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☆=☆☆☆☆☆
◎=☆☆☆☆
◇=☆☆☆
△=☆☆
▽=☆

囚われた国家

2022年01月31日 00時45分54秒 | 洋画2019年

 ◇囚われた国家

 

 どうもキャストに花がないな~。ジョン・グッドマンもベラ・ファミーガも決して悪くないし、こうした作品には似合ってる感じもするんだけど、ふたりともおとなしめなんだよね。さて、このふたりは主役なんだけど狂言回しじゃない。狂言回しは黒人の少年の兄弟なんだけど、これがまた地味なんだよ。なんかな~。

 さて、で、かれらは地球を征服した異星人に対するレジスタンスで、地下組織の一員であることを絶対に知られてはならないジョン・グッドマンはいかなる犠牲を払っても、たとえ味方に詰られ、嫌われ、軽蔑されようとも憲兵隊の長のような立場を守って、叙勲されなければならない。そうでないと、異星人の母艦の中枢に入っていいとは認められないから。

 でもそうなればしめたもので、母艦の内部に入り、なんにも探知されない立場となって自爆することができるようになるんだね。これがこの作品の味噌になるんだけれども、やはり地味だ。

 ただおもったのは、これはナチスに占領されたドイツでの地下活動の物語にしてもなんら違和感はないってことだ。別にロシアに支配された某国の話でもなんらかまわない。要するに、圧倒的な軍事力あるいは思想によってちからずくで支配されていながらも最後まで抵抗をし続けるという悲壮感に包まれた作品だってことだ。

 

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グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札

2022年01月30日 22時03分39秒 | 洋画2014年

 ◎グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札

 

 おとぎ話のような人生こそおとぎ話だわ、とかってグレース・ケリーはいったらしい。

 わかるようなわからないような台詞だけど、そんな彼女をニコール・キッドマンはよく演じてるっておもったわ。ほんとうにモナコの危機に際して、グレース・ケリーが晩餐会をひらいて演説までぶち、救ったのかどうかはわからない。でも、まあ、若いした夫とモナコを守るためにド・ゴールと正面きって対峙するっていう「おとぎ話」はあっていいし、史実はちがうんだよね~とか家族や王室の関係者はいいたがるんだろうけど、そこはそれ、映画だから。

 それはともかく、青の発色が好いね。

 前に観たときには気がつかなかったけど、キッドマンの瞳の青さが際立って美しく見えるように計測されてるのかな?

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泥棒成金

2022年01月29日 21時46分42秒 | 洋画1951~1960年

 ◇泥棒成金

 

 なんていうか、ケーリー・グラントとグレース・ケリーの車がリヴィエラの九十九折れの道をゆくのを見てると、どうしても彼女の事故が頭をよぎる。同時『グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札』も浮かんでくる。そんなことをつらつらおもっちゃうくらいな内容なんだけど、かつての「猫」ことケーリー・グラントが逃げ去ってゆくバスのいちばんうしろで仏頂面をしてるヒッチコックがいちばん印象に残るっていうふしぎな映画なんだよね。

 実際、物語の内容はまるきり忘れちゃってても、バスに乗ってるヒッチコックを目にとめると「あ、これ、観たわ」とおもいだす。すごい仕掛けだなって感心するんだけど、さすがにそこまで計算してカメオ出演してるわけじゃないんだろうけどね。

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ともしび

2022年01月28日 00時15分17秒 | 洋画2017年

 ◇ともしび

 原題が『HANNAH』だから、たったひとりの老女の物語で、シャーロット・ランプリングのためにあるような映画だってことはもう観る前から予測は立つ。それにしても、よくわからない。結局、アンドレ・ウィルムが収監された理由はなんだったんだ?

