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☆=☆☆☆☆☆
◎=☆☆☆☆
◇=☆☆☆
△=☆☆
▽=☆

聲の形

2018年09月30日 00時36分25秒 | 洋画2016年

 ☆映画 聲の形(2016年 日本 127分)

 監督/山田尚子 音楽/牛尾憲輔

 出演/入野自由 早見沙織 松岡茉優 悠木碧 金子有希 石川由依 潘めぐみ 小野賢章 豊永利行

 

 ☆君に生きるのを手伝ってほしい

 なるほど。

「自分がしたことは自分に跳ね返る。自分は罪を背負い、罰を受ける必要のある人間である」

 たしかにそのとおりで、この主人公の若者の独白は実に胸に迫る。それがどのような物事であれ、つまりこの映画にかぎらず、ぼくたちの生活や人生の中のどのような瞬間の出来事であれ、こうした想いは常に抱えて生きている。そういうことからいえば、この作品は地に足のついた物語といってよく、このところの情けない邦画とは明らかに一線を画している。

 とはいえ、この映画を褒めるのはもう嫌っていうほど大勢の人たちが褒めているし、それ以上の語句を費やせる自信もないからやめておくけど、後半、いよいよ佳境に迫ってくるあたりは、ほんと、胸のつぶれるような想いを抱えて観た気がする。でも、あれだね、大垣の良さのひとつに「水」があるんだけど、水と音っていうのは繋がりが深いね。

 おもいだされるのは『シェイプ・オブ・ウォーター』で、ヒロインのサリー・ホーキンスが聾唖だったってことだ。水の中には音がないから、そうした不自由さは水の中では差がなくなる。水の中へ飛び込む主人公たち、水の中から外界を眺めるカメラ、そうした行動や構図が「音」を余計におもいださせてくれる。上手な演出だな。山田尚子、凄いな。

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草原の河

2018年09月29日 14時14分46秒 | 洋画2015年

 ◇草原の河(2015年 チベット、中国 98分)

 原題/河 Gtsngbo

 監督・脚本/ソンタルジャ 音楽/ドゥカル・ツェラン

 出演/ヤンチェン・ラモ ルンゼン・ドルマ グル・ツェテン

 

 ◇青海省海南チベット族自治州同徳県

 なんとまあ素朴な映画だろうっていうのが偽らざる感想なんだけど、この6歳のヤンチャン・ラモって子はたしかに上手だった。ていうか、父親役のグルツェテンは監督の親戚で、まったくの素人だったのが、この映画をきっかけにして証明スタッフになったとかいうし、結局、現場を知っていたのは現役歌手で監督の知り合いだったっていう母親役のルンゼン・ドルマだけだったていうのが凄い。まあ、だからこそ、ドキュメンタリみたいな感じに仕上がったんだろうけどね。

 映像はたしかに寒々として荒涼としたチベット高原をよく撮ってるけど、どうにも町とこの草原とがどう繋がっているのかよくわからない。俯瞰の映像が欲しかったし、町と草原の境目の場面もやっぱり欲しかった。でないと、いきなり、町へ出かけちゃえるし、どこからやってくるのか、娘をいじめる悪ガキどもの暮らしもよくわからない。

 まあ、4年前に祖母が臨終を迎えるときに出家して修行に入ってしまった祖父がやってこなかったということで、父親と祖父の間に断絶が起こっているのはなんとなくわかるし、今度はその祖父が倒れ、それをきっかけに家族の修復がなされていくんだろうなってこともわかる。

 そんな感じかな~。

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フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法

2018年09月28日 01時20分16秒 | 洋画2017年

 △フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法(2017年 アメリカ 115分)

 原題/The Florida Project

 監督/ショーン・ベイカー 音楽/マシュー・ヒーロン=スミス

 出演/ウィレム・デフォー ブリア・ヴィネイト ブルックリン・プリンス

 

 △フロリダ州キシミー

 そうか、子供たちが暖炉に枕をおしこんで火をつけたらボヤになっちゃった屋敷はサブプライム住宅ローンで不良債権になった住宅だったのか。なるほど、その住宅地を背景にしたモーテルに住んでる貧困層が描かれてるわけね。ということは、ここに住んでる人たちの中には、ひどい目にあった人達もいたりするわけね。

 まあそれが、ブリア・ヴィネイトとブルックリン・プリンスの演じる母子なのかどうかは微妙なところだけど、もう、不当に手に入れた香水をディズニーランドにやってくる観光客たちに売りつけることと、ファストフードの賞味期限切れで廃棄処分される食品を分けてもらうことでしか生きていけず、それが滞ってしまったらもはや売春するしか生きる術のない人達ってのは実際どこにでもいる人々なわけで、そういうアメリカの現実をまのあたりにさせられちゃうと、なんだかね、人生ってなんなんだろな~って気になっちゃうわ。

