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やさぐれ刑事

2024年04月13日 01時01分00秒 | 邦画1971~1980年

 ◇やさぐれ刑事(1976)

 

 実はこの映画、高校生のときに予告編を見た。それ以来、見たいな~っておもってたんだけど、見たらきっと後悔するだろうなあって不安を抱えてた。

 案の定、そのとおりだった。

 原田芳雄がいなかったら成立しなかった映画なんじゃないかって気もするけど、実は大谷直子の知的な艶めかしさが際立ってる。まあ、やくざの顔役の高橋悦史に誘拐されて強姦されて暴力団のコールガールにされてブルーフィルムにまで出させられるっていう、いかにもな転落をしていくのに大谷直子の色気は申し分ないんだけど、いやまあ、あまりにも定番な筋書きで、ちょっとね。

 ただ、原田芳雄の存在感はもっと出せるはずで、それにはこういうありきたりな物語だと埋没しちゃう気がしないでもない。また、原田芳雄の衣装もそうで、いったい誰が考えるのか、よろしくない。『君よ憤怒の河を渡れ』や『祭りの準備』のような徹底した衣装がいいんだけど、なんだか私服に毛の生えたような衣装は困っちゃう。

 渡辺祐介はこの頃の松竹の代表的な監督なのか、テレビでも映画でもひっぱりだこな印象があるんだけど、テレビ的な印象が拭い去れない。なにも北海道から九州まで自分を裏切った妻とその色を追いかけていくって筋立てにしなくてもよさそうなもので、北海道だけでも十分な物語にできそうな気がする。

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