 どうしようもなく退屈でつまらない始まりから、ほんのちょっとずつおもしろくなってくるのがやけに堂々としてる

 ま、旦那が淡々と収監されていく乾いた出だしからなんか異常なことがあったなとはおもうんだけど、いきなりひとりで暮らし始めた部屋に強烈なノックがあって、出てきなさいよ、あんなことして許されるとおもってんの的ななじりがなされたあたりから、あ~なんかやっちゃったんだ~とわかるし、ふと見つけちゃった封筒の中身が旦那の容疑を裏づける物菜のかもしれないんだけどそれを彼女は始末しながらも、ゆりのおしべをひきちぎるとこはなんかすごい。花粉はたしかに花の命を短くするから要らないものなんだけど、おしころしてる感情の発露にも見える。おしべをもぎとるってのも象徴的だしね。

 で、内孫の誕生日に、息子が好きだったケーキを焼いていくんだけど、来るといったろ、そっとしといてくれと追い返された後、トイレでおもいきり泣くわけだけど、そのあと満開のゆりを捨てるんだよね。旦那のせいで孫にも会えなくなちゃうわけだし、とんだおしべだよね。けど、それでも、面会に行くとおもわず会えたことで微笑んじゃう性っていうのか、なのに旦那の側からすればその微笑みが癇に障るんだよね、なるほどな~ておもうし、場面が変わると家政婦に通ってる先の子供の面倒を見ると、いや、よく考えてるね、脚本。

 それにしてもシャーロット・ランプリング、すごいプロポーションだな。肩甲骨は剥がれてるし、立ってる。おっぱいもきれいだし、お尻はたしかにたるんだけど、惜し気もなくシャワー場面を撮らせるのはすごいね。

 いたるところで現実ばなれした舞台のような脇役がたくさん出てくるのは、やっぱり彼女が劇の練習に通ったり、役者の知り合いが来て本読みしたりしてるのと、なんとなく絡ませてるんだろうか。しかしラスト近く、早退けした彼女はなんで浜へ出るのか、それもどうしていきなり鯨が打ち上げられて死んでいるのか、フェリーニみたいだな~ておもうんだけど、こちらの場合は鯨はシャーロット・ランプリングの見立てってことになるんだろうね。つらいな。

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男と女 人生最良の日々

2022年01月27日 00時27分34秒 | 洋画2019年

 ☆男と女 人生最良の日々

 

 かっこええ!

 さすが、クロード・ルルーシュ。面目躍如っていうのはこういうことをいうんだろうなあ。

 50年っていう歳月があるからこその映画なんだろうけど、過去の映像を組み合わせることで物語はよりいっそう深みを増してる。だけでなく、いやほんど、映像がええんだ。よくもまあ「184」のマスタングがあったもんだっておもうけど、なにより、ノルマンディ・ホテルが健在だってことで、部屋がまるで変わってないってことなんだけど、セットだとしたら、これもまたたいしたもんだ。

 アヌーク・エーメは貫禄が出てきて、昔みたいにモデルめいてて感情がおもてに出てこない秘めた感じはなくなってるけど、その分、慈愛深さが際立ってきてる。80代とはとてもおもえない。かたや、ジャン=ルイ・トランティニャンだけど、こっちは養老院で過ごしている元レーサーで痴呆が入ってきてるにもかかわらず、お洒落だ。フランスのカップルは凄いな。

 痴呆による意識の混濁と夢、そして回想の三つ巴によるカットバックは観る者をやや混乱させるけど、夢に登場する小道具が拳銃だってことで、失敗した西部劇を匂わせるのもいいし、なんといってもルルーシュが1976年に撮った短編の『セ・テタン・ランデヴー(C’était un rendez-vous)』の挿入が好い。途中とラストのシトロエンの右外から低いアングルで撮っているカットと重なり、まるで新しく撮ったような錯覚に酔う。いや、ほんと、酔いそうなるんだ、まじ。

 ラストのグリーン・フラッシュでおもわず柏手を打っちゃいたくなるくらいよかった。

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疑いの中で

2022年01月26日 00時28分01秒 | 洋画2019年

 △疑いの中で

 

 チェコの映画だっていうからどんなものなんだろうって感じで観たんだけど、このイジー・ストラッチって監督は『暗くなるまで待って』が好きなんだろうか?

 でも、主役は孤独な老女だし、イジナ・ボダロバはどうやってもオードリー・ヘップバーンとは似ても似つかないし、クリストフ・ハーデクもロイ・シェイダーにはなれない。なにより、盲目かどうかってのはこれほどサスペンスを盛り上げるかどうかってことに関わってくるってのをあらためておもいしらされるわ。

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ユージュアル・ネイバー

2022年01月24日 00時07分51秒 | 洋画2019年

 ◇ユージュアル・ネイバー

 

 ピーター・フォンダじゃないか!

