Kinema DENBEY since January 1. 2007

☆=☆☆☆☆☆
◎=☆☆☆☆
◇=☆☆☆
△=☆☆
▽=☆

ハリー・ポッターと謎のプリンス

2024年01月06日 01時12分59秒 | 洋画2009年

 ◎ハリー・ポッターと謎のプリンス(Harry Potter And The Half-Blood Prince)

 

 どうも、この作品から見ないようになってる。実は何度見ても、忘れちゃう。なんというのか、いちばん最初の設定とはちがった物語の進行をしてきちゃったんじゃないかって気がしてならないんだけど、そんなことはないんだろうか?

 謎のプリンスが誰かっていういちばんの主題は、あとづけのような気がするんだよね。

 ロケーションがスコットランドの断崖になってきたりして、背景の荒々しさが、登場人物たちの三角関係めいた仲たがいをよけいに烈しくつらくさせてるような。そんな効果はあるんだけど、ちょっとまだるこしい気もする。ハリーが急におとなになって、やけに色気づいた感じがどうも違和感あるし。

 デヴィッド・イェーツの演出はやっぱりハードで、アラン・リックマンがよくこんな簡単な最期で承諾したなって気もしないではない。

コメント

ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団

2024年01月05日 22時35分03秒 | 洋画2007年

 ◎ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団(Harry Potter And The Order Of The Phoenix)

 

 なんか、幻魔大戦みたいになってきたなあ。

 善と悪、神と魔という陰陽の対決は永劫に変わらない物語なんだろうけど、少年の日々を卒業すれば、当たり前のことながら、戦いは真剣かつ深刻なものになってくる。内容が、軍団という戦闘集団の編成によって堅苦しく厳しくなってきて、つまり、物々しさが倍増してきてる分、楽しめるかどうかが微妙なものになってきた。これまでのファンタジー好きなファンはどうおもってるんだろう?

(以上、2011-02-23 16:29:55)

 

 シリーズの第2部の幕開きだとおもうんだけどね。とにかく、ハードな世界になってきた。でも、封切りの頃、ぼくはこの作品を見て、シリーズを見るのをやめた。ダニエル・ラドクリフの相手役っていうか、やがて恋人同士になるんだろうなあって確信していたエマ・ワトソンがそうじゃなかった…っていう衝撃のせいだし、もうひとつ、いきなり登場してきたケイティ・リュウ・ロングが初恋の相手とかって展開になってきたせいだ。裏切られた感があって、それほどこのシリーズに思い込みがあったわけじゃなかったんだけど、それでも僕の中の調和していた予測が破壊された衝撃は大きかった。

 筋立てよりも、そんなことが気になるなんて、信じられない話なんだけど、もうひとつはやはりダークさだろうなあ。

 デヴィッド・イェーツはこのあと最後まで演出を担当するんだけど、つまり、ハリー・ポッターの後半の監督としてただひとりの人物になるわけで、もはや、かれの世界観になってるのかもしれない。圧縮された物語はそれなりの緊張感があったけど、なんだか荒削りな印象と性的な雰囲気が強くなってて、それがこれまでのファンタジー感を損なってるような気もするなあ。

コメント

ハリー・ポッターと炎のゴブレット

2024年01月04日 22時58分39秒 | 洋画2005年

 ◎ハリー・ポッターと炎のゴブレット(Harry Potter And The Goblet Of Fire)

 

 なんか『小さな恋のメロディ』みたいな雰囲気になってきたなあ。

 どうしても、青春映画になってゆくのは仕方のないことなんだけど、仲良しだったのが急に恋に移行していくのが唐突にすら感じる。少年から大人へなってゆくにつれて魔法から超能力へ移行してるようなのとはちがうんだけどなあ。それにしても、レイフ・ファインズの鼻の造形はなかなか見事なもので、こういう特殊メイクもあるかあって感心しちゃったわ。

(以上、2011-02-22 23:30:07)

 