 かといって、この作品がものすごく評価が高いのもちょっとな~っておもうし、デフォーの演技がめちゃくちゃいいかっていえば、あまりそうともおもえない。たしかに以前のような怪人のような演技は息をひそめていて、ごく自然にモーテルの管理人を演じているし、そういうところはきわめて人間味のある男を演じてるとはおもうんだけど、かれの人生についてはまるで語られず、多少の想像はつくものの明確さはない。にもかかわらず、なんでここまで評価されるのかわからない。

 ていうか、ディズニーランドが近くにあるっていうのは皮肉以外の何物でもなく、破産して崩壊していく町と、ディズニーランドが隣り合い、さらにモーテル群には行き場を失った人々がいるっていう構図は凄いなっておもうし、ラスト、児童保護局の手から逃げていくブルックリン・プリンスとその友達の逃げ込む先がシンデレラ城ってのはもうかわいそうで仕方がないね。ちなみに、この部分は許可を得てなくてゲリラ撮影だそうだけど。

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タクシー運転手 約束は海を越えて

2018年09月26日 01時19分11秒 | 洋画2017年

 ☆タクシー運転手 約束は海を越えて(2017年 韓国 137分)

 原題/택시운전사

 監督/チャン・フン 音楽/チョ・ヨンウク

 出演/ソン・ガンホ トーマス・クレッチマン ユ・ヘジン、リュ・ジュンヨル

 

 ☆光州事件

 その現場を命懸けで取材して世界に向かって報道したドイツ公共放送連盟(ARD)東京特派員、ユルゲン・ヒンツペーターをやはり命懸けで送迎したタクシー運転手の実話をもとにした物語なんだけど、いや、実によく撮ってる。まあ、韓国特有のコミカルな場面をとくに前半に集中させているのはわからないではないけれども、その分、ちょっと入り込みづらい気はしないでもなかったものの、非常に上手に撮られてた。

 光州事件についてはほとんど知らないし、それは当時も今も変わらない。当時、ぼくは韓国の情勢についてはまるで知らなかったし、なるほど、たしかに光州事件ってあったな~っていう印象でしかない分、かなり興味深かった。こうした自国の歴史をエンターテイメントとして語ることができるようになったのはとってもいいことだし、こういう姿勢で映画を撮っている韓国をうらやましくもおもったりするわ。

 それにしても1980年の雰囲気を伝えるのにタクシーというのは実によい道具で、それだけで当時の情景が甦ってくる。でも、道々ですれちがう自動車はことごとく当時の型で、これだけよく集めたものだっておもったわ。それを、最後のタクシーと四駆のチェイスで、惜しげもなくつぎつぎに壊していくのもまた小気味よかったね。

 このタクシーの運転手が実際にはどんな人物だったのかわからないし、今も生きているのかどうかもわからないのがちょっと不気味であったり、それ以外にもいろんなことを考えさせられるけど、もしも、映画の結末のとおりどこかでちゃんと生きて仕事をしているのであればそれはきわめて美しい心映えの物語だってことになるんだけど、どうなんだろうね。

 しかしながらこの主役の俳優たちはいかにも韓国の顔を背負って立ってるって感じがして、これもまた小気味よかった。主役のソン・ガンホは『グエムル 漢江の怪物』のときもきわめて韓国的な演技をして、うまいな~とおもったものだけど、それはまったく変わってなかった。共演者も含めて実に好い印象だったな。

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メイド・イン・ホンコン

2018年09月25日 00時01分52秒 | 洋画1997年

 ◇メイド・イン・ホンコン(1997年 香港 108分)

 原題/香港製造 Made in Hong Kong

 監督/フルーツ・チャン 音楽/ラム・ワーチュン

 出演/サム・リー ネイキー・イム ウェンダース・リー エイミー・タム

 

 ◇1997年香港返還

 その日、ぼくは香港にいた。

 前後一週間、香港に滞在して返還されていくときの空気を肌で感じてた。でも、たしかにいろんな催事はあったし、町はざわついていたけど、いつもの香港だった。お祭りがあったっていうくらいにしか、観光客である僕には感じられなかった。

 まあそれが正直なところなんだけど、当時、ぼくは毎年のように香港に通ってて、このときは新界から深圳に、さらには蛇口まで足をのばして、そこから水中翼船で九龍半島まで帰ってきた。そんなこんなで、だから、予想していた緊張はさほどなかった。

 ここの登場人物たちもそうな気がする。

 返還の「へ」の字もなく、かれらはいつものとおりの香港に暮らし、閉塞と焦燥のごちゃまぜになった生活に喘いでいる。でもな~お墓の上にのぼって抱き合ったり飛び石のように渡っていくってのはちょっとな~って気がしたんだけど、そんなことないのかな?

