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☆=☆☆☆☆☆
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▽=☆

妖星ゴラス

2014年07月31日 00時58分47秒 | 邦画1961~1970年

 ◇妖星ゴラス(1962年 日本 88分)

 英題 Gorath

 staff 監督/本多猪四郎 特技監督/円谷英二

    原作/丘美丈二郎 脚本/木村武(馬淵薫)

    撮影/小泉一 美術/北猛夫、安倍輝明 音楽/石井歓

    劇中歌/作曲:石井歓『俺ら(おいら)宇宙のパイロット』

 cast 池部良 白川由美 久保明 水野久美 平田昭彦 佐原健二 田崎潤 上原謙 志村喬

 

 ◇特撮とボク、その12

 マグマはいらん。

「宇宙の果てから巨大な惑星が接近して、

 地球と激突するのを防ごうとする人々が、

 原水爆でも駄目な時どうするか」

 という設定は『宇宙人東京に現わる』とまるで同じだ。

 でも、異星人が協力してくれるか、あるいは地球を動かすかが違う。

 たしかに大映で『宇宙人東京に現わる』が製作されちゃってる以上、

 なにがなんでもこれを超えなければならず、そのためにはSF設定を完璧にするしかない、

 とかいうことを東宝の人達が覚悟していたかどうかは知らないけど、

 とにかく、

 本多猪四郎と助監督の梶田興治は東京大学理学部天文学科畑中武夫研究室に通ったらしい。

 さすがにまじめな本多猪四郎だけのことはあり、

 地球の6000倍の質量をもつ黒色矮星ゴラスの引力圏に吸い込まれないためには、

 南極大陸に原子力ジェットパイプを並べ66億メガトンの推力機関によって、

 地球そのものを40万キロ移動させて軌道を変えるしかないっていう、

 なんとも凄まじい結論にもってくる。

 でも、これは理論上は可能らしく、劇中で書かれる計算式もまちがいないものらしい。

 いや、このあたり、見事なもんだ。

 だからこそ、氷の中に眠ってた古代の爬虫類なんて出してほしくなかったんだよな~。

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世界大戦争

2014年07月30日 11時42分23秒 | 邦画1961~1970年

 ◇世界大戦争(1961年 日本 110分)

 英題 The Last War

 staff 監督/松林宗恵 脚本/八住利雄 木村武

     撮影/西垣六郎 美術/北猛夫 安倍輝明

     音楽/團伊玖磨 特技監督/円谷英二

     特殊撮影/有川貞昌 徳政義行 光学撮影/幸隆生

     美術/渡辺明 照明/岸田九一郎 合成/向山宏

 cast フランキー堺 乙羽信子 星由里子 宝田明 笠智衆 白川由美 山村聡 上原謙

 

 ◇特撮とボク、その11

 第三次世界大戦・市井版

 学生の頃、こんなことを考えた。

「学生の集う下宿で麻雀をしてる内に世界大戦が始まって、

 アパートから出た瞬間にとんでもない光景が広がっているとかって、

 それくらいばからしい世界ってありかしら?」

 そんなどうってことない日常生活の中に、

 第三次世界大戦の炎が迫ってくるのが、この映画だ。

 だから、なんともいえないリアリズムがある。

 高度成長期の感情とでもいうんだろうか、

 昭和レトロな映像を見るにはうってつけとなってしまうくらい時代は変ったけど、

 役者さんたちは可憐に演技していて、当時の世相と心情がよくわかる。

 大人が主役になっていられたのはこの時代までというのが寂しいね。

 それにくわえて、

 当時、ちまたは核戦争に対する恐怖感に包まれていた。

 黒澤明の危機感も相当なもので、

 1955年には『生きものの記録』を撮ってる。

 東映もそうで、1960年に『第三次世界大戦 四十一時間の恐怖』を撮ってるけど、

 この映画が制作されてる頃、東宝もまた似たような映画を制作していた。

 橋本忍の脚本による『第三次世界大戦 東京最後の日』なんだけど、

 なんか脚本が似てるとかどうとかの報道がなされて、

 堀川弘通監督作品は制作中止、まぼろしの大作になった。

 で、翌年にこの映画があらたに作られたのはいいとして、

 惜しむらくは橋本忍の脚本で、

 この映画化、誰かやってくれないかしらね。

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モスラ(1961)

2014年07月29日 11時34分48秒 | 邦画1961~1970年

 ◎モスラ(1961年 日本 101分)