 ゴブレットがメインだってことはよくわかるんだけど、これまでのような謎解きの面白さや魔法世界のさまざまな印象が活劇で薄れちゃってるような気がしてならない。たしかに派手な競技で映画向きってことはわかるんだけどね。ところで、そうか、このマイク・ニューウェルって監督は『ガーンジー島の読書会の秘密』の監督なのか。なるほど、雰囲気の異なる物語に仕上がってるわけだ。

コメント

ハリー・ポッターとアズカバンの囚人

2024年01月03日 00時39分02秒 | 洋画2004年

 ◎ハリー・ポッターとアズカバンの囚人(Harry Potter And The Prisoner Of Azkaban)

 

 牽引役はシリウス・ブラック。やっぱり、ゲイリー・オールドマンはすごい。かれの登場は、マンネリ間際の世界を引き締めてる。とはいえ、少年のおとぎ話から青春ファンタジーへと移行する過渡期で、この時代を象徴する見事な画面は、なんといったも、病室からハリーたちが駈け出していくときのカメラ・ワークだ。時計塔の文字盤をすり抜けて外へ出、時空を超えたハリーとハーマイオニーがフレームインしてくるところだね。

(以上、2011-02-21 16:57:00)

 とはいえ、このシリーズの前半はここまでで、後半はがらりと印象が変わる。どんな物語でもそうなんだろうけど、子どもから青年へと成長する中で、愛らしさや子どもらしさとは決別しなければならない。それは時の非情な掟みたいなもので、そうしたところから時間の物語になってるんじゃないかっておもうのはうがちすぎなんだろうか?

コメント

ハリー・ポッターと秘密の部屋

2024年01月02日 13時48分55秒 | 洋画2002年

 ☆ハリー・ポッターと秘密の部屋(Harry Potter And The Chamber Of Secrets)

 

 追悼、リチャード・ハリス。

 独立した物語となるように気づかわれていたような印象を受けるのはこの第2作までのような気がする。

 子供の最大の興味は、やはり、隠れ家にある。かくいうぼくも、子どもの頃にはそこらじゅうに隠れ家を持っていた。この誰もが覚えのある素敵な空間を伝統的な世界でくくり、物語の核に据えるのはできそうでいてななかできない。妖精の悲哀と屈折を語るのも、同様だ。そういうところ、原作者がものをよくわかっているのか、それともクリス・コロンバスなどの制作者たちもそうした機微をよくおぼえているのか、とにかく上手だった。

(以上、2011-02-20 12:37:48)

 ダンブルドアは、やっぱり、リチャード・ハリスの晩年のはまり役だったなあ。

コメント

ハリー・ポッターと賢者の石

2024年01月01日 18時44分17秒 | 洋画2001年

 ☆ハリー・ポッターと賢者の石(Harry Potter And The Sorcerer's Stone・米/Harry Potter and the Philosopher's Stone・英)

 

 魔法使いになるための学校っていうのは盲点だった。誰もが、こういう話もありだと思いつつも描かれてこなかった世界を、音と絵でわくわくと語るファンタジーを構築したという点がとくに意義があるんじゃないか。ただ、童話的な楽しさはハリーの成長とともに失われていくんだろうけれども、これは仕方のないことだよね。

(以上、2011-02-19 14:28:01)

 

 いまからおもえば、この作品ができたのは2001年で、そうか、今世紀の映画なんだねと。原作との向き合い方も、原作者の意図するところの反映だの、さらにイギリス人やスコットランド人へのこだわりなど、なんだかんだと制作者側がこだわってるのは、それこそのちになるまでわからなかった。ぼくは原作がどうしても読めなくて、なんべん挑戦しても100ページにすらとどかない。まわりの人たちは、なんで?と首をかしげるけど、たぶん、ぼくが活字に馴れてないのと生まれついての読解力のなさのせいなんだろう。とはいえ、ジョン・ウィリアムスってどうしてこうもぴったりはまった音楽が書けるんだろうとおもったり、クリス・コロンバスはスピルバーグが演出するよりよかったんだろうなあって納得したり、そういうところは何遍見直しても変わらない。

コメント