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☆=☆☆☆☆☆
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◇=☆☆☆
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▽=☆

しあわせの百貨店へようこそ

2023年02月25日 01時29分23秒 | 洋画2018年

 ◎しあわせの百貨店へようこそ(Ladies in Black)

 

 ブルース・ベレスフォードは『ドライビング Miss デイジー』でも人権を語ったように、ここでも幸福の権利を点描している。セラヴィ、それも人生。というのは、映画の中でジュリア・オーモンドが、アンガーリー・ライスに語る台詞だが、誰もが幸せになる権利を持っていて、いろんな人生があるけれども小さな幸せを見つけてそれを連鎖させていくことが幸せを大きくさせる方法なのかもしれないとおもわせてくれる。

 しかし、ラストがよろしくない。

 憧れのドレスはある男が娘のために買いに来てが売約済みだと断わってみんなが協力してお祝いにしてくれたというのではなくて、両親が内緒で買いに来ないとあかんのだ、それでそのときレズリーとおもわず口走ってしまったのを耳にしたマグダがカーライトに交渉して値下げしてもらったことにせなあかんのだよ。

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パリの調香師 しあわせの香りを探して

2023年02月22日 00時04分43秒 | 洋画2019年

 ◎パリの調香師 しあわせの香りを探して(Les Parfums)

 

 ディオールとエルメスが協力した調香師の物語とか、もはやそれだけで観るだろって話だけど、いやかなり淡々とした盛り上がりもほぼなく予定調和ながらもなんとなく観ちゃう不思議な映画としかいいようがない。

 鼻を悪くして香りを感じられなくなった調香師エマニュエル・ドゥヴォスも、離婚したせいでワンルームマンションで娘と住むことを禁じられたばかりか速度違反で運転免許を取り上げられそうになっている運転手グレゴリー・モンテルの物語なんだけど、こういう設定は嫌いじゃない。ことに気難しくて優しさを表現することの下手な女と短気だけれども他者へのいたわりを失わない男の組み合わせは悪くない。

 ただ、スーパーで安物の芳香剤をつぎつぎに開けて匂わないと動揺し、ポップコーンを開けて嗅いでも匂わないとその場に捨てて行ったのを運転手が集めてどうしたかといえば品物の間に突っ込んで隠す場面があるけど、これはいかんな。あきらかな減点だぞ。

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愛と闇の物語

2023年02月21日 00時00分10秒 | 洋画2021年

 ◇愛と闇の物語(A Tale of Love and Darkness)

 

 ジャーナリストのアモス・オズの伝記を映画化したもので、このナタリー・ポートマン演じる母親は、ロヴノという町で生まれて育ったという。ロヴノというのは、戦前はポーランド領、今はウクライナ領の都市で、リウネという。ポーランドをソ連が分割併合したとき、ウクライナ・ソビエト社会主義共和国の都市とされた。が、ナチス・ドイツに占領され、終戦前夜にソ連が奪還した。そんな都市からパレスチナへ逃れてきたんだけど、そのきっかけになったのが、ソセンキの森の大虐殺で、ドイツ人とウクライナ人とリトアニア人が2万3000人のユダヤ人を殺したらしい。

 まるで知らなかった。

 そんな森があるのも知らなければ、当然、この大虐殺についても知らなかった。

 それにしても、陰々滅々とした詩的な映画だな。

 ポートマンは、こんな話をおさない主人公に話して聞かせる。ふたりの僧が旅をしていて川で溺れている女を目にした。ひとりの僧が飛び込み、女に触れてはいけないという戒律を破って助けた。半年後、もうひとりの僧に尋ねた。女を背負ったのは罪だとおもうか?相棒は答えた。なぜ訊く、まだ背負っているのか?これ、よく知られた話だけど、ユダヤ教の僧ってことかしら?