 英題 MOTHRA

 staff 原作/福永武彦 堀田善衛 中村真一郎『発光妖精とモスラ』

     監督/本多猪四郎 脚本/関沢新一 撮影/小泉一

     美術/北猛夫 阿倍輝明 音楽/古関裕而

     挿入歌/ザ・ピーナッツ

     『モスラの歌』

     作詞/由起こうじ(田中友幸、関沢新一、本多猪四郎) 作曲/古関裕而

     『インファントの娘』

     作詩・作曲/池すゝむ(助監督部の梶田興治) 編曲/宮川 泰

     特技監督/円谷英二 撮影/有川貞昌 美術/渡辺明合成/向山宏

     光学撮影/真野田幸雄 造形/利光貞三 デザイン/小松崎茂

 cast フランキー堺 香川京子 小泉博 ザ・ピーナッツ ジェリー伊藤 志村喬 上原謙

 

 ◎特撮とボク、その10

 福田善一郎、登場。

 フランキー堺演ずるところのすっぽんの善ちゃんの本名は、福田善一郎。

 原作者3人の名前をつなぎあわせて創った名前だ。

 この映画の関係者は筆名だらけで、ほんとにこんがらかる。

 ま、そんなことはいいけど、

 無から基礎を作った偉大さをこれほど感じる特撮映画はない。

 邦画で怪獣映画を作るには、

 やはり土俗的な物から発想するのが楽とはいえ、

 神の蛾と双子の小美人という着想は、

 おもいつくようでいて、なかなかおもいつかないものだ。

 巨大な胞子植物から搾り採られた赤い汁が、

 なんで放射能から身を守ってくれるのかといった細かいことの理由づけとか、

 たしかに寸足らずな箇所はあるけど、そんなことは補って余りある。

 さらにいえば、

 東宝特撮の音楽は伊福部昭に始まり伊福部昭に終わるような印象だけど、

 この作品についてはまったく例外で、

 さすがに古関裕而は凄い。

 ちなみに、

 公開時、砧撮影所の食堂で、

 ロールパンをモスラの幼虫、ゆで卵をモスラの卵に見立てた、

 洋食「モスラ弁当」が出現したらしい。

 食べたかったわ~。

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ガス人間第一号

2014年07月28日 15時54分09秒 | 邦画1951~1960年

 ◇ガス人間第一号(1960年 日本 91分)

 英題 The Human Vapor

 staff 監督/本多猪四郎 特技監督/円谷英二 脚本/馬淵薫

     撮影/小泉一 美術/清水喜代志 音楽/宮内國郎

 cast 三橋達也 土屋嘉男 八千草薫 塩沢とき 佐多契子 小杉義男 左卜全 松村達雄

 

 ◇特撮とボク、その9

 八千草さんの綺麗なこと!

 科学空想的な題名とは真逆の、

 落剥した日舞の女師匠への恋慕と悲劇という凄い設定なんだけど、

 ガス人間を葬るために劇場を密閉して爆破するという計画は、

 凄い。

 鼓打ちの卜全に、恋にもにた憧れがあればさらに良なんだけどな…。

 ちなみにポスターも含めて予告編も本編も『第』の字が略字になってて、

 これはJISでは出ない。

 あと、予告編と本編では『一』が『1』になってる。

 この時代までは、どうやらあんまり細かいことはいわなかったんだろね。

 字も数字もまあわかればいいじゃん、みたいな。

 ちょっと驚いたのは、音楽が「ウルトラQ」や「ウルトラマン」と同じだってことだ。

 どうやら、この作品が本家本元で、

 のちに宮内國郎がテレビシリーズを担当したときに流用したものらしい。

 へ~って話だよね。

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電送人間

2014年07月27日 02時44分11秒 | 邦画1951~1960年

 ◇電送人間(1960年 日本 85分)

 英題 The Secret of The Telegian

 staff 監督/福田純 特技監督/円谷英二 脚本/関沢新一

    撮影/山田一夫 美術/浜上兵衛 音楽/池野成

 cast 鶴田浩二 白川由美 土屋嘉男 平田昭彦 田島義文 天本英世 松村達雄 児玉清

 

 ◇特撮とボク、その8

 アトムの物質電送機の巻みたいだけど、

 内容はかなり過激だ。

 というより、凄い世界だ。

 死体に認識章、軍用行李2号、銃剣殺人、

 軍国キャバレー大本営、金粉ショウ、超ミニの水兵ガール、兵隊の呼込み、

 酒の名は焼夷弾にミサイル、トランジスタに代わる絶対4度のクライオトロン…、

 凄すぎだろ!

 それにしても、クライオトロンってのをよくおもいついたもんだよね。

 設定として、来るべき時代にトランジスタに取って代わる真空管の一種ってところが、

 なんとも高度成長期らしくていいんだけど、

 絶対温度四二度という低温を保たねばならないなんていう弱点をつけてるところがニクイ。

 この当時、戦争中にとんでもない発明がなされてたっていう物語はたくさんあって、

 まあそれほど、戦時中の軍隊の研究所は秘密のベールに包まれてたってことなんだろう。

 陸軍はどんな戦術を考えてたのかな?

 ニューヨークやワシントンに一個旅団くらいをいっぺんに電送しようとかしてたのかな?

