◎バンク・ジョブ(2008年 イギリス 110分)
原題 The Bank Job
staff 監督/ロジャー・ドナルドソン 脚本/ディック・クレメント、イアン・ラ・フレネ
撮影/マイケル・コールター 美術/ギャヴィン・ボケット
衣装デザイン/オディール・ディックス=ミロー 音楽/J・ピーター・ロビンソン
cast ジェイソン・ステイサム サフロン・バロウズ リチャード・リンターン ミック・ジャガー
◎1971年9月11日、ロンドン
土曜から日曜にかけてのことだったらしい。
ベイカー街のロイズ銀行が襲われ、数百万ポンドの現金と宝石類が強奪された。
壁には塗装スプレーで「シャーロック・ホームズに解決させてみろ」とあった。
ロンドン警視庁は後手に回り、連日大々的に報道された。
ところが、ある日を境にぴたりと沈黙した。
英国政府が歴史上数回しか発したことのないD通告(国防機密報道禁止令)を発令したためだ。
盗まれた品物の中に英国王女のスキャンダラスな写真があり、
また政府高官や裏社会の顔役、汚職警官らの秘密の書類まで預けてあったからだ。
これにより、犯人たちはひとりまたひとりと消されていくことになる。
というのが物語の設定なんだけど、これは実際の事件がもとになってる。
どこまでがほんとかといえば、D通告が発せられたところまでだ。
その後、犯人たちが消されていったかどうかはよくわからない。
実際の犯人はジョージ・マッキンドーというらしく、
かれらは銀行に忍び込む実行犯と前のビルの屋上で待機する見張り犯とに分かれ、
無線で連絡しあっていたんだけど、この無線がアマチュア無線家に傍受された。
無線家はロバート・ローランズといって、かれが警察に通報して捜査が始められたわけだ。
ところが、その後、4人の実行犯は逮捕されたものの、それで捜査も報道も打ち切られた。
MI-5が陰で暗躍していたからだっていうのが映画の説で、
そもそもジェイソン・ステイサムが銀行強盗をする羽目になったのも、
サフロン・バロウズが空港で身に覚えのない麻薬所持で逮捕され、
証拠不十分で釈放してやってもいいがそのかわり銀行強盗をしろと持ち掛けられたのが発端だ。
で、この取引を持ち掛けてきたのがMI-5だったてな話の展開になってて、
その理由は政府の汚濁を一掃するためで、もちろん、英国王室のスキャンダルの封印もある。
けど、これはあくまでも製作者たちの推論であって、真実はわからない。
コマ切れになってる情報を繋ぎ合わせてみると、こういうことなんじゃないのって話だ。
それにしても、よくできてる。
実はぼくはジェイソン・ステイサムが苦手で、かれの作品はあんまり見ない。
男臭すぎるっていうか、なんていうか、あんまり友達になりたくないタイプだ。
まあ、こういうアクの強い男はぼくとは反対にとっても好きだっていうファンもつきやすい。
たぶん、役者としては不可欠な魅力を持ってるってことなんだろね。
実際、この映画のジェイソン・ステイサムはかっこよかった。
苦手であることには変わりないんだけどね。