 音楽は、ドビュッシーのベルガマスク組曲月の光。なかなか効果的でよろしい。

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あの日のように抱きしめて

2023年02月20日 00時49分12秒 | 洋画2014年

 ◎あの日のように抱きしめて(Phoenix)

 

 そうか~『東ベルリンから来た女』の組の次の作品か~。

 ナチスの強制収容所から生還したニーナ・ホスが夫ロナルト・ツェアフェルトの真実を見極める物語なんだけど、物語について考えれば考えるほど迷路に入っていく作品ではある。

 整形しなくちゃいけないほど顔をぐしゃぐしゃにされる拷問ってなによっておもうのはさておき、もとの顔に戻るように整形して、というより顔を復元して帰ってきた妻のことがわからないのか?っていう疑問はまずおもう。もちろん、自分が妻を裏切るようなかたちでナチスに密告して収容所で送り込んだ張本人なんだから妻は死んだとおもいたいし、それが戻ってきたとはおもえないし、顔が似てるくらいだろうとおもってるし、似てるんだったらそれを利用して元妻の財産を手に入れてやろうっていう姑息なたくらみも浮かんでくるだろう。でもそれをなかば承知の上で夫のいうことに協力していく妻ってのも切ないなと。

 ただ、ラストで夫が妻の歌を聴いて腕の囚人番号を見て「こいつ、ほんものの妻じゃん」って気づいたときの歌「スピーク・ロウ」だけど、ぼくはそれほどこだわりがないものだからいまひとつ感情が盛り上がってはこなかったけどね。

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ウインド・リバー

2023年02月18日 23時14分47秒 | 洋画2017年

 ◎ウインド・リバー(Wind River)

 

 ジャレミー・レナーがエリザベス・オルセンの熱意にほだされていくあたりですでに物語の全貌は見えてきちゃうんだけど、それでも印象深い物語になってるのはやっぱり「ウインド・リバー」というのがインディアンの居留地のひとつだってことに尽きる。

 それにしてもやけに評判がいいのは、アメリカという法の下の自由と平等を保証されている国の実態が見えてくるっていう作りと、厳しい自然の中の人間はエゴを剥き出しにしてしまうんだっていう諦観みたいなものが胸に刺さってくるせいなんだろうか?

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ハプニング

2023年02月16日 21時30分21秒 | 洋画2008年

 ◇ハプニング(The Happening)

 

 ナイト・シャラマンは閉鎖された空間の演出はとっても上手な監督だとおもうんだけど、地球上の植物がなんらかの憎悪というか啓示をもって人類に攻撃を仕掛けてくるっていう発想はわからないでもない。ていうより、たまにある。でも、まあ、なんというか、風だけで、たぶん、巨大送風機なんだけど、植物の攻撃性をあらわそうってのは難しくない?

 ただ、いつもどおりのおもわせぶりなところはけっこう楽しめて、蜜蜂が何千万匹も消えた、死骸もないってな予兆を聞くと、あ、ここからの発想かっておもっちゃうけどね。でも、黒板にあるアインシュタインの言葉。蜜蜂が消えたら人類の余命は4年だってのは効いてた。

 道路のそこらじゅうで首を吊っとる死体を見つつ数学の先生が乗り合わせた絶叫ねーちゃんを落ち着かせようと問題を出す。最初に1ドル、2日目に2ドル、3日目に4ドル、倍額で増えていくとひと月後にはいくら?答えられないねーちゃんに1000万ドル以上だ。ってのもわかるんだけど、ま、あってもなくてもいいかな。

 どちらも伏線なんだけど、こういうところは嫌いじゃない。

 でも、フィラデルフィアだけに留まらず、エピローグはベルサイユかしら?風呂敷ひろげてるなあ。

 なんにせよ、尻すぼみな観は拭えないね。

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クーリエ 最高機密の運び屋

2023年02月15日 23時14分04秒 | 洋画2020年

 ◎クーリエ 最高機密の運び屋(The Courier)

 

