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☆=☆☆☆☆☆
◎=☆☆☆☆
◇=☆☆☆
△=☆☆
▽=☆

悪い種子

2021年09月25日 17時39分56秒 | 洋画1951~1960年
◇悪い種子



なにがあかんかったかって、子役のパティ・マコーマックがやけに大人びた顔をし過ぎてて、ちっとも可愛くないことだ。可憐な顔の女の子が恐ろしいことをおもいつき、それをそのまま引き起こしてるんじゃないかってのがミソなのに、これはちょっとな。

それと、ブロードウェイの脚本そのままなのか映画的な興奮がないのも辛い。マービン・ルロイはどうしてもっと自由自在な場面設定に変えなかったんだろ?

まあ母親ナンシー・ケリーの自分の遺伝子のために、わが子が窃盗と殺人をしでかす異常者として生まれ育ってしまったんじゃないかって悩み苦しむのが主題だから家の中だけですべてが展開する舞台劇のままでもいいんだって開き直ったのかもしれないけど、やっぱりつらいな。

好かったのは舞台でもアパートの清掃員役をやってたヘンリー・ジョーンズで、思慮と学歴は足りないけど小ずるい行動と悪だくみをいかにもしそうで、死んだ男の子をぶったたいた靴が焼却炉にあるとかまをかけて、ほんとに見つけちゃうっていう、なんともちょっと出過ぎたことをしでかしたために火をつけられる羽目になるっていう役回りを好演してた。

まあ、こういう子供にも天罰がふりかかるかどうかは疑問だが、結末はつけようがないかもしれないよね。
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待ち伏せ

2021年09月24日 02時50分41秒 | 邦画1961~1970年
◇待ち伏せ



初めて観たのは大学2年生の時だった。ベータに録画してしばらく本棚に列べてたんだけど見直す気にはあんまりならなかった。

稲垣浩も、三船敏郎との付き合いがあるし三船プロの作品だしってことから遺作を撮る羽目になっちゃったんだろうけど、なんだかね。

峠の茶屋に用心棒と役人と股旅者と幕府転覆を望みながらも御用金めあての悪党と嗜虐趣味の旦那とそいつから逃げた人妻とが居合わせて絡み合うっていう発想はわかるんだけどね。

脚本と音楽と撮影と演技がな~。

中村錦之助だけ、一所懸命にどもって神経質な正義漢を演じてはいるんだけどね~。
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エントラップメント

2021年09月23日 02時41分00秒 | 洋画1999年
◇エントラップメント



なるほど、高層ビルのレンブラントを盗むところから観客に罠を仕掛けてくるわけね。ショーン・コネリーだとおもわせて、さらにキャサリン・ゼタ=ジョーンズを保険会社の腕っこき調査員みたいななんかわけわからん諜報部員みたいな感じに置いといて、コネリーのねぐらに乗り込んでようやく『レンブラントを盗んだの』という台詞をかましてくる。ん?彼女は泥棒なの?とかおもわせて、実は最初からコネリーを誘い出すための保険会社の偽造盗難だったって種明かしをしつつ、ふたりの関係を騙し合いの追いつ追われつにするんだ。で、地下水道を利用して黄金の仮面を盗む段にいたって正体を暴かれることで前戯は終わって、クアラルンプールの本番にいくっていう寸法か。なるほどね。こういう出だしは、とにかくおしゃれにいきたいっていう願いから出てくるんだろうけど、いつもながら、セダ=ジョーズの運動神経とリズム感の悪さが気になるんだよなあ。

ま、レンブラントの盗難があらかじめ保険会社の仕組んだものではなく、セダ=ジョーズのほんとの犯行で、国際銀行のクアラルンプール支店の鍵を手に入れるための餌になるっていう展開が、コネリーがまだまだセダ=ジョーズを嵌めてるっていうのを匂わせるのと同時に展開するとかいうのは、よく考えてる。

しかしなんとも恐ろしいことに、ラストのプードゥー駅のFBIがうんたらかんたらっていうくだりになって、前に観たことあったとおもいだした。恐ろしい。
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ディープ・インパクト

2021年09月21日 15時27分37秒 | 洋画1998年
◇ディープ・インパクト



いやまあ実に予定調和な筋立てなんだけど、これって『アルマゲドン』と同時進行の別立てなのね。

ミミ・レダーの起用が良かったかどうかは別にして女性らしい視点はいくつか感じられる。

不倫の調査から始まるのはちょっと下衆っぽさはあるけど、リポーターのティア・リオーニと父綾のマクシミリアン・シェルが抱き合って津波に呑まれるのはよくないな。ちなみにバネッサ・レッドグレーブまで起用してるんだからもう少し語らせてあげたかったわ。

