小皿。
はじめはこの鮮やかな色に、手にとって見ることもしなかったのですが、帰りがけに手に取ってみるとなかなか良いのです。
見れば見るほど心惹かれ、いただいて帰りました。
食卓に載せてみると、これだけで食卓が華やいだ雰囲気になります。


ゆっくりさせてもらって、帰る頃にはすっかり暗くなっていました。
婆佐羅さんのデコレーションもちょっとクリスマスの雰囲気が。
年末バーゲンセールは29日までつづきます。

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漆三昧

2010-12-02 21:18:08 | 
漆の仕事が続きます。


香合、ペンダントの中塗り
新潟産生漆をクロメ返ししたものをぬりました。
すこしブツが入ってしまいましたが中塗りなのでまあ良しとしました。


小皿、ぐい呑み、羽反椀の拭漆。


茶箱の修理。色合わせに大変時間がかかってしまいましたが、やっと色あわせができ、あとは上摺の乾燥を待つだけ。
ところがこの上摺りがなかなか乾かないのです。
途中で一度生漆で摺をした際もなかなか乾かず、往生しました。
一度摺りをしている上に今回クロメ漆を使ったのですぐ乾くと思ったのですが、やはりなかなか乾いてくれません。
Sさん、お待たせして申し訳ありませんがもう暫くお待ち下さい。


こちらはもう一方の羽反椀。#600で水研ぎが完了したところです。


摺りを3回ほど重ねて下地が完成します。


漆を導管の中に摺り込むとともに、余分な漆をしごき取るための各種ヘラ。
椀の曲面に合わせて何種類か削りました。


今までは捨て摺りの段階から塗りっぱなしだったのですが、ヘラでしごくことにより導管の中にしっかり漆を摺り込むことができ、研ぎも楽になります。


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匙上塗り

2010-12-01 22:23:32 | 


豊島さんのお仕事を引き継いで、匙の上塗りをしました。
漆はクロメ返しをした新潟産の漆、刷毛は九世泉清吉作です。右の刷毛は塵取り。


クロメ返しまですると漆もだいぶねばくなりますが、少し暖めたこともあり、刷毛目はきれいに消えてくれました。


前回少しブツが入り、研ぎ直した仙才椀も塗りました。


こちらは羽反椀。拭漆でという注文です。漆層を少しでも厚くするため、クロメ返し漆を薄く刷毛塗りして、


モスリンで拭きました。
綿拭きを重ねた後、モスリン拭きを3回ほど重ねると良い艶に上がってきました。

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