国力が落ちたとはいえ、未だに世界をリードする最大の大国と言える米国だが、その内側できしむ音は異様である。大戦後の救世主とばかり、政治経済の困窮する地域には手を差し伸べて救ってくれた恩人でもあった。敵国であった日本も廃墟のなかから立ち上がることができたのは、米国の援助があったからである。ただ無償というわけではなく、従属化という後遺症が現在にも及んでいて、くびきに繋がれた不自由な身を上衣で覆っている姿と言ったら叱られるかな。それなりの代償は高くついたし、戦後70年を過ぎても子供扱いのところもある。この本質的な米国の外交方針とやらが露骨に現れている現象が、パレスチナに対するイスラエルへの全面支持の加担であろう。米国にとってイスラエルは血肉を分けた肉親のような存在であるから、だとしても、パレスチナがアラブの一員だからと言う理由で、見て見ぬふりをするのはリーダーらしからぬ偏見と、ウクライナ戦争に対比する二重基準がまかり通って、かつての輝かしい威厳は何処にも見当たらない。大統領選も来月に迫り、トランプとハリス双方にそれぞれ5000億円超の資金が、ウォール街を主として集まるそうだから、当然政治姿勢もそちらに向いて、金満国家の輝きは増え続けていくことだろう。
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