これはやっぱりティア・リオーニが、アメリカの東海岸が沈んでゆくのを中継して、それで大彗星なロバート・デュバルたちの宇宙船が特攻してゆくのを実況放送して『地球は助かりました』って涙しないと盛り上がりに欠けるんじゃないかなあ。

イライジャ・ウッドとリーリー・ソビエスキーのふたりにしてもそうだな。せっかく高校生を結婚までさせるんだからその両家についても描き方が中途半端だ。

いちばんよくないのは大統領のモーガン・フリーマンが大彗星に対してなんの対処もなくあきらめた放送をしちゃうところで、最後まで弱音を吐いたらだめで、そんなことしたら、復興の演説を映したところでシラケちゃうもんね。
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ゼイリブ

2021年09月19日 01時18分22秒 | 洋画1981~1990年
◇ゼイリブ



They Liveなんだね。

それにしてもなんてアメリカ人は頑固なんだろう。サングラスをかけてみてくれといわれたらいっぺんくらい素直にかければいいのに、えんえんとつまらない喧嘩をするくらいならさっさと掛けて話を進めてほしいわ。

メグ・フォスターもそうで、車にも乗せて自宅にまで連れてきて安心させるくらいならさっさと掛ければいいんだよね。ただまあアシスタントディレクターにしてはやけにいい暮らししてるんだなあとか、いつ通報したのかやけに警察の到着するのが早すぎるなあとかおもわせときながら、人間たちの叛乱拠点で再会してそこへエイリアンどもの襲撃があって共に戦いそして逃げるっていうくだりを見せておいて、ケーブル54の屋上のどんでん返しまでひっぱる腕は大したもんだとはおもうけどね。

でもまあ全体的に間延びした演技と編集で、これはちょいとなあ。半分にまで削ぎ落としたいわ。そしたらもっと展開も早いし、もっとおもしろくなったっておもうんだけどな。まあ、予算が足りないのはわかるし、ジョン・カーペンターの映画はたいがい前半がもったいぶっててつまんない。なんにしても、もっと刈り込んだ方がいいっておもうんだけとなあ。
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マンイーター

2021年09月14日 15時41分29秒 | 洋画2007年
◇マンイーター

要するに、人喰い鰐の話なんだけど、なんで『人食いワニの入り江』とかって題名じゃないんだろって、当たり前か。

けどおもったよりも拾い物で、グレッグ・マクリーンはどうも猟奇的な活劇を書いたり演出したりするのが好きみたいだね。

まあ、オーストラリアのカカドゥ国立公園にこんな巨大なイリエワニが生息してて、しかも獲物を溜めておく巣になるような大きなワニがいるかどうかは別にして、ラダ・ミッチェルが引きずり込まれている洞窟の巣に、マイケル・ヴァルタンがさ迷い込んでからの対決はまあまあ見せるし、いやまじ、ワニは唸り声はちょっと興醒めするけど、絵的にはけっこう満足できた。

役者もサム・ワーシントンだのミア・ワシコウスカだのも出てたりして、けっこう揃えてるし。

あ、人喰い鰐って、killer Klockていうんだあ。

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アンダーグラウンド

2021年09月02日 16時47分25秒 | 洋画1995年
◇アンダーグラウンド


まあとにかく騒々しい映画だったわ。エミール・クストリッツァがなにかいいたいんだかよくわからないんだけど、とにかくコメディといえばコメディだけどね~。

反ナチスの地下組織の親友同士がナチの将校に尻をふってる女優をとりあったことからその片割れを地下に封じ込め、横流しの武器を作らせてしこたまもうけてゆくっていうのは、わからないでもないけど、けっこうちからづくな展開でだんだん苦しくなってくる

ぎりぎりのところでむりやりこの筋立てのために地下に入れてあった戦車がぶっぱなして新たな展開になるんだけど、ここまで長過ぎないかなあ。

ラザフ・リストフスキーの息子が河で溺れたとき、井戸に身を投げた嫁の幽霊と出会い、河の彼方へ消えていくときのタンゴ調の曲はよかった。全体を包んでるリリー・マルレーンを除けばだけど。

まあ、ミリャナ・ヤコヴィッチの濡れ場と演技はよかったけどね。第三章戦争の劇的な展開の中で、車椅子に乗ったまま弟に殴り殺されたミキ・マノイロヴィッチとまとめて殺され、灯油ごと燃やされた際、逆に磔りつけられたキリスト像のまわりを永遠に回り続けることになるんだけど、そこへユーゴ内戦の小隊長になってるラザフ・リストフスキーと巡り合うくだりは、最後の流れてゆく小さな土地の上での幻想の結婚式と同じくらい良い撮影だった。
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