 ひさしぶりに厚みのある映画を観た気がする。

 ところで、前にも映画でドアのないエレベーターが常に動いていてそれにすっと乗ってすっと降りる画面があったが当時の共産圏はそうだったんだろうか。もしかしたら、ベルリンが舞台のテレビドラマで戦前の話だったかもしれない。

 ま、それはいいとして、これだけ煙草が出てくると喫いたくなるな。フルシチョフを裏切って、キューバの情報を小型カメラに撮ってるメラーブ・ニニッゼが、キリル・ピロゴフに毒入りの煙草をすすめられて肺をおさえて打っ倒れるのを観るとちょっと閉口するけど。

 それはさておき、カンバーバッチ凄い。10キロ痩せたらしいけど、囚人服の背中だけでも痩せたことがわかるくらいってのは凄い。役者はこうでなくっちゃね。レイチェル・ブロズナハンも当時のCIA女性職員をうまく作っててたいしたもんだっておもうし、ソ連の牢屋まで面会にいく奥さんジェシー・バックリーも上手だった。ジェシー・バックリーって『ロスト・ドーター』のオリビア・コールマンの若いときなのね。へ~だわ。

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スケバン刑事

2023年02月14日 21時53分49秒 | 邦画1981~1990年

 ☆スケバン刑事

 

 追悼、手塚治。

 そうか、もう、36年も経っちゃったか。涙が出るね。

 当時、東映の企画制作室で「スケバン刑事を映画化したい」といきなり声をあげた若手のプロデューサーがいた。

 横山やすし・渡辺裕之・白戸真理・武田久美子・朝比奈順子・陣内孝則出演の「ビッグマグナム黒岩先生」や、学研との提携作品の志村香・奥田圭子・中山秀征・島田奈央出演「パンツの穴・花柄畑でインプット」や、古村比呂・畠田理恵・沢田和美・小松みどり・光石研出演の「童貞物語」などの青春映画を続けて担当していたが、どうしても自分のやりたい映画を企画したくて、和田慎二の「くまさんの四季」が大好きだったこともあり「スケバン刑事」を映画化したいと望んでいた。

 宣伝部の後輩に「初代と二代の麻宮サキを登場させて、血染めのダブルヨーヨーって仮題にしたい」と夢を話した。できない話ではなかった。テレビ部で斉藤由貴、南野陽子のドラマが制作され、知る人ぞ知るヒットをかっとばしていたからだ。とにかく映画にすれば、大ヒットするのは目に見えていた。若手はテレビ部にかけこみ、スケバン刑事を担当していた同期のプロデューサーに話をもちかけた。

 すると、ちょうどそのとき、スケバン刑事を放送していたフジテレビでも映画化の話が持ち上がってた。だから、企画制作室の企画書にするのはちょっと待ってくれと。話がびっくりするくらい同時に持ち上がっていたことになる。結局、企画書がテレビ部から映画の企画制作部に持ち込まれて成立したものの、大泉撮影所の本編を撮影する第1制作ではなく、スケバン刑事のテレビ版を撮っていた第2制作で撮影が開始され、予告編はビデオスタジオで撮られた。

 予告編のカット割りの際、ひと文字ずつ「ス・ケ・バ・ン・刑・事」と出るのは、過去にぴあフィルムフェスティバルに出された佐藤東弥監督の「ゼロバード・チェイス」の透過光タイトルへのオマージュである。

 なにもかも、異例づくめの制作だった。

 スケバン刑事を5人出すことになり、5人目は素人の新人をデビューさせることになって、全国縦断オーディションが為され、東映本社のあった銀座の電話回線がパンク、オーディションの詐欺事件も原宿管内で勃発するという異常な事態がひきおこされた。オーディションは予選が札幌、東京、名古屋、大阪、福岡で行なわれ、本戦は東京、当時にメイキング・ビデオを制作、小林亜也子(森川あやこ)がフォトジェニック賞を受賞してデビューが決定、撮影に入った。