 そしたら、えらいことになっただろうな~。

 でもさ、物質電送機ってのは、そもそも誰が考えたんだろね。

 円谷英二はテレビを見てて、走査線の横縞模様に着目したって話だけど、

 やっぱ、この映画が手塚治虫にも影響を与えたんだろうか?

 ちなみに、これ、福田純の第2作目らしいんだけど、

 もともと本多猪四郎が監督するはずが『宇宙大戦争』の撮影と重なったもんだから、

 急遽、登板ってことになったらしい。

 でも監督してよかったんじゃないだろか。

 だって映画における代表作なんじゃないかって気がするんだけどな~。

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宇宙大戦争

2014年07月26日 21時28分28秒 | 邦画1951~1960年

 ◇宇宙大戦争(1959年 日本 93分)

 英題 Battle in Outer Space

 staff 監督/本多猪四郎 特技監督/円谷英二 原作/丘美丈二郎

    脚本/関沢新一 撮影/小泉一 美術/安倍輝明

    コンセプトデザイン/小松崎茂 音楽/伊福部昭

 cast 池部良 安西郷子 千田是也 土屋嘉男 伊藤久哉 沢村いき雄 桐野洋雄 高田稔

 

 ◇特撮とボク、その7

 劇中の設定は1965年となってる。

 てことは撮影時のたった6年後で、

 いくらなんでも国際宇宙ステーションはできてないだろうって、

 誰もおもわなかったんだろうか?

 あるいは、それほどこの時代の経済成長は高度だったんだろうか?

 ただ、たしかに1965年、日本人は未来と宇宙を夢見てた。

 ごま粒のようながきんちょだったぼくも、多少ながらそんな夢を見てた。

 絵を描けばかならずロケットは登場してたし、たいがい小松崎茂の絵がお手本だった。

 宇宙人が地球に大襲来してきて、これを迎撃するっていう物語の定番は、

 いったいいつからできていたんだろう。

 やっぱり『火星人襲来』とかからだろうか?

 ただ、ナタール星人っていう名称がなんかしっくりこない。

 いったい、かれらは地球を征服してどうしたかったんだろう。

 なんで、大襲来をしてこなくちゃいけなかったんだろう。

 そのあたりの深みがないのはまあ当時らしくていいんだけど、

 ま、そんなことはさておき、

 演技陣がいい。

 千田是也のきわめて自然な演技はたいしたもので、

 大仰な芝居の多いこの時代に、よくもまあこんなに素朴な喋りができたもんだ。

 土屋嘉男はちからいっぱいの芝居だけど、でも、月面の歩き方が実にいい。

 三宅島の溶岩地帯で撮影したらしいんだけど、いや~リアルだ。

 たったひとりだけ、月の重力を表現できてる。

 とはいえ、月面探検車に全員で戻るときには、みんな、土屋歩きになってるけどね。

 でも、なんといってもいいのが、安西郷子だ。

 演技というんじゃなくて、そのエキゾチックな存在感だ。

 もともと日本人ばなれした顔立ちながら、この時期はきわだって美しい。

 こういうインターナショナルな作品にはよくはまるよね。

 でも、なにより凄いな~とおもったのは、伊福部昭だ。

 ラスト20分の戦闘場面は、もはや特撮の当時の限界をおぎなって余りある。

 いやもうブラスの連中の息が続かなくなっても、

「かきならせ!」

 とばかりに延々吹奏されつづけるんだから、凄まじい。

 実際、胸を躍らせないわけにはいかない。

 いや~堪能したわ。

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美女と液体人間

2014年07月25日 01時01分20秒 | 邦画1951~1960年

 ◇美女と液体人間(1958年 日本 86分)

 英題 The H-Man(Beauty and Liquid Men)

 staff 監督/本多猪四郎 特技監督/円谷英二

    原作/海上日出男 脚色/木村武(馬淵薫)

    撮影/小泉一 美術/北猛夫 音楽/佐藤勝

 cast 佐原健二 平田昭彦 白川由美 小沢栄太郎 土屋嘉男 中丸忠雄 千田是也 佐藤允

 

