◎ホテル・ルワンダ(2004年 南アフリカ共和国、イギリス、イタリア 122分)
原題 Hotel Rwanda
監督 テリー・ジョージ
◎ドン・チードル、好演。
かれはポール・ルセサバギナっていうオテル・デ・ミル・コリンの支配人を演じてるんだけど、このポールは、ルワンダ内戦で、虐殺した側フツ族とされた側ツチ族の両親を持って生まれたんだけど、父親がフツ族だったため、フツ族となってるわけだけど、奥さんがツチ族だったもんだから家族は窮地に立たされる。
ここで、見えてくるのは差別だ。
けど、国内の差別だけじゃない。ホテルの経営者のジョン・レノはかなり友好的に接してくれるし、助力も惜しまないが、他国はそうじゃない。欧米の超大国はアフリカについては人外であるかのような態度で、たった300人の国連平和維持軍は放置された観がある。こんな複雑な立場の中で、冷静であろうと務めるのがチードルなんだけど、かれは支配人という立場について矜持があるから、必死に文明人であろうとする。
けれど、どれだけ知的であろうと礼儀正しかろうと、かれはアフリカ人なのだ。差別される側なのだと、どうしようもなく自覚させられる。つらい立場だ。それを好演してる。ただ、支配人という、支配する人間として、かれは家族をホテルにかくまうんだけど、ここでちょっと疑問をおぼえる。他の従業員の家族は、かくまわなくてもいいんだろうかってことだ。それについては映画はまるで触れてない。どうしてたんだろね?