 現場は、出渕裕のデザインによる仮面と義手を伊武雅刀が装着、テレビとは打って変わって蟹江敬三の乗り込む劇用車はベンツになり、杉本哲太と坂上忍が夜の横浜港で泳ぎ着いてくる場面からクランクインし、海上保安庁から救難時のゴムボートを借り、ヘリコプターの模型製作所に協力してもらい、マリン企画とのタイアップでウエットスーツによる城ヶ島上陸を敢行し、東宝の成城砧撮影所の大プールでクリスマスの雪の降る中に撮影し、エキストラには当時東映と密接だった有名漫画家の息子も参加し、早稲田大学映画制作グループひぐらしの学生を動員し、寄居の石切り場でヘリを撃ち落とし、坂上忍がハチの巣になる場面を撮影、廃ホテルに火薬を仕掛けて敵基地の大爆発シーンを撮影するなど、季節外れの低予算のアイドル映画としてはありえないようなマルチカメラで撮影し、劇場用の音楽にかぎってグスタフ・マーラーを特別に使用するなど、当時としては正に破格の、とてつもないアイドル映画の撮影と仕上げになった。

 そして、1987年2月14日に公開された。丸の内東映、渋谷東映、新宿東映、五反田東映、浅草東映の周辺のビルを数周するほどの行列ができ、スケバン刑事5人の握手と舞台挨拶がなされるなど、東映はこの日、本社も劇場も予想外の大ヒットに盛り上がった。これ以上音を上げたらスピーカーが壊れると悲鳴をあげた爆音上映となった渋谷東映の舞台挨拶の後、昼食は焼き肉がふるまわれた。この当時の撮影の風景や舞台挨拶の様子は「メイキング・オブ・スケバン刑事」で観ることができる。

 奇しくも、この公開日は1987年2月14日、手塚の訃報が為されたのは2023年2月14日である。

 尚、ウィキペディアの「スケバン刑事」の項に掲載されている「制作」の「稲生達郎」は「稲生達朗」のまちがい。

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チョコレートドーナツ

2023年02月13日 00時09分26秒 | 洋画2012年

 ☆チョコレートドーナツ(Any Day Now)

 

 なるほど1970年代の実話が元なのか。そうおもえば、ちょっと時代が前な感じはある。でも、ゲイのカップルが母親にうとまれたダウン症の少年の世話を焼き、やがて養子にしたいほどに可愛がりながらも、世の中の偏見によって裁判に負け、引き離されていくっていう物語は、今でも充分に通用するわね。

 ひと目で実生活でもバイセクシャルだろうなっておもえるアラン・カミングの演技は凄まじく、アイザック・レイヴァの存在感とが相乗効果になってる。でも、かなり痛々しいなあ。

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ミュンヘン 戦火燃ゆる前に

2023年02月12日 22時49分21秒 | 洋画2021年

 ◎ミュンヘン 戦火燃ゆる前に(Munich : The Edge of War)

 

 緊張感ありあり。ぴりぴりする。

 女性の事務官を演じたアンジリ・モヒンドラがいい感じだね。どちらかといえば優柔不断で、つねに焦って緊張しつづけるジョージ・マッケイをそれとなく好きで応援してるっていう控え目な感じにくすぐられるわ。

 そのジョージ・マッケイとヤニス・ニーヴーナーの友情が、イギリスとドイツの狭間に翻弄されるのが主題なんだけど、煙草、1本くれといわれ、一緒に吸おうと答え、火をつけつつも紫煙を吐くのを待ち、一緒に吐く。金打みたいでかっこええ。ヤニス・ニーヴーナーの台詞がまたいい。ぼくたちは生きる時代を選べないが、どう生きるかは選べる。かっこええ。

 ただまあ、ジェレミー・アイアンズがどれだけ演技しても物分かりのいい聡明なチェンバレンっていう演出がどうにも納得しにくい。チェンバレンがいたことによってイギリスが参戦までの時間を稼げたとはいうものの、そのためにチェコスロバキアが併合されているわけで、これをよしとしてしまったら、あまりにもイギリス寄りな弁解映画に見えちゃわないか?