 ◇特撮とボク、その6

 水爆実験ていうか、放射能の恐怖はこの時代の寵児のようだ。

 いろんな映画の主題にされてる。

 この映画もそうで、南洋で放射能を浴びた第二竜神丸の船乗りにその恐怖が始まる。

 つまり「強烈な放射線を浴びた生物は液体状になり、液体生物に変化する」というもので、

 この液体生物に触れた生物もまた液体生物になり、しかもこの生物は意識を持っている。

 なんとも破天荒な設定なんだけど、そこはそれ、東宝特撮のすごいところだ。

 日劇ダンシングチームが全盛の頃で、

 園田あゆみの踊りがまたいい。

 もうヌードも同然のビキニで踊りまくってるんだけど、いや~、アダルトな映画だったわ。

 佳境に入って、下水道に連れ込まれた白川由美が「脱げ」といわれて、

 液体人間に触れて死んだことにしろと強制されるわけなんだけど、

 そこはやっぱりシミーズになるのが精一杯とはいえ、

 そのまま下水道を逃げてゆくってのは、この時代の邦画の中ではかなり挑戦的だ。

 ちなみに、

 1872年12月5日の午後、

 アゾレス諸島 のサンタ・マリア港近くでマリー・セレステ号事件ってのが起こり、

 船内からすべての乗組員が消え去ってしまったっていうやつなんだけど、

 コナン・ドイルが『J・ハバカク・ジェフスンの遺言』っていう短編にしたりして、

 以来、世界中で評判になった幽霊船の話がある。

 第二竜神丸は、第五福竜丸とマリー・セレステ号が二十写しになった感じだね。

 問題の液体人間なんだけど、

 これは最初に襲われるのが白川由美の愛人で、三崎って男だ。

 けど、役者のあらかたが三崎って名前を五音階のラソミで発音する。

 佐原健二だけが正確なソソラで発音する。

 この間違った訛りのような発音がどうにも耳についちゃって、いかん。

 それはともかく、液体人間だ。

 怪物が液体のため、なかなか恐怖に感情移入できないとおもったのか、

 ときおり、緑色の幽霊のような気体とも個体ともつかない形に変じてはくれるものの、

 いまひとつ、凄さがない。

 なんだか『怪奇大作戦』でも見てるような錯覚すら受けちゃうんだな、これが。

 ただ、下水道で退治するとき、油を流して水面をぼうぼう燃やすんだけど、

 これはすごい。

 下水道中が炎につつまれ、下水が流れ出る港湾一帯が火の海になってゆくラストは、

 いやまじ、これからどうすんのって感じのラストカットでした。

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地球防衛軍

2014年07月24日 03時02分35秒 | 邦画1951~1960年

 ◇地球防衛軍(1957年 日本 88分)

 英題 The Mysterians

 staff 監督/本多猪四郎 特技監督/圓谷英二(円谷英二)

    原作/丘美丈二郎 潤色/香山滋 脚本/木村武(馬淵薫)

    撮影/小泉一 美術/安倍輝明 音楽/伊福部昭

 cast 佐原健二 白川由美 河内桃子 平田昭彦 志村喬 藤田進 土屋嘉男 中丸忠雄

 

 ◇特撮とボク、その5

 なんのことはない。

 火星から月へと移住した土星衛星人が敷地占拠と女性狩に来るっていう、

 もう大変なくらい凄まじい物語なんだけど、

 土星の衛星に生命体が棲んでいる可能性があるっていうのは、

 当時からすでにいわれてたことなんだね。

 そういうところからすれば、

 東宝の空想科学映画もまんざらじゃないってことになるのかしら。

 まあ、それはそれとして、

 弱いぞ、モゲラ!

 モゲラは実はその名称がいつつけられたのかわからなくて、

 映画の中では名前を呼ばれてないような気がするんだけど、

 ともかく、2度も登場する。

 ところが、鉄橋爆破で川に落ちるのと電波砲塔が倒れるのとで、

 どっちもすぐにやられちゃう。

 弱いんだ。

 もうちょっとなんとかしてくれよ~とはおもうんだけど、

 尺の問題だったのかしらね。

 まあ、モゲラの弱さはさておき、

 この作品は、伊福部昭の独壇場だ。

 3つも交響曲が入ってるなんて、それを聞くだけでも観る価値がある。

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空の大怪獣ラドン

2014年07月23日 03時48分46秒 | 邦画1951~1960年

 ◎空の大怪獣ラドン(1956年 日本 82分)

 英題 Rodan

 staff 監督/本多猪四郎 特技監督/円谷英二

    原作/黒沼健 脚本/村田武雄、木村武(馬淵薫) 撮影/芦田勇

    美術/北辰雄 音響効果/三縄一郎 音楽/伊福部昭

 cast 佐原健二 白川由美 平田昭彦 中谷一郎 中田康子 村上冬樹 田島義文

 

 ◎特撮とボク、その4

 ラドンは2匹いる!