 野球で心臓を強打した少年を女医サマンサ・モートンが緊急処置で救ったていう人道的な始まりを除けば、なにもかもぎこちなく始まる。

 まあそこに、夫婦なのにやけにその女医の立場がつよいサマンサ・モートンとマイケル・シャノンの夫婦と、マイケル・シャノンの浮気相手にして薬を横流ししてくれるメドウ・ウィリアムズ、死にそうな車椅子の子供、親を亡くしたとおぼしき少女が絡んでくるんだけど、その少女の里親がピーター・フォンダなんだよな~。

 でもまあ、予告編でなにもかもわかっちゃったから、このぎこちなさも的のはずれたような観客を勘違いさせるおもわせぶりな夫婦の会話も裏の見当がついちゃうんだけどね。

 
 
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アンダー・ザ・シルバーレイク

2022年01月23日 14時43分05秒 | 洋画2018年

 △アンダー・ザ・シルバーレイク

 

 へ~っとおもったのは、グリフィス天文台にジェームス・ディーンの銅像が置かれてることくらいで、あとはない。

 ともかく、冗漫で退屈でひとりよがりな内容としかおもえず、後半の神秘主義的なヒッピーたちの集落にさ迷い込んだときには『ミッドサマー』をおもいだした。まあ、そんな印象しかなく、予告編がおもしろかった分、まいったなあって感じだわね。

 主役のまるで幸せとは縁の薄そうな、田舎の母親から電話があるたびに暮らし向きをごまかしてばかりいるアンドリュー・ガーフィールドがいきなり姿を消した隣人ライリー・キーオの行方をおいかけてゆくっていうだけの話で、ゆくさきざきに現れるのが、陰謀論に凝り固まったやつとか、将来のことなんかなんもかんがえないお姉ちゃんとか、わけのわからない億万長者とかで、もはや、なにがいいたいのかよくわからない。

 デヴィッド・ロバート・ミッチェルは『イット・フォローズ』も予告編と前評判ばかりがよくて、将来性のある監督とかってもてはやされたけど、ほんとかね?って聞きたいくらいだ。

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記憶にございません!

2022年01月22日 23時33分23秒 | 洋画2019年

 △記憶にございません!

 

 ま、出演してるみんなが楽しみましたっていう映画だね。

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クリミナル 2人の記憶を持つ男

2022年01月21日 23時48分35秒 | 洋画2016年

 △クリミナル 2人の記憶を持つ男

 

 おもしろくない理由は、正義の主人公がいないからだ。

 ケビン・コスナーがいつまでも悪人を背負ってるからで、博士トミー・リー・ジョーンズの憐れみと自戒はあるものの、CIAのゲイリー・オールドマン」は冷酷だし、妻アリス・イヴの存在もまた希薄だ。悪人もまた動きは鈍く、大きなターゲットとゆうかクライマックスが見えてこない。

 行ったり来たりのじたばた怒鳴りあいをしてるだけっていう印象が強いな。

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アリスのままで

2022年01月20日 11時52分57秒 | 洋画2014年

 ☆アリスのままで(Still Alice)

 

 誰もが身近に、あるいは知り合いの関係者に、アルツハイマーに苦しむ人を知っているかもしれないんだけど、その中でも若年性のものが、この映画で語られる病だ。悲惨な展開になっていくのはこの映画が幕を閉じた後だってことは、わかる人にはわかる。

 でも、ジュリアン・ムーアが主人公である以上、自分の意識が自分を認識できる範囲までの物語にするしかないわけで、筋立てとしてはこれでいい。コロンビア大学言語学科教授が言葉を忘れていくっていうのはたしかに皮肉な話ではあるんだけれど、かといって仕事の主要な道具が言葉である人は少なくなく、たとえば、電話案内を仕事にする人たちもおなじことだ。

 まあ、知的な仕事と満足のゆく財産がありながらも自我が崩壊していくことで、世界中に見られるこの病気はいかなる人間も患い、悩み苦しむんだってことなんだろうけどね。

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否定と肯定

2022年01月19日 00時18分01秒 | 洋画2016年

 ◇否定と肯定(Denial)

 

 ちょっと抽象的すぎる題名で、いっそのこと「アーヴィングVSペンギンブックス~リップシュタット事件~」とした方がわかりやすかったんじゃないかな?