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ローマの奇跡

2023年02月11日 00時24分51秒 | 洋画2006年

 △ローマの奇跡(Per non dimenticarti/Forget You Not)

 

 どうせだったら、戦後まもないローマの助産院ではなくて戦時中の助産院の方が緊迫感が出てよかったんじゃないかっていうくらい単調な展開だった。結局、助産院に入院した出産間近の妊婦たちの点描でしかなくて、そりゃあ飲酒だの喫煙だののある宴会のありさまとか見てると、こりゃもう臨月の女性たちの合宿でしかないなっておもえてくる。

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アンコール

2023年02月10日 00時23分10秒 | 洋画2012年

 ☆アンコール(Song for Marion)

 

 合唱団「年金ズ」てのがいかにも現代的で、こういうストレートな題名のとおりの物語だった。癌で逝った最愛の妻の通っていた合唱団に参加することで、残された頑固者の人生を変えていくっていうのは簡単ながらも上手い脚本だった。まあ、テレンス・スタンプもバネッサ・レッドグレーブもその上手さと存在感で見せちゃうから余計にうまく感じさせるし、男にふられたせいで合唱団の指揮者になっちゃうジェマ・アータートンもあいかわらず上手い。これが『ビザンチウム』の吸血鬼の姉かとおもうほど、いつも違う演技をするのは凄い。

 主題歌『Unfinished Songs』がなんとまあセリーヌ・ディオンなのね。

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レオン

2023年02月08日 00時46分55秒 | 洋画1994年

 ◎レオン(Léon)

 

 つまり『グロリア』と『タクシー・ドライバー』を足して割れば、この作品になるんかな?

 リュック・ベッソンが上の2作品を観てるかどうかは知らないし、そんなことはどうでもいいことなんだろう。ただ、個人的には上記2作品の方が刺激的かつ社会性を帯びた作品だったんじゃないかっていう気にはなる。

 けど、まあ、性的な興味の対象にされてたのがトラウマになってるらしいナタリー・ポートマンとしては思い出したくない作品なのかもしれないね。

 でも、この頃のナタリー・ポートマンは、なるほど、興味を惹いたんだろうなっておもうわ。

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マネーモンスター

2023年02月02日 00時56分18秒 | 洋画2016年

 ◎マネーモンスター(Money Monster)

 

 どこの世界も裏に悪い奴がいて、そいつのせいで自分は善良だと信じている庶民をどん底に叩き落として、その分儲けるってのはまあよくある話だ。それが、この映画では株の世界ってことになってる。

 財テクバラエティってのはいかにもアメリカ的で、そこで調子よく金儲けを語り、自分もまた儲けてながらも、いざとなれば正義感を迸らせちゃう司会者にジョージ・クルーニーはよく似合う。また、視聴率しか考えないけどでも時と場合には独断専行しちゃうプロデューサーにジュリア・ロバーツもよく似合う。

 結局、いつもふたりが演じてる役割なんだけど、この映画を監督したのがジョディ・フォスターだったってことがちょいと驚きだ。

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LION ライオン 25年目のただいま

2023年02月01日 00時41分15秒 | 洋画2016年

 ☆LION ライオン 25年目のただいま

 

 石運びをして息子ふたりを育ててる母親とはぐれてしまった弟が、年間8万人も行方不明になるインド人の少年のひとりになって浮浪児になるんだけど、オーストリア人の里親ニコール・キッドマンとデビッド・ウェナムに拾われ、育てられ、ルーニー・マーラーを恋人にしちゃったりして、そりゃまあかなり幸せな青年になるのは、それだけでも奇蹟だ。

 でも、びっくりするような奇蹟はそのあとにやってくる。成長したデーヴ・パテールがなにをするかといえば、おぼろげな記憶を頼りにGoogle earthで行方不明になった地点と自宅を割り出し、母親に再会することだ。

 この奇蹟には、泣いたなあ。

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