◇屍者の帝国(2015年 日本 120分)
監督/牧原亮太郎 音楽/池頼広
出演/細谷佳正 村瀬歩 楠大典 三木眞一郎 山下大輝 花澤香菜 大塚明夫 菅生隆之
◇19世紀末、ロンドン
要は21gとされる魂を探し求めていく旅と解釈するのがいいのではないかと個人的には察した。
おそらく間違っているんだろうけれど、なんとなくそう感じられた。
屍者はあくまでも一度死んで細胞が生き返った単なる生体であると過程するのであれば、魂を持った屍者はまるで別な生体であり、しかしながらそれを人間として認めることができないというのであれば、これは新たなる人類ということになってしまう。
う~む、難しいな。
もっとも、物語はきわめて予定調和に展開していき、やがてワトソンは魂というか言葉を備えた屍者として存在していくことになり、それがつまりはシャーロック・ホームズの語り部になっていくという前日譚で幕を下ろすことになるんだけど、そのように収まりをつけなければ、物語の世界がいたずらに拡散してしまうだけになっちゃうもんね。
でも、この物語の時代はやっぱり未開なる土地やアジアの奥地かブラック大陸と呼ばれたアフリカ、あるいは南米の未開拓地であって、そういうところへ話が進んでいくのはいかにも20世紀の前夜といった観はあるね。ただ、日本が妙にハリウッド的な大味に包まれてて、なんだかな~とはおもったりもしたかな。