 これがものすごくわかりにくいんだけど、

 北京に11時に現れ、マニラに11時20分に現れるのは無理だろうってことから類推して、

 てなことかもしれないけど、

 これ、音速だとそれくらいの速さになるのかな~とかおもってしまいたくならないかしら。

 でもまあ、攻撃を受けている際、いきなり2匹になってて、

「あれま」

 とかって感じになるんだけど、物語中で「2匹だったのか!」とかいう台詞ないんだよね。

 だから、つがいとはおもいにくいものの、

 なぜか、阿蘇山の大爆発のために溶岩の上へ折り重なるように落ちていくのを見てると、

「ああ、つがいなんだな~」

 っていうもの悲しさを感じる。

 でも、そう、日本の怪獣映画はこうでなくちゃいけないんだよね。

 哀愁っていうのか、怪獣が死んでゆくさまを見てもの悲しいと感じ、憐憫を傾ける。

 こういう惻隠の情を忘れてしまった怪獣映画は、単なる子供だましに堕してしまった。

 ただ、実をいうと、阿蘇山の火口へ落下するラドンは、

 鉄を溶かして溶岩に見せかけてた撮影の際、

 あまりの高温のためにラドンを吊っていたピアノ線が溶けて切れ、ラドンが落下したらしい。

 つまり、ラドンは脚本上では落下することなく火口の上を旋回したまま終わるはずだった。

 けどまあ、怪我の功名ってやつで、

 咄嗟に「これだ!」と判断した円谷英二は流石といわざるをえないよね。

 流石といえば、衝撃波をくらってビルや家屋が崩れていくところの細かさや、

 防衛軍の戦闘機が西海橋を潜り抜け、さらに橋が捻じ曲がるという画期的な特撮に、

 ぼくが感激したのは大学生のときだった。

 この映画を初めて見たのは小学生で、しかもテレビ放送だったから、

 炭鉱とその長屋の薄暗い中でのメガヌロンっていうかヤゴとの絡み合いが延々と続いて、

 当時のぼくにしてみればかなり苦痛な映画だった。

 しかも、白川由美が妙に色っぽくて、浴衣の赤い花がなんだか血に見えたりもして、

 かなり陰鬱な気分になったりもした。

 なんで怪獣映画なのにこんなに生々しいんだろうっておもったことだけは、

 ものすごくよくおぼえてる。

 だから、大学に入って、名画座で観たとき、

 真っ青な大空に飛行機雲っていうかラドン雲が引かれてゆく演出がなんともからっとしてて、

 炭鉱のじめじめ感がぬぐい捨てられてるじゃんとかっておもった。

 いや~映画ってのは観る時期によって、こうもちがうんだね。

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ゴジラの逆襲

2014年07月22日 03時07分17秒 | 邦画1951~1960年

 ◇ゴジラの逆襲(1955年 日本 82分)

 英題 Godzilla Raids Again(Gigantis the Fire Monster)

 staff 監督/小田基義 特技監督/円谷英二

    原作/香山滋 脚本/村田武雄、日高繁明

    撮影/遠藤精一 美術/北猛夫、安倍輝明 音楽/佐藤勝

 cast 小泉博 若山セツ子 千秋実 志村喬 清水将夫 土屋嘉男 星野みよ子 木匠マユリ

 

 ◇特撮とボク、その3

 ゴジラはもう一匹いた!

 そりゃあ、ジュラ紀からずっと生きながらえてきたわけだから、当然、複数いる。

 それどころか、種の保存が為されているわけだから、かなりの数がいて当然だ。

 どころが、これ以降、ゴジラは地球上でたった一匹しかいないっていう感じになる。

 なんだかな~。

 原作者の香山滋は「ゴジラがかわいそうだ」といって氷に閉じ込めたらしいんだけど、

 これでゴジラは死なずに生き続けることになってしまったんだから、

 はたしてよかったのかどうか。

 それと、ゴジラが生きていたわけだから、

 ジュラ紀の肉食恐竜で、暴竜とされるアンキロサウルスも生きていていいわけで、

 結局、水爆実験はいったいどれだけの生物を怪獣化させてしまったんだろね。

 この罪は重いぜ。

 映画の出来栄えとしては、かなりいいんじゃないかっておもうんだよね。

 海軍航空隊の生き残りたちが共同してゴジラと戦うなんて、なんかいいじゃん。

 そうした主人公たちの社内や料亭や機内とかの描写は、

 やけに時代性を帯びてていいんだけど、

 脱走犯のくだりはちょっと思い入れが強すぎて、

 肝心な話から遠くなってるような感じだから、

 ぼくとしてはちょっとばかり外してほしいって感じはある。

 でもまあ、

 その辺もひっくるめて、映画全体にそれなりの現実感が漂ってる。

 この作品の良さは、そのあたりだよね。

 やっぱり現実味が薄れていくと、怪獣映画はどんどんつまらなくなっちゃうもん。

 それと、

 セットもなかなかいいし、戒厳令を布かれたような大阪の雰囲気が実にいい。

 さらにいうと、ゴジラとアンギラスの戦いが妙に現実味を帯びてていい。

 怪我の功名からコマ落としで撮影したらしいんだけど、

 いやまじ、怪獣ってこんなふうに戦うんじゃないかっておもえた。

 スローモーションは大きさや重さを表現するにはいいかもしれないけど、

 以外にコマ落としの迫力ってあるもんなんだね。

 そうそう、

 実は、自衛隊がゴジラを封じ込めた唯一の作品じゃないかって気がするわ。

 そんなことないのかな?

