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☆=☆☆☆☆☆
◎=☆☆☆☆
◇=☆☆☆
△=☆☆
▽=☆

アメリカン・プレジデント

2021年04月19日 11時54分07秒 | 洋画1995年

 ◇アメリカン・プレジデント

 

 いかにも合衆国の恋愛劇って感じに仕上げたいような印象なんだけど、べつに大統領との恋愛でなくてもいいんじゃないかな~。守衛のトム・バリーに対して、あいかわらず綺麗なアネット・ベニングが『この人にキャプラの話をしてもわからないから失礼よ』というようなことを口にすると、トムはにこにこと『映画監督ですよね』といって蘊蓄を手短に話すんだけど、こんなとってつけたような場面をわざわざいれなくちゃいけないのは、どういうちからが働いたんだろね?

 そんなことはさておき、マイケル・ダグラスはこんな恋愛劇は似合わないな。もっとエグミのある話じゃないと、灰汁の強さが活かされないよ。

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人間革命

2021年04月17日 19時02分08秒 | 邦画1971~1980年

 ◇人間革命

 

 高校生の頃、田舎の東宝系映画館でこの映画の予告編を見た。続編と二本立てでいっぺんに見たらとてつもなく長い時間が掛かるな~とおもったんだけど、なんか観たくてたまらなくなった。なぜって橋本忍の脚本だったからだ。当時、ぼくは映画に興味を持ち始めたばかりで、橋本忍は心の師匠みたいなものだった。その橋本忍が脚本だなんて、それも二本立てならとんでもない長さになる大作なんて滅多に観られるもんじゃない。ま、そんなことからそうおもったんだけど、これが見落とした。

 それから45年間、ずうっと観られずにきた。そりゃまあなんといっても『人間革命』だから、観られる機会はなかなか巡ってこない。ただ戸田城聖の経営していたっていういくつかの出版社と会社の現在、どうなってんだろう?丹波さんの台詞だけだとちょいとわからんのだが。

 ところでこれは橋本忍と桝田利雄の連携がうまく取れてなかった気がするな。第二部になってようやく日蓮が登場するのは唐突すぎるんじゃないかな。それと、タイトルバックの波はなんなんだろうとおもってたんだけど、あれは佐渡をとりまく荒波なのか、戸田城聖が幼い頃に見ていた日本海なのか、どっちなんだろう?

 しかし伊福部昭なんだけど、大東亜戦争の開戦と日蓮の処刑未遂の彗星の場面と原爆、やっぱり伊福部昭は伊福部昭だったな~。

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スパイの妻

2021年04月13日 18時47分10秒 | 邦画2020年

 ◇スパイの妻

 

 あら懐かしい、昔『天国の駅』でロケした旅館じゃないの。変わらないね、ここは。ていう話題くらいしか思い浮かばないような単調さと間の伸びようなんだけど、これは脚本の磨き込みが足りないのかな。まあなんというのか、戦前の揺れ動く心情やどうしようもない現実を映像で見せてほしいんだけど、731部隊の話も絡んでくるし難しいんだろうな。たしかに黒沢清はこういう長い場面作りがよく見られるような気がするけど、だとしたらもう少し夫がスパイではないかと疑ってゆく過程をはらはらさせてほしいわ。時代の雰囲気を引きの絵でとらえられていないのがなにより苦しいね。台詞まわしは好い感じな気がしたけど、こりゃ舞台だわ。9.5㎜の自主製作映画を撮ってるのだけは嬉しかったけどね。

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シャレード

2021年04月05日 18時45分27秒 | 洋画1961~1970年

 ☆シャレード

 おもしろい。ジバンシイの衣装もルイヴィトンの鞄もおしゃれだし、家に帰るともぬけの殻で、離婚したいとおもってた旦那が死体で発見されると出だしはなんともスリリングだ。ケーリー・グラントの出た顎をさわってどうやって剃るの?とか、煙草のフィルターをちぎって味がわからなくなるとか、いやヘプバーンがやると嫌味にならないのはすごいね。それにしても最後の最後までどんでん返しを連続させる脚本も音楽もうますぎる。