 それでも忘れてる。二度目のはずが、まるきり、忘れてる。だって、前半が長すぎるんだもん。

 裁判が始まるのはタイトル後すぐでもいいくらいだ。

 ホロコースト裁判っていう題名でもいいくらいで、たしかに虐殺があったかなかったかっていうのが主題とはいえ、地味というより取っつきにくいな。それに、否定派のティモシー・スポールの主張はもうすこし強くないとおもしろみがない。こういう話は予定調和になったらおしまいなんだから、ぎりぎりまでレイチェル・ワイズとトム・ウィルキンソンが裁判に負けそうにしてないとね。

 しかし、アンドリュー・スコットとマーク・ゲイティスが出てくると、どうしても『シャーロック』をおもいだしちゃうな。

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ラスト・ディール 美術商と名前を失くした肖像

2022年01月18日 00時24分37秒 | 洋画2018年

 ☆ラスト・ディール 美術商と名前を失くした肖像(Tumma Kristus)

 

 そうか、この演出は『こころに剣士を』のクラウス・ハロなのか。なんか、わかるわ。

 イリヤ・レーピンっていうロシアの画家は知らなかったんだけど、なるほど、聖画を描くときには画家という存在はもはや超越してしまってひとりの信仰心のある人間ということから署名をしないんだっていう美術館の推測はなんとなく納得するわ。

 なんといっても、マッティ・バイの音楽がいい。単調にも感じるピアノ主体の曲なんだけど、この静かさが画面によく合ってる。こういう外連味の無い曲は好いよね。

 ヘイッキ・ノウシアイネンっていうヘルシンキ出身の俳優さんも、地味ながら好い感じだ。いかにも古美術商って雰囲気がよく出てる。

 ただまあ思うのは、古美術商とかはとくにそうなのかもしれないけど、がらくたばかり買い集めて、結局、まったく売れずに増えていくのは借金だけで、それも年を取ってくると余計に商い下手になる。客に対して強く出られないのは老いもあるし性格もあるけど、なんといっても、客が金持ちだと卑屈になる。これはどんな商売でもそうだ。

 この映画では、家庭がそうだ。ひとり娘は夫と離婚して子供をひとりで育ててきた。父親には絶望しっぱなしで、最後の最後にいたって孫から金を借りるを知っては父親には悲しみいっぱいの軽蔑を感じる。すべては貧乏が原因なんだよね。こういうのは辛いな。最後の友達の古美術商の証言と、孫アモス・ブロテルスの名画を見つけたんだっていう叫びに溜飲は下げるけどね。

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暁に祈れ

2022年01月17日 00時07分08秒 | 洋画2018年

 △暁に祈れ(A Prayer Before Dawn)

 

 実話なんだけど、あしたのジョー・タイ版。

 しかし、生理的に汚なすぎて観る気が失せるていうか、うげぇ~って気持ちが悪くなってくるわ。

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ヒルビリー・エレジー 郷愁の哀歌

2022年01月16日 17時43分23秒 | 洋画2020年

 ☆ヒルビリー・エレジー 郷愁の哀歌(Hillbilly Elegy)

 

 うまいな~演技とメイク。グレン・クローズとエイミー・アダムズとヘイリー・ベネットを担当したメイクは天才じゃないっていうくらい、モデルになった婆ちゃんと母親と娘にそっくりだ。ガブリエル・パッソの演じた息子やフリーダ・ピントーの演じたその恋人もそうだけど、やっぱり、グレン・クローズたちにはおよばない。それで、このものすごくリアルなアメリカの「繁栄から取り残された白人たち」を、おもわず舌を巻いちゃうような上手な演技で見せちゃうんだから、いや、まいったわ。

 まあたしかに13歳でかけおちして、しかし、夫が実はごくつぶしで、火をかけて焼き殺そうとまでしたんだけど、結局は近くに別居して老衰死を迎えるまで家族だったっていう婆ちゃんは少なくないだろうし、その娘として育って看護婦にはなったものの麻薬に依存にするようになって病院を解雇され心がおかしくなっちゃう母親もいるだろう。決して珍しくはないだろうけど、まあ、アメリカの典型的な光景として捉えるにはありなのかな。

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