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透明人間(1954)

2014年07月21日 14時50分55秒 | 邦画1951~1960年

 ◇透明人間(1954年 日本 70分)

 staff 監督/小田基義 原案/別府啓 脚本/日高繁明

     撮影・特技指導/円谷英二 美術/安倍輝明 音楽/紙恭輔

     光学撮影/荒木秀三郎 合成/幸隆生 特撮美術/井上泰幸

 cast 河津清三郎 三條美紀 土屋嘉男 森啓子 重山規子 近藤圭子 藤原釜足

 

 ◇特撮とボク、その2

 サイパン帰りの透明人間だなんて、

 なんとまあ、哀愁に満ちた透明人間だこと。

 放射線研究の偶然の産物が、

 特殊部隊という戦時秘話はおもしろいし、

 透明人間がピエロとして生きざるをえないとか、

 盲目の少女を出すとか随所にいい感じなんだけど、

 それがほとんど生かされてこないところが、

 なんだか辛いかな~と。

 街頭TVは、4チャンネルだった。

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ゴジラ

2014年07月20日 21時25分03秒 | 邦画1951~1960年

 ☆ゴジラ(1954年 日本 97分)

 英題 Godzilla

 staff 監督/本多猪四郎 原作/香山滋 脚色/村田武雄、本多猪四郎

    撮影/玉井正夫 美術/北猛夫、中古智 音響効果/三縄一郎

    特殊技術/圓谷英二 音楽/伊福部昭

    劇中歌「平和への祈り」/作詞:香山滋、作曲:伊福部昭、斉唱:桐朋学園女子生徒

 cast 志村喬 河内桃子 宝田明 平田昭彦 高堂国典 菅井きん 堺左千夫 鈴木豊明

 

 ☆特撮とボク、その1

 もともとこの作品の仮題は『海底二万哩から来た大怪獣』だったらしい。

 ま、それはいいとして、

 大学時代、まだそれほど『ゴジラ』に始まる特撮が市民権を得ていなかった時代、

 どちらかといえば、特撮とか子供だましのように捉えられていた時代、

 ぼくはかなり特撮に入れ込んでいて、

 東宝の特撮作品が名画座で掛かるとまっさきに観に出かけてた。

 大学の何年だったか、文芸地下に『ゴジラ』が掛けられたとき、

 タイトルに伊福部昭の名前があがった瞬間、にわかに拍手が沸き起こった。

 後にも先にもそのときだけだったけど、

 その時代にしてはかなりマニアックな連中がその日の劇場につめかけてたんだろう。

 だって、その時代はまだビデオとか普及してなくて、

 映画音楽のLPがかろうじてレコード屋さんの片隅にあるくらいなもので、

 ゴジラシリーズとか、

 日曜の昼すぎになるとたま~にテレビで放映されるくらいしかなかったから、

 僕たちはずいぶん相当、東宝特撮っていうか、伊福部昭に飢えていた。

 そんな時代だった。

 でも今じゃ、レンタル店があるから、

 好きなときに好きなだけ、東宝特撮に浸たっていられる。

 時代の流れってのはすごいもんだ。

 で、ハリウッドで『ゴジラ』が復活したついでに、

 この際、観られるかぎり『ゴジラ』に始まる特撮映画を観てみようっておもい、

 まあその初っ端はやっぱり『ゴジラ』でしょってことで観たんだけど、

 いや、やっぱり、すごかった。

 でも、この作品がどれだけすごいのかってことは、今さら書く必要もないわけで、

 元ネタのひとつには『原子怪獣現わる』とかあってさとか、長ったらしくなるだけだし、

 ここではゴジラっていう怪獣について、ちょっと書いておけば、ま、いいかなと。

 で、ゴジラのことだ。

 ゴジラはいちばん最初、北緯24度、東経141度の洋上に現れる。

 これがどこかっていうと、米軍と壮絶な死闘を繰り広げた硫黄島の南あたりだ。

 この頃、海底火山が大噴火して陸地がどんどん出来上がりつつある西之島の南でもある。

 そこからゴジラは東京に向かってくるわけなんだけど、

 そもそもゴジラは高堂國典の棲んでる大戸島にはそれまでにもよく現れていたらしい。

 大戸島は伊豆諸島のどこかにあって、江戸時代よりも前から人が棲んでたらしい。

 志村喬演じる山根京介博士はいう。

「ゴジラがどうして、今回、わが国の近海に現れたか、その点でありますが、おそらく海底の洞窟にでもひそんでいて、かれらだけの生存をまっとうして生きながらえておったと、それが、たびかさなる水爆実験によって、かれらの生活環境を完全に破壊された。もっとくだいていえば、あの水爆の被害を受けたために安住の地を追い出されたと見られるのである」