 物語の構成は嫌いじゃない。突っ放したような物語ではあった。

 と同時に、自殺した女の子と主人公とはなんの関係もないはずなのに、妙な因果で結ばれちゃった感じで、しかも、その亡くなった女の子の夢を見て、毎晩のように夢精しちゃうというもう爆裂しそうな青春の設定はどうだろう、たいしたものかもしれない。いや、なかなか考えられない気はするよね。

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ナイトクローラー

2018年09月12日 00時02分43秒 | 洋画2014年

 ◇ナイトクローラー(2014年 アメリカ 118分)

 原題/Nightcrawler

 監督・脚本/ダン・ギルロイ 音楽/ジェームズ・ニュートン・ハワード

 出演/ジェイク・ジレンホール レネ・ルッソ リズ・アーメッド ビル・パクストン

 

 ◇ソシオパスのパパラッチ

 日本では反社会性パーソナリティ障害とかいうそうだ。そりゃあまあ、自分の成功のためなら多少の反社会的行為なんざ屁でもないとおもって意のままに行動してしまうような主人公なんだから、たしかにそうかもしれないね。

 にしても、ギレンホールのパパラッチぶりはなかなか鬼気に迫ってる。

 日本とアメリカの報道における姿勢については、もちろん差がかなりあるだろうけれど、事件現場に違法すれすれどころかあきらかに手を加えて撮影するなんてことはそうそう滅多にあることじゃない、とおもう。

 で、この映画なんだけど、そんな人為的な違法行為なんざ屁でもないとおもってるソシオパスが物語をひっぱっていくわけだから、報道の迫真性が異常に増してしまうのは物語上、仕方ない。好いか悪いかということではなく、そういう設定なんだよね。

 で、それがジェイクの言葉を借りれば『対象とフレームの境界を消していく』ってことになるんだけど、こうした主人公はもちろん喝采されない。佳境、自分の行為が犯罪的なものであると誰もが知っていながらもどうすることもできないジレンマを抱えたまま彼をさらに暴走させ、ついにはそうしたソシオパスどもの会社まで経営して、さらなる報道に勤しんでいくなんていう事態になっていくのはたしかにピカレスクとしてはありかもしれないけど、手放しでおもしろかったと拍手はできない。

 そうした陰鬱なラストが、この映画をいまひとつメジャーにしきれないってことなんだろうね。

 音楽はちょっとばかり暴力的ながらも、なかなかいい。

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ソフラ 夢をキッチンカーにのせて

2018年09月11日 01時24分34秒 | 洋画2017年

 ◇ソフラ 夢をキッチンカーにのせて(2017年 アメリカ、レバノン 73分)

 原題/Soufra

 監督/トーマス・モーガン

 出演/マリアム

 

 ◇レバノン、難民キャンプ

 パレスチナ難民のマリアムがケータリングサービスによって自立して家族や仲間たちとともに起業して一歩ずつ成功していくのを丹念に追いかけたドキュメンタリなんだけど、なるほど丁寧な作品ではあるし、まちがいのない難民映画なんだとおもう。

 でもなんていうのかな、もうすこし説明があってもいいような気がしないでもない。ことに世界に難民とその実態を訴えかけようとするのであれば、せっかく彼女たちが自立していこうと努力しているのだから、その背景と行動についてわかりやすい案内があってもいいんじゃないかっておもうんだよね。

 こうした話は結末があるわけではないし、彼女たちの暮らしの一部分を撮ることでそれを包含している世界を世に知らしめることが大切なんだろうけど、でも、ケータリングサービスで成功して自分たちの暮らしを充実させて難民という立場からレバノンの国民に限りなく近づいていくさまを描いているのもたしかにわかるんだけど、だからなおさらそうおもうんだよな。

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パパが戦場に行った日

2018年09月10日 22時14分52秒 | 洋画2016年

 ◇パパが戦場に行った日(2016年 オランダ 90分)

 原題/The Day My Father Became a Bush

 監督/ニコル・ヴァン・キルスドンク

 

 ◇国境を越えてゆく少女の物語

 パパはどうやらオランダに酷似した国のお菓子屋さんで、ママとは離婚している。で、似オランダで内戦が勃発してパパが南部の戦線に出征したためにおばあちゃんのところへ厄介になりに行くんだけど、おばあちゃんとしてはママと暮らした方が戦禍に遭わなくていんじゃないかっておもい、そのママのいるフランスに酷似した国まで移動させてくれようとするんだけど、なかなかはそうはいかない。国を越えるのに難民がそうするように業者に頼むもののお金をふんだくられるだけで、結局、少女はひとりで国境を越えていかなくちゃならなくなるっていう物語だ。

 で、これは難民映画祭で観たんだけど、まあたしかに難民ではあるわね。ただ、この物語、どうなんだろうね。オランダでは少年向けのSFとして書かれた原作でもあったんだろうか?