 

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ブライダル・ウォーズ

2021年04月04日 18時40分24秒 | 洋画2009年

 △ブライダル・ウォーズ

 

 結婚式に出たことから結婚に憧れる幼なじみのふたりが喧嘩したり仲直りしたりといろいろあってダブルで結婚式をあげようとするんだがやっぱりそこでも揉めて取っ組み合いになった果てにふたりならんでダブルウェディングを挙げるというだけのありきたりな話。アン・ハサウェイはほんとに作品に恵まれないことが多いね。

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アトミック・ブロンド

2021年04月03日 19時00分59秒 | 洋画2017年

 ◎アトミック・ブロンド

 

 階段から部屋の中までのものすごく長いワンカットの殴り合いは、びっくりするくらい凄い。よく、息が続いたっていうくらい、心配になってくるほど凄い。物語はベルリンの壁が崩壊した前後の東西スパイのリスト争奪戦ていうだけで、ほかにはなんにもないんだけど、シャーリーズ・セロン、ひたすら凄いぞ。

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search/サーチ

2021年04月02日 14時27分37秒 | 洋画2018年

 ☆search/サーチ

 前に観たときもどきどきしたけど、また観ても似たようなどきどきを感じさせる。お父さんが家の中でパソコンに向かい、ネットだけを便りに娘の行方不明の真実にたどり着いていこうとするのは、その発想からしておもしろい。考えつきそうで考えつかない。母親の死から仲の好いはずの父親ジョン・チョーとの間に溝ができてくるんだけど、それを父親が知っていくのが娘のパソコンを調べていくうちに偶然に出くわすていうのがいかにも現代的だね。SNSのパスワードの再発行とか、グーグルマップの巧みな使い方とか、とにかく現代的でないと自分では解決できないってあたりがまた上手い。アニーシュ・チャガンティ、初監督とはおもえないテンポの良さだけど、編集っていうより画面の使い方が上手いんだな。娘を見つけ出そうとのめり込んでゆく父親を過激にするかたわらで伏線をちょっとずつ張ってて、まあ、犯人がちらりと出てきたりとか、動機につながるものがあるのに見過ごされてたりとか、マリファナを吸わせてた叔父つまり弟をあてうまにしながら娘の心を語らせたり、その一方で、まるで関係のないネットユーザーが横槍を入れてきたり、赤の他人の反応や意見や事件を餌にした押し売りまでも横行して、ひっちゃかめっちゃかになってくる。それはつまり、事件の全貌がささいなことまでネットにさらされながらも大切なことは見落とされてしまってるっていうネットワーク時代への皮肉になってるってのが見事だとおもうんだよね。けど、容疑者をひとりひとり発見させてそれをネットで連絡して潰しながら真実に迫っていくくだりはほんと上手で、さらに音楽が興奮してくる動悸と同期するようでまた良い。なんといっても最後のどんでん返しの崖のニュース中継が上手すぎる。

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キューポラのある街

2021年04月01日 18時56分33秒 | 邦画1961~1970年

 ◇キューポラのある街

 

 カメラがええな~とおもってたら、姫田真佐久だった。さすがだな。吉永さん、勉強してくるとうそついてパチンコ屋のアルバイトに出かけるとき、ズボン脱いでスカートに履き替えるんだけど、ジミーズが透けてパンツがわかる。百恵ちゃんもそうだったけど、女優としたら当たり前のことが平成以降は通用しない。情けないな。吉永さんは初潮前の中学三年生で、友達に口紅をプレゼントされ、鏡を見てあわてつ脱ぐいとり、なんで大人ってこんなもんつけるのかしらっていうんだけど、いやまじ、今日びの女子中学生に見せてやりたいぞ。それにしても、よくできてる。北朝鮮に帰る家族まで絡めてあるし。ラスト、陸橋と列車の切り返し。朝も早よから、何度、電車走らせたんだ。

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