 ちなみに、大戸島は伊勢志摩の三重県鳥羽市の石鏡町でのロだケそうだから、

 初代ゴジラの雰囲気を味わいたければ、伊勢志摩まで出かければいいんだけど、それは余談。

 大戸島だ。

 ここの呉爾羅大明神ってのがゴジラの正体になる。

「やっぱり、ゴジラかもしんねえ」

「またじいさまのゴジラか。今どきそんなもんがいるもんかよう」

「おい、昔からの言い伝えバカにすると、今におめえたちアマっ子、ゴジラの餌食にしなきゃなんねえぞ」

 記者が漁師に訊く。

「たしかに生き物か?」

「奴は今でも海の中で暴れまわってる。だから雑魚いっぴき獲れやしねえや」

「だけど、そんな大きな生き物が」

「だからおらぁ話すのは嫌だって言ったんだ。いくら正直に話しても誰も信用しやしねえんだ」

 祭礼の烏帽子に天狗の神楽舞を奉納しているとき、今度は村長に、

「ゴジラ?」

「へえ。おそろしくでけえ怪物でしてね、海のウオを食い尽くすと、今度ぁ陸へ上がってきて人間までも食うそうだ。むかしゃあ、長く時化のつづくときにゃあ、若ぇ娘っ子を生け贄にして、遠ぉい沖へ流したもんだ。へぇ。今じゃあ、そんときの神楽が、こうやって厄祓いで残ってるだ。へぇ」

 つまり、呉爾羅は、ジュラ紀に生息していた太古の生物で、

 こいつが海底の洞窟を棲み処にしてたんだけど、魚が取れずに飢えたりすると、

 大戸島へ現れては牛や馬、ときには生贄にされた若い女性を食べてたらしい。

 ところが、アメリカの水爆実験によって棲み処を追い出され、

 放射能の影響で巨大化したばかりか、

 背びれが発光して口から火炎なのか放射能だかよくわかんない破壊炎を噴くようになっちゃった。

 つまり、どういうことかっていうと、大明神が怪物になっちゃったっていうわけで、

 もしかしたら、

 全身が水爆によって焼け爛れ、怪物にされてしまったゴジラはその苦しさに悶え狂いながら、

 助けを求めるようにして日本をめざしたのかもしれない。

 アメリカの水爆で死ねなかったばかりか怪物化し、さらに日本の自衛隊から攻撃される。

 ゴジラの咆哮は「なにもしないよ。苦しいんだから、助けてくれ。いっそ殺してくれ」とか、

 もう断末魔のようにして泣き叫んでいたのかもしれない。

 となれば、これは悲劇以外の何物でもない。

 ゴジラはたしかにかつては荒魂だったかもしれないけど、

 それは大戸島が戦争にも巻き込まれず、穏やかな海に囲まれていた時代のことだ。

 後世、破壊神とかって、名称だけはかっこいいものに祀り上げられたゴジラは、

 ほんとうにそれで満足だったんだろうか。

 正義の味方にされていく過程の中で、呉爾羅大明神だった素朴な過去を、

 ゴジラはどんなふうに思い起こしていたんだろう?

 宝田明は、いう。

「あの凶暴な怪物をあのまま放っておくわけにはいきません。ゴジラこそ、われわれ日本人の上に覆いかぶさっている水爆そのものではありませんか」

「その水爆の放射能を受けながら、なおかつ生きているその生命の秘密をなせ解こうとしないんだ」

 芹澤博士の発明したオキシジェン・デストロイヤーによって永遠の眠りについたとき、

 もしかしたらゴジラは、

「これでようやく地獄のような苦しみから解放される」

 とかおもってたんじゃないだろか。

 そんなふうに『ゴジラ』が見えてくるようになった僕は、

 たぶん、ずいぶんと年を食ってしまったのかもしれないね。

 ラスト、志村喬は含みをもたせる。

「あのゴジラが最後のいっぴきだったとはおもえない。もし、水爆実験が続けて行われるとしたら、あのゴジラの同類がまた世界のどこかへ現れてくるかもしれない」

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明りを灯す人

2014年07月19日 12時53分44秒 | 洋画2010年

 ☆明りを灯す人(2010年 キルギス、フランス、ドイツ、イタリア、オランダ 80分)

 原題 Cbet-ake、Svet-Ake

 英題 The Light Thief

 staff 監督/アクタン・アリム・クバト

     脚本/アクタン・アリム・クバト、タリプ・イブライモフ

     撮影/ハッサン・キディラリエフ 音楽/アンドレ・マシアス

 cast アクタン・アリム・クバト タアライカン・アバゾバ アスカット・スライマノフ

 

