かっこうのつれづれ

麗夢同盟橿原支部の日記。日々の雑事や思いを並べる極私的テキスト

津波の危険性を軽視した経営陣トップの責任は免れないとしても、13兆円も払えと言われて判りましたと払えるものなんでしょうか?

2022-07-13 19:58:44 | Weblog
 奈良市の今朝の最低気温は22.7℃、昼の最高気温は30.8℃、五條市の今朝の最低気温は22.3℃、昼の最高気温は30.6℃でした。今日は朝のうちは雲の多い晴れ、昼からは曇で時折雲間から日差しがあるという微妙な空模様でした。ただ少しでも日が出るとたちまち気温が上がり暑くなるので、できればしっかり空が雲に覆われていて欲しかった気はします。なお、夕方には生駒山上に怪しげな積乱雲が蟠ってわずかずつ東に動いていた時があり、これは夕立になるのかな? と期待しましたが、何も起こらないまま夜になってしまいました。雨は明日以降に持ち越しのようです。

 さて、福島原発事故についての株主代表訴訟で、22兆円の賠償請求に対し、東京地方裁判所は当時の経営陣4名の被告に計13兆3210億円の賠償を命じました。日本の裁判史上最高額の賠償金額かも、と言われています。
 争点となったのは津波の規模の予見性で、それぞれの経営責任者がその職責に応じ適切に注意義務を発揮して判断を下したかどうかが問われましたが、 2008年に社内で15.7mの津波予測が試算され、それを担当者から説明を受けていたにもかかわらず、対策を講じなかったことについて、「原子力事業者、取締役として求められている安全意識や責任感が、根本的に欠如していたものといわざるを得ない」と裁判長は厳しく指摘、この判決に至ったとのことです。当時、柏崎刈羽原発ではタービン建屋開口部などからの浸水を防ぐために水密加工がなされていた点も挙げられ、福島の方も対策はできたはずとされました。
 裁判長の指摘はいちいちもっともだと思います。せっかく技術の粋を凝らしてあの激甚な巨大地震には立派に耐えてみせた原発が、予備電源を地下に設置して浸水対策も満足になされていなかったがためにその後の津波で全電源を喪失、冷却水が回らなくなりメルトダウンに至るという一連の流れは、なぜもう少しだけ想像力を働かせて万一に備えなかったのか、と当時の経営判断に大きな疑問はありました。この判決はその責任を明確にする上で、画期的な物があるように思われます。
 ただ、こんな国家予算に匹敵しそうな金額を、果たしてこの4人で払い切れるのでしょうか? 払えないとしたら、この判決になにか意味はあるのか? と言う疑問があります。また、これで原発再開が遠のいてしまうような萎縮作用が働かないかという懸念もあります。法的な意味等はよくわからないのでいずれマスコミの解説記事等があるだろうというのを期待するとして、原発再開がこの判決をきっかけとしてまた遠のくようだと結果的に国民は電力不足という負債を背負わされることになりそうですが、その代替として政府が推進しているのが再生可能エネルギーというよくわからない名称の太陽光や風力だというのではあまりに無責任と思えます。だからといって裁判長にその点を忖度せよというのは筋違いですのでこの判決はこの判決としてそれで良いと思うのですが、それによる影響は政府がしっかりと受け止めて然るべき措置をとって欲しいと願うばかりです。

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