 前にドイツのグードルン・パウゼヴァングの書いた『みえない雲』っていう小説があって映画化もされたんだけど、なんかそれをおもいだした。こっちの方がもっと素朴な感じだったけどね。ていうより、難民としての苦しさは、逃避行もさることながら、ママのいる国での受け入れの問題に重点が置かれてるような感じだったかな。

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ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書

2018年09月09日 22時47分14秒 | 洋画2017年

 ◎ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書(2017年 アメリカ 116分)

 原題/The Post

 監督/スティーブン・スピルバーグ 音楽/ジョン・ウィリアムズ

 出演/メリル・ストリープ トム・ハンクス サラ・ポールソン ボブ・オデンカーク

 

 ◎1971年、ワシントン・ポスト

 まったくもってスピルバーグは上手い。

 ハリウッドの常道の語り口だし、なにもかも予定調和なんだけど、それを嫌がり外してしまった『ザシークレットマン』とどちらがエンターテイメントかという点に立てば、もはや一目瞭然だ。こういうのは辛いね。実際、この映画のラストがウォーターゲート事件の現場なわけだから物語としてはそのまんま繋がってあっちゃう。それは描かれている時代と設定からして仕方ないことながら、このループはかなり辛い。

 まあそれはともかく、この作品がアメリカ国防総省の最高機密文書の漏洩と報道をめぐる映画であろうとなかろうと、主人公たちの心の動きを追っていく上ではあまり関係はない。つまり、誰も知らない国家機密があり、それについて内部からの告発があり、これを発表すればまちがいなく裁判沙汰になり、経営している新聞社が窮地に追い込まれるかどうかっていう瀬戸際ながらも、しかしアメリカ合衆国という国家の市民である以上、自由と正義のためには我が身の犠牲を惜しんではいられず、勇気をもって行動を起こそうとする群像劇なのだから。

 そう、要するに、この映画においては、ペンタゴン・ペーパーの中身についてはその詳細を知る必要はさしてないということになる。

 でも、それが大切なんだよね、たぶん、エンターテイメントにおいては。めんどくさいことはどうでもよくって、アメリカ市民にとって大切なものはなんだ?っていうのが主題なんだから。こういう割り切りの良さが、スピルバーグをスピルバーグたらしめているのかもしれないね。

 

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ザ・シークレットマン

2018年09月06日 12時19分58秒 | 洋画2017年

 △ザ・シークレットマン(2017年 アメリカ 103分)

 原題/Mark Felt : The Man Who Brought Down the White House

 監督・脚本/ピーター・ランデズマン 音楽/ダニエル・ペンバートン

 出演/リーアム・ニーソン ダイアン・レイン エディ・マーサン マートン・チョーカシュ

 

 △ディープ・スロート

 つまり、1972年のウォーターゲート事件で、ワシントン・ポストのボブ・ウッドワード記者とカール・バーンスタイン記者に情報を得られるように指導した男マーク・フェルトの実話ってことになるわけだけど、どうにも奥歯に物が挟まったような演出で、観ていて辛くなってくる。もうちょっと脚本を練られなかったんだろううかって気になっちゃうんだけど、まあこういう感想はハリウッドの定番ともいえる物語の作り方を日々味わってるからかもしれないね。

 ただな~、リドリー・スコットが製作してるんだから、もうちょっと外連味のある物語にしてもよかったんじゃないのかな。冒頭から「ディープ・スロート」を出しちゃってもいいような気がするし、まったく回想を無しにして淡々と物語を進めていくには、あまりにも地味な展開だわね。

 そもそも、このマーク・フェルトがFBIの副長官だったこともあって表に出ずにいた人物なんだから、その分、回想を駆使したりしてしてウォーターゲート事件にどのようにして関わったのか、あるいはいかにして情報の提供をせずに記者を指導できたのかってところに焦点を絞るべきだったんじゃないかっておもうだけどな。

 リーアム・ニーソンは頑張ってる。白髪も頬のこけた感じも生気の失せたような表情もマーク・フェルトに似せようとしている。けど、もともと正義感の塊のようなニーソンをこういう複雑な役で登場させるのはつらかったかもしれないけど、外連味のない物語に外連味のない役者を使うわけにはいかないもんね。むつかしいところだ。

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