 ☆Svet-Akeは明り屋の意味

 電気工でも電気屋さんでもない。

 Svetという単語は、明りとか光とかを意味する。

 まちがいなく明り屋さんなのだ。

 ただ、同時に、Svetは世間や社会も意味するらしい。

 つまりは、

 村のために光をもたらしてくれる人、という意味になるんだろう。

 最初、アクタン・アリム・クバトという監督が主演を兼ねてるとはわからず、

 素人のほんものの電気工をキャスティングしたんだな~とおもってた。

 そしたら、そうじゃなかった。

 リアリズムってのは、徹底してればしてるほどドキュメンタリーみたいになる。

 ほほえましさとせちがらさの同居する遊牧民の末裔たちの暮らしだけど、

 それが、ほんとに現代でもこうなんだろかとびっくりするくらいよく描けてる。

 物語はいたってシンプルで、

 村に中国人の投資家が現れ、それを接待するために灯りを入れることになり、

 そのついでに接待の場にも同座することになったアクタン・アリム・クバトが、

 踊り子が馬姦させられることに耐えられなくなり、

 彼女を逃がそうとするんだけど、彼女自身、それを拒否しただけでなく、

 面子をつぶされた村の顔役どもの手配した暴漢たちに殴られ、

 川へ棄てられるんだけれども、村にはふたたび小さな光が点り始める。

 つまり、明りを灯す人の話なのだ。

 でも、このシンプルさがまたいいし、実は物語はどうでもいいところがあって、

 美しい映像と音楽から、

 かれらの暮らしと心のさまを感じられればそれでいい。 

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ぷりてぃ・ウーマン

2014年07月18日 21時14分33秒 | 邦画2003年

 △ぷりてぃ・ウーマン(2003年 日本 111分)

 staff 監督/渡邊孝好 脚色/高橋美幸、真崎慎

     撮影/安田圭、橋本桂二、鈴木慎二、北村峰晴

     美術/金田克美 衣裳/岩崎文男、須賀美波 音楽/佐橋俊彦

 cast 淡路恵子 西田尚美 風見章子 風吹ジュン 高橋ひとみ 竹井みどり

 

 △おばあちゃんたちの劇団

 その創設の物語なんだけど、

 どうやらこの劇団は静岡県に実在するらしい。

 世の中、これだけ高齢化社会になってくると、

 じーさんばーさんがそこらじゅうにいて、

 悠々自適な人は幸せだけど、そうじゃない人もたくさんいる。

 ここではいろんな境遇の人がいて、

 たいがいは高齢者のデイ・サービスっていうか、

 公営の介護福祉施設に集ってるおばあちゃんたちが物語をひっぱる。

 まあ、こういう人達はいろいろあるものの、

 幸せな老後なんだろな~とおもったりする。

 でもさ、

 ぼくはおもうんだけど、ただ愉しいからいろんなことをするってだけじゃ、

 この先の日本は辛くなってくような気がしないでもない。

 この国のボランティア流行りは実はぼくは好きじゃなくて、

 有償ボランティアが増えていかないといけないとおもうし、

 たとえば、彼女たちのように劇団を旗揚げしたんだったら、

 やっぱり、それでちょっとはお金を稼ぐように持っていきたいところだ。

 なんだか、そんな気がするんだけどね。

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ファンタジア

2014年07月17日 20時27分49秒 | 洋画1891~1940年

 ◇ファンタジア(1940年 アメリカ 125分)

 原題 Fantasia

 staff 監督/ベン・シャープスティーン

     脚本/ジョー・グラント、ディック・ヒューマー

     製作/ウォルト・ディズニー、ベン・シャープスティーン

     ナレーター/ディームズ・テーラー、コーリー・バートン

     音楽/エドワード・H・プラム、フィラデルフィア管弦楽団

     指揮/レオポルド・ストコフスキー

 cast ディームス・テーラー レオポルド・ストコフスキー、ミッキー・マウス

 

 ◇ハイビジョン・デジタル修復版

 11人の監督、60人のアニメーター、

 103人編成のオーケストラ、

 延べ1000人のスタッフ、

 原画100万枚、

 録音テープ42万フィート(使用1万8千フィート)、

 制作日数3年という途方もない世界初のステレオ録音をした超大作で、

 25年かけて投資を回収したという、

 曰くつきの作品で奏でられているのは、

 1:「トッカータとフーガ ニ短調」J.S.バッハ(9:22)

 2:組曲「くるみ割り人形」チャイコフスキー(13:30)

 3:「魔法使いの弟子」デュカス(9:17)

 4:「春の祭典」ストラヴィンスキー(22:28)

 5:「田園交響曲」ベートーヴェン(22:00)

 6:「時の踊り」ポンキエッリ(12:13)

 7:「はげ山の一夜」ムソルグスキー(7:25)

 8:「アヴェ・マリア」シューベルト(6:27)

 の8曲なんだけど、

 当初は、

 ここにドビュッシーの「月の光」も入るはずだったそうな。

 この映画は、ぼくにとっても幻の作品だった。

 観たくても観ることができずにいたもので、

 ようやく観られた。

 まあ、そういう作品なので、へ~とおもって観ただけで、

 これといって感想はない。

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